先程までNHK教育テレビの「クラシック音楽館」を見ていました。うちでは、日曜日の21時となるとこの番組を見ていることが多いのです(「芸術劇場」には負けますが)。
今年は、第一次世界大戦が終わってちょうど100年、ということはドビュッシー没後100年ということです。番組では、或る意味で定番と言える「牧神の午後への前奏曲」、交響詩「海」も取り上げられました。6月に行われたNHK交響楽団の定期演奏会の録画で、指揮はウラジミール・アシュケナージさんです。
この2曲も良かったのですが、今回うれしかったのは弦楽四重奏曲でした(やはり6月に第一生命ホールで行われたコンサートの録画です)。大学院生時代に六本木WAVEで、ドビュッシーの弦楽四重奏曲とラヴェルの弦楽四重奏曲とのカップリングのCD(これも或る意味で定番です)を買ってから、一体何処で何度かというくらいの頻度で聴き返してきた曲です。
ドビュッシーが弦楽四重奏曲を書いたのは1893年で、初期のものと言ってもよいのでしょうか。「牧神の午後への前奏曲」より先に完成した曲で、彼の作品の中で唯一、作品番号がつけられています(10番)。
とくに、第3楽章は、ポップスなどに編曲されないのが不思議なほどの曲です(それだけ、視野が狭いということでしょうか)。全体の主調はト短調ですが、第3楽章は変ニ長調(中間部はおそらく嬰ハ短調)となっています。Andantino, doucement expressifという指示がつけられており、まさにその通りの音楽であるとともに、どこか郷愁的な、また哀愁的なものとなっています。一度お聴きになれば、おわかりになるでしょう。
それにしても、変ニ長調とは不思議な、そして素晴らしい調です。私が生の最後の瞬間に聴きたいと思っているマーラーの交響曲第9番の最終楽章は変ニ長調ですし、ドヴォルザークの交響曲第9番の第2楽章も変ニ長調です。
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