ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

相も変わらず六法を……

2012年07月13日 00時50分26秒 | 法律学

 「そんな話はお前の勤めている大学だけだろ?」と言われるかもしれません。それなら「そうですか」あるいは「そうですね」としか答えようがありません。

 私は、税法の講義および専門演習の際は税務六法を、法学特殊講義の際は財政会計六法を、その他の講義の際にはポケット六法(など)を持ち歩きます。研究室などに置いてあるとはいえ、研究室から教室まで持ち歩きますから、結構な重さです(税務六法は自宅にもあります)。今から二十余年ほど前(私が学部を卒業したのが、ちょうど20年前の1992年です)には、私の鞄の中に必ずポケット六法が入っていて、これを忘れたことはありません。

 今日(いや、正確には昨日)も、午前中には東松山校舎で2コマ、午後には板橋校舎で1コマをやりました。講義をやりながら様子を見ていると、相も変わらず、六法を持ってきていない、あるいは持っているのに開かないという学生が多いのです。こちらは、条文を読みながら話を進めたりすることもありますので、果たして学生は理解しているのか、などといぶかるのです。学部生でポケット六法の中身を完全に暗記している人はいないでしょうし、憲法や民法などの条文を完全に記憶している人もいないでしょう。私が「●●法の▲▲条を!」と指示しても、開きもしない学生が少なくないのです。

 これでは、小テストであれ期末試験であれ、良い成績を取れるはずがありません。それで「授業アンケート」などとやられて、悪口などを書かれたりするのですからたまりません。シラバスなどでも六法のことは説明しますし(とくに税法や財政法の場合)、講義の初回でも言うのですが、「重い」とか「鞄に入らない」などという台詞が出てきたりするのです。いくらシラバスを改善しても、こういう点は直らないでしょう。社会人でも、国語辞書の存在すら知らないような高学歴の人がいるくらいですから。

 六法の持参および参照という点では、やはり法科大学院の学生が最もしっかりしています。それだけに、法科大学院の問題は頭の痛いところでもあります。六法を開きもせず、法律の条文すら読まないから結局は読めない学生が少なくない法学部が残ったりするのですから。


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