一時期は広尾や自由が丘などにも店舗があった青山ブックセンター、略称ABCですが、名称に反してというべきか、最も古い店舗は六本木店です。日比谷線六本木駅の近く、麻布警察署のすぐそばにあります。
私も、1984年、高校1年生の夏に初めて六本木に行った時から、WAVEとともに何度となく入っていました。故植草甚一氏は六本木へ行くと古書店の誠志堂に必ず寄っては何冊もの古本・古雑誌を買っていましたが、私は晶文社から刊行されている「植草甚一スクラップ・ブック」の大半を青山ブックセンター六本木店で購入していました。特別にコーナーを設けていたのがこの店くらいしかなかったことを覚えています(この頃には神保町などにも行っていました)。
その六本木店が、6月25日(月)をもって閉店するとのことです。Yahoo! Japan ニュースにCINEMA.NET配信の記事として掲載されており、青山ブックセンターのサイトにもツイッターによる発表として掲載されていました(今、かなりつながりにくくなっています)。
これで、青山ブックセンターの店舗は表参道の本店のみとなります(六本木店は本店に統合されるという形を採るそうです)。
六本木店がオープンしたのは1980年のことでした。そのため、38年間の営業期間であったということになります。
私が寄っていた頃は、朝の5時まで営業していました。そのためか、六本木で夜遊びした人などが日比谷線の始発(長らく、5時8分発東武動物公園行きと決まっていました)まで時間を潰したりするところとしても有名であったのです。
現在は六本木ヒルズノースタワーとなっている所はかつて東日ビルで、そこの地下に、古書店ではない誠志堂書店がありました。勿論、六本木交差点のそばにあった誠志堂書店(建物は今でも誠志堂ビルというそうです)の支店です。高校生時代、学部生時代、そして院生時代に、六本木へ行くとまずはWAVEでLPやCDを探し、購入してから、ラピスラズリ、誠志堂書店、 ABCをまわっていました。
青山ブックセンター六本木店といえば、とくに芸術関係の書物に強いというイメージがありますが、今はどうでしょうか。WAVEが閉店してから、あまり六本木に行かなくなったこともあって、最後にABCに入ってからもう2、3年が経過します。