MY LIFE AS A FOOTBALL

ないかな ないよな きっとね いないよな
会ったら言えるかな まぶた閉じて浮かべているよ

恐竜の足音

2012年03月10日 | A DAY IN THE LIFE

もう一年が経つ。

去年の今日、震災の一日前。
友人に頼まれ製作した新築祝いのプレゼントの品を移動した。

地震でもあって棚から落ちて破損でもしたら大変だ、となぜか思ったのだ。

プチプチでくるんで箱に入れ、棚の上から机の上に。
引き渡しは12日だと決まっていた。

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 その日はひと仕事終え、事務所にいた。
建て直したとはいえ、プレハブの安普請だ。

寄りかかるとギーギーうるさいイスの背もたれに体重をかけ、ふんぞり返りリラックスしていた。
すると、となりの女子が「・・・地震です」 と言う。

「ウソ どこがだヨ?」

イスをギーギーと揺らしているワタシ、気がつくはずもない。
と、女子が机の上にあった水の入った容器を指さす。

その表面にかすかな波紋が見えた。
そう、Tレックスが近づいてくる時の「ジェラシックパーク」の一場面のように。
まさにそう”突っ込もう”とした時、揺れだした。

小さな揺れから始まったから、直下型ではないとは分かっていたが・・・・・・
震度5を超える揺れは初めての体験だ。

事務所のトビラを開け、外に出ようかと中を振り返ると、
さっきのおっとり女子が、さすがに立ち上がったところだった。
すると強い横揺れに彼女が一歩たたらを踏み、足をふんばった。

その一歩のふんばり加減が、やけに記憶に残っている。
あとで笑い話にしたくらいだ。

しばらくして、震源が宮城県沖だと分かった時の驚きは大きかった。
「宮城? ホントにか?」

ここでの揺れと、ここからの距離を考えると、
想像を超えるヤツが来てしまったんだと、それだけはわかった。