ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

路線バス会社が経営破綻

2020年05月20日 00時59分20秒 | 社会・経済

 新型コロナウイルスの影響は様々なところに現れました。公共交通機関もそうです。

 たとえば、私にとっては通勤路線である東急田園都市線の場合、朝のラッシュ時は様子を見ていないのでよくわからないのですが、昼間や夕方でも乗客が少ないことが容易に見てとれました。JR南武線もそうです。私は、4月に2回、南武線に乗ったのですが、平日の昼間でもここまで乗客は少なくないだろうと思えたような状況でした。また、4月には田園都市線と大井町線を3回利用していますが、やはり同じでした。それから1か月以上、公共交通機関を利用していません(逆に自家用車を運転することが多くなりました。私も老親の様子を見に行ったりしなければなりませんから)。

 うちの近くには国道409号(府中街道)と国道246号が通っていますが、やはり、3月までと4月以降では通行量が違いました。国道246号線の梶ヶ谷交差点から溝口方面までの渋滞も緩和されたくらいです。

 国道409号を走る東急バスと市バスの乗客もかなり少ないので、これは運行会社の経営にも影響が出るだろうとは思っていました。そのような折に、共同通信社が2020年5月19日の21時35分付で「路線バスで初のコロナ破綻、埼玉 乗客急減、民事再生法の適用申請」として報じていました(https://this.kiji.is/635425367495672929)。

 私は埼玉県の路線バスに全く詳しくないので、上尾市付近の路線バスなどの状況もわかりません。その上尾市に本社を置くバス会社が丸建自動車で、さいたま市、蓮田市などにも路線網を持っているそうです。1988年に設立された会社で、路線バスの他、福祉タクシーや観光バスも運行しています。路線図を見ると、川越観光自動車と同じように、大宮地区、上尾・桶川・蓮田・伊奈地区、北本地区と大別されており、それぞれの地区で分断されたような路線網となっています。埼玉県であれば東武鉄道系や西武鉄道系のバス会社、国際興業バスを思い浮かべますが、丸建自動車は東武鉄道系などではないようで、独立資本なのかもしれません。

 丸建自動車がさいたま地方裁判所に民事再生法の適用申請を行ったのは15日で、新型コロナウイルスの影響で資金繰りが上手くいかなくなったとのことです。もっとも、記事には「車両への投資負担などで財務状態が悪化。経費削減を進め、事業を続ける中、新型コロナが追い打ちを掛けた」と書かれているので、新型コロナウイルスの影響だけが原因ではないと言えます。このようなことは他の企業(例、レナウン)にも言えることでしょう。それでも、新型コロナウイルスの流行がなければ、少なくとも現時点での民事再生法の適用申請はなかった、と考えることもできます。

 いずれにせよ、この状況下では全国で初めて、路線バス会社の経営破綻ということになります。5月20日以降も運行を続けるとのことですが、支援者を探すことになるでしょう。

 このブログでは井笠鉄道の事業廃止も扱いました。場合によっては他のバス会社への路線移管も考えられますが、どうなることでしょうか。

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