現在開かれている第201回国会に、内閣提出法律案第8号として「市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案」が提出されています。
今年3月で「市町村の合併の特例に関する法律」は失効することとなっています(附則第2条第1項本文)。衆議院のサイトにはまだ法律案の内容が掲載されていませんが、総務省のサイトには法律案および提案理由(https://www.soumu.go.jp/main_content/000667827.pdf)および概要(https://www.soumu.go.jp/main_content/000667825.pdf)が掲載されています。
本則はたったの1箇条しかなく、附則も第1条から第4条までしかありません。
本則は次のとおりです。
市町村の合併の特例に関する法律(平成十六年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
附則第二条第一項中「平成三十二年三月三十一日」を「令和十二年三月三十一日」に改める。
附則は次のとおりです。
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(国民健康保険法及び地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律の一部改正)
第二条 次に掲げる法律の規定中「平成三十二年三月三十一日」を「令和十二年三月三十一日」に改める。
一 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)附則第二十三条
二 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律(平成十三年法律第百四十七号)附則第三条(地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の一部改正)
第三条 地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律(平成二十九年法律第二十九号)の一部を次の ように改正する。
附則第一条中「平成三十二年四月一日」を「令和二年四月一日」に改める。
附則第十九条(見出しを含む。)中「附則第二条第一項ただし書の規定によりなおその効力を有するものとされた同法」を削る。
(地方自治法等の一部を改正する法律の一部改正)
第四条 地方自治法等の一部を改正する法律(平成二十九年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第四条の見出しを削り、同条の前に見出しとして「(市町村の合併の特例に関する法律の一部改正)」を付する。
第五条の見出しを削り、同条中「附則第二条第一項ただし書の規定によりなおその効力を有するものとされた同法」を削る。
附則第一条中「平成三十二年四月一日」を「令和二年四月一日」に改める。
附則第二条第六項中「附則第二条第一項ただし書の規定によりなおその効力を有するものとされた同法」を削る。
附則第五条の見出しを削り、同条の前に見出しとして「(市町村の合併の特例に関する法律の一部改正に伴う経過措置)」を付する。
附則第六条の見出しを削り、同条中「附則第二条第一項ただし書の規定によりなおその効力を有するものとされた同法」を削る。
そして、「市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案」の提案理由は次のとおりです。
「自主的な市町村の合併が引き続き円滑に行われるよう市町村の合併の特例に関する法律の期限を十年間延長する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」
一昨年(2018年)の「骨太の方針2018」(正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針2018~少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現~」)において「市町村の合併の特例に関する法律」が言及されていたので、大分大学在職中には様々な理由があって市町村合併問題に取り組んでいた私は、非常に気になっていました。
改正案は非常に短いものですが、本当に市町村合併を推進することがよいのか、疑問は残ります。いくつかの文献において「平成の大合併の折に合併を選んだ市町村よりも、選ばなかった市町村のほうが、財政状況などがよい」という分析も示されています。それでも国は市町村に合併を薦める、ということなのでしょう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます