YouTubeの「一月万冊」を見ていたら、長尾和宏氏のブログの話が出ていました。
気になったので検索をかけ、見てみました。「Dr.和の町医者日記」というブログです。
2021年4月9日付で「阪神間は医療崩壊しました」、10日付で「開業医よ、今こそ立ち上がろう」、12日付で「どこまでも中途半端感」という記事が掲載されています。この方による記事のみだけで判断してはいけないでしょうが、切迫した状況が伝わってくる文章でした。報道なども併せて考えると、これはかなりまずい状態にあるのではないでしょうか。2020年であったら緊急事態宣言が出ていたでしょうし、相当強力な措置、たとえばロックダウンをしなければならないくらいでしょう。
また、12日の17時48分付で時事通信社が「松山市内での聖火リレー中止へ 『感染現象見えず』ー愛媛知事」として報じています。短い記事ですし、愛媛県知事が臨時の記者会見(12日)で明らかにしたのは、21日の聖火リレーを取りやめる方向で調整していることです。正式に決定するのは14日だそうですが、取りやめが妥当でしょう。3月下旬に松山市でクラスターが発生し、その後も感染が拡大しているとのことですから。
このような状況で聖火リレーが行われていることにも驚きますが、さらにGoToを進めようとしているなどというのですから、筒井康隆氏の著作名を借りるならば「狂気の沙汰も金次第」です(一時期、よく読んでいました)。筒井氏はこういう時代が来ると予測されていたのでしょうか。
そして、「一月万冊」を見て思い出すことがあります。清水有高さんなど出演されている方々にも、是非指摘していただきたいのです。日本はこれまで、例えば水俣病、サリドマイド、スモン、薬害エイズ事件など、公害、薬害でどのような態度を取ってきたのでしょうか。今の状況も、或る意味ではこれらの痛ましい事件の延長のようなものではないでしょうか。
ウィキペディア日本版に書かれていることなので真実かどうかはわかりませんが、こういう話があります。ピエール・ブーレーズ氏が来日した時に、音楽評論家の志鳥栄八郎氏を見かけ、声をかけたら、志鳥氏はスモンを患っていると話しました。それを聞いたブーレーズ氏は「日本の役所は何をやっているのか!」(意図的に修正しました)と怒りを顕わにした、というのです。
もう一つ、記しておきます。薬害エイズ事件が明るみになった時に、私はすぐに、10代の頃に仲が良かった或る同級生のことを思い出しました。「彼は大丈夫なのだろうか?」と。治療薬を服用していたら別の重大な病気にかかり、命を奪われる、あるいは脅かされるなんて、あまりにもひどい話です。
薬害エイズ事件が典型ですが、外国で得られた知見が日本に生かされず、事態が深刻化していきます。今のCOVID-19も、形は違えども根本は同じではないか、と考えています。2021年、少なくとも日本でCOVID-19の猛威は収まらないでしょう。私もいつ苦しめられるかわかりませんし、誰が苦しめられてもおかしくありません。