今日の朝日新聞朝刊33面14版に「法科大学院募集 島根大が停止へ」という記事が掲載されています。今までは私立大学が続きましたので、国立大学法人としては初めての例となります。
発表によると、募集停止となるのは2015年度からです(時期的に、2014年度からというのでは間に合いません)。最初の新司法試験で合格率100パーセントという記録も出していますが、その後は低めに推移しているようで、国から運営交付金を削られたのが大きかったようです。今年度の入学者は2名なので(大阪学院大学と同じ人数です)、これでは将来像を描けないでしょう(但し、国立と私立とでは違いがあると思うのですが)。
法科大学院制度の創設の際に言われた理念の一つに、たしか、司法試験合格者の出身大学・大学院の格差や偏在を是正するというものがあったはずです。今更ながら記せば、旧司法試験の合格者をみると、国立ならば東大、京大、一橋大、阪大など、私立ならば早大、慶大、中大などと、首都圏や京阪神の大学に集中していました。国立大学の場合、旧七(帝国大学であった北海道、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州)と旧制高校であった一部の大学などにしか法学部がありません。国立、公立、私立を問わず、地方ないし県によっては法学部がないという所もあります(私が勤めていた大分大学に法学部はなく、大分県内の他の大学にも法学部はありません。また、島根大学には法文学部がありますが、これも純粋な法学部ではありません。同じような例が鹿児島大学や千葉大学などです)。そのような県においても法曹を育成しようという理念があったはずなのです。
しかし、理念は理念、現実は現実です。今のところは、こう記すしかありません。
これまで募集停止を行い、撤退の方針を示したところ(実際に廃止となったところも含む)を記しておきます。
1.姫路獨協大学(既に廃止となっています)
2.大宮法科大学院大学〔桐蔭横浜大学の法科大学院との統合(実質的には桐蔭横浜大学の法科大学院に吸収合併される)〕
3.明治学院大学
4.神戸学院大学
5.駿河台大学
6.東北学院大学
7.大阪学院大学
8.島根大学
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