■メイン写真
お亀池を眼下に望む
■今回のコース
倶留尊大権現→林道終点→稜線出合→倶留尊山→稜線出合→二本ボソ→亀山峠→亀山→
お亀池→野口駐車場⇒曽爾ファームガーデン
曽爾高原といえば、一面のススキの野原と、貴重な湿原のお亀池で名を馳せる。
すぐ北には室生火山群の最高峰・倶留尊山がそびえる風光明媚な場所だ。
このあたりは、奈良側、三重側を問わず何度も歩いているが、今回は倶留尊山の
語源にもなった倶留尊大権現から、久しぶりにアプローチしてみた。
伊賀見から橋を渡り、細い林道へクルマを走らせる。
広く伐採が行われたようで、以前のイメージと少し違うが、横を流れる沢の
様子はかつてのままだ。
谷道と林道が分岐するところまででクルマを駐車。この日は、ともちゃんがクルマを
曽爾高原に回してくれる。
支度を整え、林道を進むと、すぐに左に石鳥居と、その横に山の神がある。
これが倶留尊大権現への入口だ。
苔むした道を200mほど入ると、突然、高さ10mほどの尖った岩峰に出くわす。
倶留尊大権現だ。
古代の磐座信仰を感じさせ、荘厳な威圧感がある。
元の林道に戻り、坂をひたすら上っていく。
右に斜瀑群がみえる。朝まで雨が降っていたので水量豊富で見ごたえがある。
林道の終点は、二本ボソの料金所(下市町の柳原林業の所有地のため)に詰める
おばちゃんたちの4WDが停まっている。ここから林業用のモノレール軌道が
料金所まで続いているのだ。
我々は、しばらくモノレールに沿って高度を稼ぎ、右に古い温室跡をみると
軌道を離れ、シャクナゲ群落の中を突き上げ、稜線の鞍部に出る。
稜線は強い西風が吹き、かなり寒い。薄いガスが立ち込める中を、倶留尊山へ向かう。
途中で後ろを振り返ると、二本ボソが見えた。
最後はちょっとした岩場をよじ登る。
固定ロープは、よく見かけるトラロープではなく、曽爾村では船用の丈夫なもやい綱を
使用している。上部なのはよいが、とにかく重いので、張った時は大変だったという。
倶留尊山に到着。ガスが晴れず、展望を楽しむことはかなわなかった。
相変わらずの強風。長居しても寒いので、少し腹に入れて、もと来た道を下った。
下り始めてすぐ、向こうから17人の大パーティーとすれ違った。
先ほどのシャクナゲ群落の鞍部を過ぎ、二本ボソへ登り返す。
その途中に、ちょうど我々パーティの人数が収まる程度の平地をみつけ、
それがちょうど強風を防げる場所だったので、ここでランチタイム。
二本ボソに到着。風は相変わらずだが、ガスは晴れてきた。
「二本ボソ」の名は、かつてこの頂上に2本のホソの大木があったことにちなむ。
ホソは、コナラのことで、三重県の方言だ。
麓からよく見え、人々はこの2本の樹を目印に登ってきたという。
今はむしろ、ミズナラのほうが周囲に多いが、そこまでの大木はない。
倶留尊山を振り返る。三重県側の急峻さがよく見て取れる。
二本ボソの山頂の三重県側の岩場を少し下りると、狭くせり出した岩のテラスがある。
これが「イワシの口」。三方が切れ落ちているので、高度感、スリル感はなかなかのもの。
林業用のモノレールが入線中だ。
入山料500円を支払って、ここを通過する。
クルマを回してくれたともちゃんが、ここまで来てくれていた。
紅葉は1~2週間ほど遅れているようだ。
シダレハナビタケかな?
樹林帯が突然途切れ、曽爾高原の雄大な眺めが眼下に広がる。
お客様からも感嘆の声がもれる。
稜線づたいにぐるっと。時々、ちょっとした岩場があって楽しいが、
樹木がない尾根は風を受け放題。帽子を何度も飛ばされかけた。
亀山峠の直下で記念写真。
ススキは背丈が低いままで、穂が十分に育っていないものも多い。
昨今の暑すぎる気候が影響しているのだろうか。
岩の間にウメバチソウを発見。こんなところに、この季節に!
亀山のピークを踏み、お亀池へ下り始める。
センブリ。秋を感じる。
こちら側のススキは、背が高く、穂もきれいに出ている。
バックは古光山。
おだやかな樹林帯の中を下っていく。林床のササはシカの食害を受けていた。
お亀池に下りてきた。
運よく、ナンバンギセルを見つけた。ススキに寄生する珍しい植物だ。
帰りは曽爾ファームガーデンに立ち寄り、めいめいお買い物。
水曜日はお亀の湯の定休日。ずっと強風に吹かれていたので、もし営業日だったら
確実に入浴していただろう。