ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

「ついにそう来たか?」と思わせる記事

2013年06月19日 22時45分50秒 | 受験・学校

 今日の朝日新聞夕刊1面14版に「法科大学院、強制閉校も 司法試験の実績低迷なら 政府会議提言」という記事が掲載されています。見出しを見ただけで「ついにそう来たか?」と思わせるものですが、これが政府の諮問機関(?)である法曹養成制度検討会議の最終提言に盛り込まれているだけに、今後の動きに注意を必要とします。

 今回、これまでの目標とされていた、1年間の合格者数を3000人とする方針の撤廃も盛り込まれており、これに合わせる形で事実上の強制閉校の方向性も入れられたのでしょう。具体的なことについては今後2年間でまとめるそうですが、上記記事によれば「いまのところ、司法試験の合格実績が低い大学院について、修了者に司法試験の受験資格を与えない▽学生募集を停止させる―などの措置が想定されている」とのことです。これにより、合格者数ないし合格率の低い法科大学院については、今後の2年間を待つことなく、閉校に追い込まれることとなるでしょう。どの水準を「司法試験の合格実績が低い」とするのかは明確でないため、よくわからないのですが、例えば合格者数が10人以下、合格率が10%以下、というところなのでしょうか。

 「司法試験の合格実績が低い大学院について、修了者に司法試験の受験資格を与えない」というのは、法的に問題があるようにも思われるのですが、仮にこの通りとなると「実績が低い」法科大学院へ入学するような人はいないでしょうから、存在する意味がなくなります。このような文章を入れたということは自発的な撤退を促すという意味を込めているのでしょう。「続けてたってムダなんだから、早くやめな!」ということです。

 但し、上記の「措置」は、無限定かつ機械的に適用するというものでもなさそうで、「地方や夜間の大学院への適用には配慮が必要」とも併記されているようです。

 なお、「大阪学院大学も撤退」という記事におでかけさんがコメントを寄せてくださり、その中で受験回数の制限についても書かれていたのですが、これについては「5年で5回」という策を入れるようです。私は、こんな制限などやめてしまえばよいと思ってはいます。


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