このブログで何度か取り上げたJR北海道の日高本線のうち、鵡川駅から様似駅までの区間が、今日付で廃止となります。
これにより、日高本線は苫小牧駅から鵡川駅までの30.5キロメートルの路線となり、JRグループの「本線」としては最も短い路線となりました。次に短い留萌本線(深川駅から留萌駅まで50.1キロメートル)もJR北海道の路線で、やはり留萌駅から増毛駅までの区間が2016年12月に廃止されています。
鉄道路線などの場合、廃止日は営業最終日の翌日とすることが一般的です。このブログに掲載した記事では、各新聞社の記事を引用または参照して「3月廃止」と書いたことが多いのですが、これは3月末日に営業を終えるという意味です。もっとも、日高本線の鵡川駅から様似駅までの区間は2015年1月の高潮被害によって不通となったために、6年以上にわたって休止されていました。現在のJR北海道の体力では復旧させることなど適わなかったことでしょう。
北海道の日高地方は、道庁の日高振興局が所管する地域と考えてよいでしょう。日高町、平取町、新冠町、浦河町、様似町、えりも町および新ひだか町です。このうち、えりも町を除いた6町に日高本線が通っていましたが、今日付の廃止により、日高本線は日高地方を通らない路線となります。鵡川駅は、胆振振興総合局が所管するむかわ町にあります。おそらく、費用の問題などから路線名を改めることはないでしょうが、鵡川線と表現するほうが相応しいと思われます。
ここで、JR北海道が「単独維持困難線区」としてあげている路線・区間を再び掲げておきます。
1.JR北海道が国などの支援を受けて存続する方針を示している線区
①宗谷本線の名寄〜稚内
②石北本線の新旭川〜上川
③根室本線の釧路〜根室(通称は花咲線)
④釧網本線の東釧路〜網走(全線)
⑤富良野線の富良野〜旭川
⑥根室本線の滝川〜富良野
⑦室蘭本線の沼ノ端〜岩見沢
⑧日高本線の苫小牧〜鵡川
2.JR北海道が廃止・バス転換の方針を示している線区
⑨根室本線の富良野〜新得
⑩留萌本線の深川〜留萌(全線)
3.沿線自治体が鉄道の廃止で合意している線区
⑪日高本線の鵡川〜様似←2021年4月1日廃止
⑫札沼線の北海道医療大学〜新十津川←2020年5月7日廃止
⑬石勝線の新夕張〜夕張←2019年4月1日廃止
これで、⑪〜⑬の全てが廃止されたことになります。3年連続です。
なお、今日付で廃止になった区間の一部に、ジェイ・アール北海道バスの日勝線が通っています。路線網などについてはジェイ・アール北海道バスのサイトを御覧いただくことといたしましょう。