いやぁ暑かった。タオルが絞れるくらいの汗を流しながら、2リットル以上の水分を補給しつつ登ったのは、大峰最奥の秘境・高津川ルートからの中八人山/南八人山。最奥の秘境といっても、いろいろ解釈の仕方はあるわけで、要するに、ここは交通アクセスが非常に悪い。しかも奥駆ルートから外れている。北アルプスで言えば高天原か赤牛岳か、そういうニュアンスなのだ。
前日の部内の歓送迎会を蹴って(ごめんなさい)、朝4時に自宅を出る。道の駅「大塔」で、きょうのパートナー、I川さんと合流。さらに168号線、425号線を経て大野、片川、そして高津川合流地点の駐車スペースに着く。
山行開始は7時45分。いきなり木製の橋が落ちかけている。一面、コケがついていて、見るからに滑りそう。バキッとやったら2m下の流れにドッポンだ。最初でケガしてはたまらない。おとなしく川床に下りて、岩を伝って橋の横を通り過ぎる。そこから先は、なんとか元の山道に入れそうだ。スギ林の中、朽ちかけの木製桟道が続き、息が抜けない。おまけにヒルの来襲!I川さんは、こともあろうに半袖、短パン姿。山行案内に「ヤブコギがあるから長袖で」と書いておいたのに、彼にとっては、暑さ対策が何より優先するのだろう。しかし、そんなI川さんをヒルが放っておくはずがない。3箇所ほど食いつかれ、みじめな血の跡がついてしまった。かく云うMr.Dashも、気配を感じたのが若干遅れ、右ヒザをスボンの上からやられた。今日は痒いのなんの。
ルートが荒れていて、地図が頼りないので、探しながらの進軍。うう、いいガイドブックがほしいなぁ(本末転倒)。向こう岸に黄色い看板が見えたから渡渉したら、ぜんぜん関係ないものだったりして、時間を食う。その間、待機させられるI川氏とともちゃんは、ヒル対策に気が気でない。
その後も、渡渉したり、廃道のテープに惑わされてガケをよじ登ったりしてタイムロス。結局、沢の二股にある作業小屋に着いたのは1時間後だった。川を渡り、右に林業用モノレールの小屋を見つつ、左の急坂を登る。すぐにモノレールの軌道と合流するが、もンのスゴい登り。しんどいしんどい、暑い暑い。ただ幸い、沢筋を外れると、ヒルの姿は消えた。
山頂直下まで、ほぼ軌道に沿えばいいので、ルートファインディングの楽しみはしばらくお休みできる。しかし、そうは問屋が卸さない。次は、稜線の西側をトラバースするように、鉄のハシゴと、滑りやすい金網の桟道の連続だ。まともに付いていたらまだしも、たまに桟道ごと斜めになっている。踏み外すと一巻の終わりだ。
肝を冷やしながら、ようやく鞍部に飛び出す。ここから尾根沿いだ。シャクナゲやコウヤマキの若木が目立つ尾根から、ササの急坂を経て、再び稜線の西側を進む。やがて道は、東の方向にぐるっと方向転換して、エアリアマップの表記と違うことに気づく。左に、中八人山のピークが樹間越しに見えてきた。シカがガサガサと逃げていく音がする(ともちゃんはシカの白いお尻を見たそうな)。
ガラガラと崩れやすい岩場を慎重に過ぎ、下部がスッパリ切れ落ちたザレ場はモノレールの軌道にしがみつくようにしてトラバースし、なんとか、ほぼ水平の箇所に出る。高度計を見ると、もう山頂部といえるほどだ。
すると、右に笹の切り開きがある。ともちゃんが突進していく。直上すると、眺めのよい高台に出る。中八人山の向こうに聳えるのは釈迦か孔雀か。南八人山の頂上は、樹木に囲まれ展望はないが、秋は紅葉で綺麗だろうな。
元の道に戻り、5分ほど進むと、再び右に笹の切り開きを発見。左前方に中八人山が見えているが、逆方向に登るので「これは違うかな」と、いったん直進してみたら、すぐにモノレール軌道の終点だ。道なき道を分けて稜線に出ると、そこは絶景の草原。昼ねでもしてみたくなる。ここからは最後の地獄で、猛烈なブッシュを分けて、ニセピークを2つ過ごす。そしてようやく、樹木に囲まれた中八人山の2等三角点に着くのだ。こんなに苦労した山頂も、樹木で囲まれ、ほとんど景色は楽しめない。ツツジやカエデが多いので、その季節なら、もうちょっと楽しめるのに。
復路、さっきの草原から、尾根を直登する。登りきったところに赤テープがあり、鋭角に折れて坂を下ったら、さっきの2つ目の笹の切り開きに出た。なんだ、これが正解だったのか。それにしても、一度、目指す山頂を背にしなければならないというのは、罪つくりなルートだなぁ。
そのまま往路をたどり、植林小屋でヒル対策として雨具のズボンを着こみ、もうルートが分かっているのでハヤテのように駐車スペースまで飛ばした。それでもMr.Dashの靴には、途中2度もヒルがへばりついていた。いやはや、大峰最奥の山だけに、生態系は濃いし、道はと云えば、急で、ヤブで、ガレで、朽ち橋か・・・たいへんな山でした。
PS
帰りに湯泉地温泉の滝の湯に寄ったら、露天風呂で腹を蚊に刺された。痒い痒い。
前日の部内の歓送迎会を蹴って(ごめんなさい)、朝4時に自宅を出る。道の駅「大塔」で、きょうのパートナー、I川さんと合流。さらに168号線、425号線を経て大野、片川、そして高津川合流地点の駐車スペースに着く。
山行開始は7時45分。いきなり木製の橋が落ちかけている。一面、コケがついていて、見るからに滑りそう。バキッとやったら2m下の流れにドッポンだ。最初でケガしてはたまらない。おとなしく川床に下りて、岩を伝って橋の横を通り過ぎる。そこから先は、なんとか元の山道に入れそうだ。スギ林の中、朽ちかけの木製桟道が続き、息が抜けない。おまけにヒルの来襲!I川さんは、こともあろうに半袖、短パン姿。山行案内に「ヤブコギがあるから長袖で」と書いておいたのに、彼にとっては、暑さ対策が何より優先するのだろう。しかし、そんなI川さんをヒルが放っておくはずがない。3箇所ほど食いつかれ、みじめな血の跡がついてしまった。かく云うMr.Dashも、気配を感じたのが若干遅れ、右ヒザをスボンの上からやられた。今日は痒いのなんの。
ルートが荒れていて、地図が頼りないので、探しながらの進軍。うう、いいガイドブックがほしいなぁ(本末転倒)。向こう岸に黄色い看板が見えたから渡渉したら、ぜんぜん関係ないものだったりして、時間を食う。その間、待機させられるI川氏とともちゃんは、ヒル対策に気が気でない。
その後も、渡渉したり、廃道のテープに惑わされてガケをよじ登ったりしてタイムロス。結局、沢の二股にある作業小屋に着いたのは1時間後だった。川を渡り、右に林業用モノレールの小屋を見つつ、左の急坂を登る。すぐにモノレールの軌道と合流するが、もンのスゴい登り。しんどいしんどい、暑い暑い。ただ幸い、沢筋を外れると、ヒルの姿は消えた。
山頂直下まで、ほぼ軌道に沿えばいいので、ルートファインディングの楽しみはしばらくお休みできる。しかし、そうは問屋が卸さない。次は、稜線の西側をトラバースするように、鉄のハシゴと、滑りやすい金網の桟道の連続だ。まともに付いていたらまだしも、たまに桟道ごと斜めになっている。踏み外すと一巻の終わりだ。
肝を冷やしながら、ようやく鞍部に飛び出す。ここから尾根沿いだ。シャクナゲやコウヤマキの若木が目立つ尾根から、ササの急坂を経て、再び稜線の西側を進む。やがて道は、東の方向にぐるっと方向転換して、エアリアマップの表記と違うことに気づく。左に、中八人山のピークが樹間越しに見えてきた。シカがガサガサと逃げていく音がする(ともちゃんはシカの白いお尻を見たそうな)。
ガラガラと崩れやすい岩場を慎重に過ぎ、下部がスッパリ切れ落ちたザレ場はモノレールの軌道にしがみつくようにしてトラバースし、なんとか、ほぼ水平の箇所に出る。高度計を見ると、もう山頂部といえるほどだ。
すると、右に笹の切り開きがある。ともちゃんが突進していく。直上すると、眺めのよい高台に出る。中八人山の向こうに聳えるのは釈迦か孔雀か。南八人山の頂上は、樹木に囲まれ展望はないが、秋は紅葉で綺麗だろうな。
元の道に戻り、5分ほど進むと、再び右に笹の切り開きを発見。左前方に中八人山が見えているが、逆方向に登るので「これは違うかな」と、いったん直進してみたら、すぐにモノレール軌道の終点だ。道なき道を分けて稜線に出ると、そこは絶景の草原。昼ねでもしてみたくなる。ここからは最後の地獄で、猛烈なブッシュを分けて、ニセピークを2つ過ごす。そしてようやく、樹木に囲まれた中八人山の2等三角点に着くのだ。こんなに苦労した山頂も、樹木で囲まれ、ほとんど景色は楽しめない。ツツジやカエデが多いので、その季節なら、もうちょっと楽しめるのに。
復路、さっきの草原から、尾根を直登する。登りきったところに赤テープがあり、鋭角に折れて坂を下ったら、さっきの2つ目の笹の切り開きに出た。なんだ、これが正解だったのか。それにしても、一度、目指す山頂を背にしなければならないというのは、罪つくりなルートだなぁ。
そのまま往路をたどり、植林小屋でヒル対策として雨具のズボンを着こみ、もうルートが分かっているのでハヤテのように駐車スペースまで飛ばした。それでもMr.Dashの靴には、途中2度もヒルがへばりついていた。いやはや、大峰最奥の山だけに、生態系は濃いし、道はと云えば、急で、ヤブで、ガレで、朽ち橋か・・・たいへんな山でした。
PS
帰りに湯泉地温泉の滝の湯に寄ったら、露天風呂で腹を蚊に刺された。痒い痒い。