土曜の夜、日曜の朝
昨夜はちょい遅い新年会。旧正月バージョンともいう。
たらふく飲み食い、まだ食う? 焼きラーメン~広島風お好み焼きまで。
話題はとーぜんオリンピックへ。
そこからスキー、海外旅行、ハワイ、と、脈絡などおかまいなく流れていく。
突然、いつものメンツのひとり、パー子さんが叫ぶ 「ノープロブレム 」
それはスキーに行った時の話らしく・・・
・・・ドライバーのクレイジー・ギャリー(パー子さんの英会話の先生)、小雪舞う中、高速道路へ突入。
ウィンド・ウォッシャー液は出ず、ワイパーも不調気味・・・みるみる視界は30センチ四方に縮小!
恐怖におののくパー子さんたち女子を尻目に、ドアホなメイド・イン・USAがひとこと
「ノープロブレム」
酔ったパー子さん、この経験がよっぽどトラウマらしく、
スキー、ハワイ、空港、ギャリーとバッタリ遭遇、と話しがつながった瞬間、
「ええぇうっ ギャリー
キャーッ ノープロブレム
」
と、絶叫したのでした。
知らねーって、いきなりノープロブレムって。 前後をおもっきしハショるもんなぁ^^
「おまえがプロブレムだろっ」 という私のツッコミがややウける^^
・・・・・・そんな悪夢のような一夜が明けると、健康診断が待っていた。
血液検査、尿検査、血圧。 すべての数値が引っかかりそうだ。 焼きラーメンのおかげで^^
とりあえず無事帰ると、おばあさんがお出かけらしい。
地元のデパートでやっている“北海道物産展”へ、お友達と行くんだと。
80歳を超えたふたり。 オーケー、ここは運転手しましょ。 お送りいたしましょう。
待ち合わせの場所まではクルマでほんの5分ほどだ。
にもかかわらず、我が家を約束の時間より10分も早く出る^^(年寄りはせっかちなのだ)
にもかかわらず、待ち合わせの場所には、腰のちょっと曲がった小柄なおばあさんの姿が・・・お互いさまだ^^
ウチのおばあさんは、クルマが止まらないうちからドアを開けようとする。 少女か
あちらのおばあさんは、こちらが恐縮するぐらい何度も頭を下げる。
「こんにちは。 いつもお世話になっております。
今日はお休みのところをすみませんねぇ ありがとうございます。」
ほら、品のいいこと。
デパートの前で降ろす。
バックミラーに、いたわりあいながら歩道との段差をあがるふたりの姿が映る。
ちょい目頭が熱くなり、鼻の奥がツーンとする。
どーもいかん。
この涙腺の弱々しさは病気か^^
オシムの伝言
ほんの2年前まで、代表の試合にはこのふたり↑がいたんだなぁ・・・
大きな大きなオシムさんと、ちっちゃくてちょびヒゲ、メガネの通訳さんが。
その元日本代表通訳、千田善(ちだ・ぜん)氏が明かす、
オシム来日から闘病、そして離日まで、923日間に及ぶ迫真の舞台裏。
最近、とみに涙腺の弱々しいワタクシ。 情けなかねぇ
これは壮絶な闘病記でもあり、もうだめです。 この本には涙腺ズタズタにされます。
脳梗塞からのリハビリ中、「ヘイ ジュード」に聴き入る場面あたりから、雲行きはあやしくなり
天皇杯を勝ったガンバ勢との交流から、巻誠一郎の結婚披露宴に至るあたりで、
ついに私の涙のダム、決壊です。 ほぼ全壊、滂沱滂沱であります。
「ヘイ・ジュードは最高だな。 誰の歌? ビートルズ? それは知っている。
歌っているのは・・・ポール・マッカートニー。 そうだ、そうだ、そうだった。」
オシムは1941年生まれだから、レノン・マッカートニーと同世代。
「ヘイ・ジュード」がヒットしていた'68年、27歳のオシムはユーゴスラビア代表のエースとして、
ヨーロッパ選手権に出場し、準決勝でイングランドと対戦している。
試合開始直後の5分、ひどいファールにより足首を負傷。 歩けないほどの大怪我にもかかわらず、
ベンチに下がらず、痛み止めの注射を打ちながら、試合終了まで片足でピッチに立ちつづける。
※ 当時は選手交替が認められていなかったという事情もある。
試合はジャイッチの1発で、ユーゴスラビアが勝つ!
決勝の相手はイタリア。 オシムはケガがひどく出場できなかった。
ローマでの試合は1-1で引き分け。 2日後の再試合でユーゴスラビアは0-2で敗れた。
「もしシュワーボ(オシムの愛称)が、決勝でプレーしていたら・・・」 と、今でも語りぐさになっている。
オシムは大会のベストイレブンに選ばれ、ローマ法王とも面会している。
「ヘイ・ジュード」は、そういう思い出がある曲だそうだ。
リハビリルームに流れてきた40年前と同じ歌声。
大けがから必死で立ち直ろうとしていた現役時代を、今の自分に重ね合わせていたのだろうか。
※ 本文より
天皇杯で決勝ゴールをあげた播戸とのやりとり・・・
「オシムさん、ほんまに帰ってしまうんか?
な、オレにも何か言うてください。 今後のためにアドバイスを」
「次もまた、その重たそうなトロフィーが持てるように、それで筋トレでもしなさい」
選手への愛情があふれる。
オレは相変わらず涙があふれる^^
つくづく、返す返す、オシムの代表が見たかった。 残念でならない。
もちろん本人がいちばん残念なのは言うまでもない・・・
「代表監督としてやり残したことがあるのは残念だ。
・・・日本らしいサッカー、独自路線で進もうと思っていた。
自分で地図を書いても時々道に迷うものだが、
その点、迷うことなく順調に進んでいた。
ある程度頼りにできる、まとまりのあるチームが作れていた。
選手には続けて進歩してほしい。自分や自分のチームに自信を持ってほしい・・・」
今のままでいいのか? 代表!
オシムさんに恥ずかしくないか・・・
「オシムの伝言」 千田 善 みすず書房