新宿二丁目の伝説の店

2022年09月02日 | 東京のお散歩
むかし、この場所に伝説の寿司屋があった。

その名は「ひとみ」。

新宿二丁目界隈が「赤線」と呼ばれた時代にサロンだったお店が、売春防止法によって寿司屋となり、後に割烹居酒屋となった店で
昭和五十二年(1977)頃に、放送作家の高平哲郎と、漫画家赤塚不二夫を中心とした「面白グループ」が夜な夜な店に集まって、
いい年したオトナがクダラナイコトばかりやって盛り上がった、タモリによる赤塚への弔辞でも言及された、あの「ひとみ寿司」。

すでに店のあった建物は「大人の事情」で人手に渡り、大きなスタイリッシュなビルに変わってしまったけれど、
古き良き時代のテレビ番組を創った偉大な才能たちは、ここから生まれていったのだ。

メンバーの一部を挙げれば
滝大作(演出家)
タモリ
山本晋也(映画監督)
柄本明(東京乾電池)
佐藤B作(東京ヴォードヴィルショー)
内藤陳(以下、コメディアン)
小松政夫
団しん也
由利徹
たこ八郎
研ナオコ(以下、ミュージシャン)
坂田明
三上寛
所ジョージ
坂崎幸之助(THE ALFEE)

ほか、数え切れないほどのビッグネームが集っていた。

また、志村けんの名キャラ「ひとみばあさん」は、この店の女将がモデルだと言われている。
(時代は異なるものの、志村もまたこの店の常連であった)

フジテレビが河田町から去り、新宿二丁目が「ゲイタウン」となり、タモさんが良識派となり、志村けんが鬼籍に入り、
そしてテレビの世界が良識ある日本国民の敵となりつつある今、そろそろ伝説は神話になる頃なのかもしれない。


(敬称略)



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