ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

「基本法学概論」第1回目小テスト(4月11日実施)

2013年04月12日 01時29分18秒 | 受験・学校

 今年度は「現代社会と法」(1年生)ではなく、「基本法学概論」(2年生Cクラス)を担当します。

 早速、第1回目の小テストを実施しました。ここで一部を載せておきましょう。皆様も解いてみてください。

 ※※※※※

 Ⅲ 次の文章を読み、( ① )~( ⑤ )に適切な語句を入れなさい。なお、略語は不可とする。

 昨年12月に行われた( ① )議員選挙では最大で2.43倍の「一票の( ② )」があり、憲法に違反するとして各地で訴訟が提起された。3月6日に東京( ③ )裁判所から違憲判決(事情判決)が出されたのを皮切りに、多くの( ③ )裁判所から違憲(14件)または違憲状態(2件)という内容の判決が出された。中でも、3月25日の広島( ③ )裁判所の判決、および翌日の広島( ③ )裁判所岡山支部の判決は、この選挙を違憲かつ無効であると判断するものであり、衝撃を与えた。広島県選挙管理委員会は、3月29日に( ④ )へ上告する方針を固めており、( ④ )大法廷がいかなる判断を下すのかが注目される。ちなみに、選挙区や議員定数などを定める法律は( ⑤ )である。

 ※※※※※

 「現代社会と法」などの講義の内容に関わる設問でもあり、時事問題でもあります。3月、新聞、ネットなどで大きく報じられ、論じられた問題でしたが、意外に出来がよくなかったという印象を受けました。

 ( ① )の正答は「衆議院」ですが、ただ「衆」としか記されていない答案が目立ちました。「衆議員」という表現は、厳密にみて正しいものと言えませんので、不正解としています。また、「小選挙区」と記されている答案もありまして、全くの不正解とも言えないのですが、「小選挙区議員」という表現となるとどうなのか、と言われるでしょう。衆議院議員選挙の定数配分は、小選挙区選出議員だけの問題ではないからです。

 ( ② )の正答は「格差」です。意味からすれば「較差」でもよいのですが(むしろこの表現のほうが厳密には正しいのでしょう)、一般的には「格差」が使われています。この問題について空欄の答案が何枚かありますが、これはまずいと思われます。

 ( ③ )の正答は「高等」ですが、「地方」と書かれた答案も多かったのでした。引っ掛け問題に近いのかもしれませんが、報道をしっかり読んでいればすぐにわかりますし、憲法の講義でもこの辺りのことには触れられるでしょう。それ以前に、広島地方裁判所に岡山支部があるとすれば岡山県に地方裁判所がないということになりかねないので、おかしいとわかるはずです。ちなみに、選挙関連の訴訟の第一審が地方裁判所でなく高等裁判所であることは、公職選挙法第203条(「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙の効力に関する訴訟」)、同第204条(「衆議院議員又は参議院議員の選挙の効力に関する訴訟」)などに規定されています。

 ( ④ )の正答は「最高裁判所」です。

 ( ⑤ )の正答は「公職選挙法」です。これも憲法の講義などで扱われるでしょう。

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佐賀駅から中心街を歩く(その4)

2013年04月12日 00時24分11秒 | 旅行記

 以下は、「待合室」の第348回として2010年2月5日から13日まで掲載した記事です。写真の撮影日は2009年8月3日です。内容については一切修正を施しておりませんので、御注意ください。

 「しらやま商店街」を離れ、南へ向かいます。狭い幅の道路で、飲食店が並んでいます。

 完全な飲み屋街という印象を受けるこの通りは、時間のためなのか、人通りがほとんどありません。夜になると多くなるのでしょうか。大分市の歓楽街と言えば都町で、その裏通りを歩いているような気分になります。東京でも、駅の裏道でこのような通りがあります。私は、このような通りをあまり歩きませんし、外で飲むこともあまりありません(それほど好きではないからです)。

 それにしても、「しらやま商店街」が衰退したからなのか、それとも単に夏の暑い昼間であるからなのか、人が歩いていません。いくら飲み屋ばかりが並んでいる通りでも、もう少し人通りがあるような気がします。しかし、それはもはや追憶の世界なのでしょうか。

 既に閉店しているヒートアイランドのビルが見えます。私はこのビルの北側を歩いていたのでした。この道路から見ると、かつてダイエー佐賀店があったという事実が容易に理解できます。いかにも大型スーパーマーケットらしい建物であるからです。ビルの手前に空き地が見えるのも気になります。このビルの中で営業しているサイバック佐賀店の看板が目立ちます。

 佐賀市の中心街は、私が予想していた以上に高層建築物が少ないという印象を受けますが、それは空き地のせいでしょうか。

 不思議に思われるかもしれませんが、今回、佐賀市内を歩いていて一番強い印象を受けた場所です。手前に更地があります。その後に木造の家屋があり、古いコンクリートのビルがあり、奥に高層マンションがあります。建築物の変化を一度に見たような気分になったのです。このような光景を、他の市町村で目にした記憶がないのです。ありそうだけど意外に見かけない、そんなところでしょうか。

 歩き続けると、堀がありました。澄んでいない水ですが、魚が生息しているのでしょうか。石の配置が庭園を意識したようなものとなっています。苔が蒸した石には風情があるものです。

 別の角度から堀の様子を撮影しました。夏らしい濃い緑と、白い道、そして影が微妙なコントラストをなしています。

 歩いている間に、どうして大分時代に佐賀市の中心街を歩かなかったのか、と思いました。大分市、福岡市、長崎市、熊本市、宮崎市および鹿児島市の中心街は、大分時代に歩いているからです(北九州市の小倉と黒崎も歩いています)。私は、どの市町村であれ、そしてとくに県庁所在都市などを訪れたらまず中心街を歩きますが、佐賀市だけは例外だったのです。もし大分時代に佐賀市の中心街を歩いていたら、また違った印象を受けたかもしれません。

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