椿峰のまち

所沢・椿峰ニュータウンでのまちから見えてくるものをお伝えするブログです。

2020年11月 神戸へ その2

2020-12-09 22:29:15 | 高齢化社会

青森の両親の用事で出かけるときには、10年以上も前に母が私にくれるといったお金で母名義の通帳をつくってもらって、それから交通費や宿泊費、土産、実家の食事の材料など買っておりました。

いちいち精算している余裕がなかったから合理的だと思っていたのです。

相続のときに、税理士さんから詳細を求められ、あわててしまいました。実務の体験が乏しいために、そういった会計の記録といったことが、自分の身辺に関してはいい加減になってしまっておりました。

実際のところ、ヘルパーさんが買い物を頼まれるようにはいかず、一緒の食事の材料、あるいは寒い時期に買う衣料品などについて運転のできない私は時間がなくて右往左往していたわけですから。

こういった家族の介護に関しても、厳しい会計のあり方が求められるとは想像もしていませんでした。

単なる確定申告とか自治会の会計の仕事などは問題なくしてきたつもりだったのですが、甘さが露呈してしまいました。

 

こういった経緯から、義姉に関しては、交通費や宿泊費、土産などは自分のお金を使うことにしております。

そのほうがお金を自由に使えるといった面があるので、精神的に楽なほうを選ぶことにしました。

 

ただ、一般的にそれでなくてもたいへんな遠距離介護などで、厳密な会計を考えなくてもよいためには?

相続人間の関係といったこともあり、何か合理的な会計のあり方(たとえば年間贈与の限度額の範囲なら詳細は問わないとか)があるといいのかもしれません。

 

初めてGotoトラベルを使って、何度か泊まっているホテルオークラ神戸に宿泊しました。

今回は3連泊でした。

無料のシャトルバスが利用できるのがありがたいです。

地域クーポンというのは、スマートホンを持っていないので使いませんでした。

このGotoトラベルとか地域クーポンというのは、急ごしらえの制度のせいか、こちらが高齢になったせいか、わかりにくく感じられます。

25日は、義姉がディサービスに通っている日なので、ホテルに荷物を置いてから、午後4時過ぎに義姉の家に出かけました。

義姉の家では、ケアマネージャーさんと親戚のTさんが来てくださっていました。

現在の状況と今後の方針について話し合いました。

いざ施設入居が必要になってもすぐは入れないということで、申し込みをお願いすることにしました。

熱心に面倒を見ていただいていて、私が神戸に住んでいたのなら、しばらくは、このまま在宅介護が続けられそうでしたが・・・・

やはり徘徊行動や排せつに問題が出てきたときにどうするか、ということがあるように思いました。

 

そのうちに義姉が帰ってきました。

何とか私がわかったようでした。以前よりも穏やかになったように感じられます。

どうにか歩けてトイレにも自分で行けますが、トレーニングパンツをはいていてぬれたりすると、その部分を剥がしてしまうのだとか。自分で脱いだりはできないようです。

幻覚があるようで、義姉の母親と同じような経過をたどっているようにも思います。

また寂しいという感情はより強くなっているようにも思われましたので、眠っている間に家を出るようにしました。

 

なお現在の義姉は介護3で、介護サービス利用の状況は

デイサービス:週3回    

介護ヘルパーさん(身の回り、食事作り、服薬、血圧測定など1時間半):週3回

訪問看護:週1回 

往診:月1回 

弁当の宅配:毎日   となって手厚くしていただいているようです。

 

 


2020年11月 神戸へ その1

2020-12-08 10:22:06 | 女性について

11月25日から28日まで神戸に出かけてきました。

95歳の義姉の認知症が進んで、今後をどうするかの相談のためです。

新幹線は空いていて、いつものように富士山の見える席の指定券を購入。

何とか頭だけの富士山を撮りました。

コロナ感染者数が増えていて、旅行中に発熱でもしたら、とか義姉に感染させることになったら、とか心配しておりましたが、何とか今のところ無事に済んだといえそうです。

義姉は独身で自宅で洋裁の仕事を長くして、また神戸の震災では親の代からの古い家だったため全壊したのに助かり、自力で小さな家を建てて暮らしてきた人です。

ほんとうにしっかりした人でしたが、耳が聞こえなくなってから少しずつ認知症が進んできたようにも思います。

対人関係が苦手で、若いころ幼稚園に就職してすぐ辞めてしまったとか、友人と旅行に出かけると必ずといっていいほどケンカして帰ってくるとか。

主人の解説によると、4人兄弟 女 女 男 女 の二女であって、小さい時からの不満がたまってしまったのだとか。

神戸の大震災で義姉の自宅が全壊したとき、我が家では高3、高2の息子がいて、私は初めてかつただ一度のフルタイムの産休代替の高校教師として1年間勤めていた時期でした。

とても義姉をこちらに呼べる状況にはなくて、まだ現役で忙しい仕事があった主人が出かけて親戚の方や知人の方に短期間同居をお願いしたりしました。

事情を想像できない義姉にしてみれば話を聞いてもらえないなど不満がたまった、そういうタイミングの悪さみたいなこともありました。

多くの親戚の方や知人の方がほんとうに親切にしてくださったのだと思いますが、完ぺき主義的な義姉としては不満を持つことがけっこうあったように感じられました。

神戸の震災の1年前に、主人の母は亡くなっていて、また義姉は震災で家屋が全壊したのに中にいてケガをすることもなかったということが不幸中の幸いとして感じられたことを思い出します。


読書から さらにつづき

2020-12-04 19:55:00 | 樹木

森於菟の四男森樊須(もり・はんす)については こちら

著書をアマゾンでゲット☆ けっこう高かったんですが・・・・(泣

(高い本はそれなりに理由があったりすることもあるんですけれどもね)

 

「ダニによるダニ退治 ――カナダからアメリカへ――」

文芸社 2001年

題名についつい深読みをしたくなってしまうのだけれど、いろいろな示唆に富む本だと感じられました。

目次

まえがき

第一章 ダニ研究の留学――カナダからアメリカへ

(1)カナダ日記 (2)カリフォルニア日記 (補)カリフォルニア大学から

第二章 天敵利用によるハダニ類の生物的防除

(1)ハダニ類の天敵 (2)植物ダニ類の食物連鎖 (3)カブリダニ類の生態

(4)チリカブリダニの天敵としての有効性 (5)土着天敵と輸入天敵及び交替餌

(6)カブリダニ類の利用の課題 (7)天敵農薬への道

第三章 生物的防除余話

(1)中国の旅から――上海、重慶、北京の講演紀行

(2)キャッサバ・プロジェクト (3)応用動物学遍歴四十年

(4)随筆「魚眼図」から

あとがき 

主な参考論文

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第三章 (4)は北海道新聞に執筆した随筆「魚眼図」より五十余篇が採られたものとのこと。

この中から 

植物は話をするのか(1990年4月18日)

害虫に襲われた植物が、助っ人として天敵を呼び寄せる――これだけでも話はうますぎるのに、傍らの植物が食害されると、付近にある同種の植物がまだ被害を受けていないうちに、ボディガードとして天敵を呼び寄せるという。そう聞くと、ほとんど信じがたくなってくる。これは先日、京都で開かれた日本応用動物昆虫学会での興味深い講演である。発表者は京大農学部の新進・高林純示(じゅんじ)博士。内容はオランダのワーゲニンゲン農科大学で二年間、マーセル・デイッケ博士と行った共同研究であった。

ナミハダニに食害されたリママメ(インゲンの類)やトマトなどの被害葉では、食害部位から揮発性の匂い物質を大量に生産して、ハダニの天敵・チリカブリダニを誘引する。ボディガードを呼び寄せる生理活性物質は複数あったが、ガスクロマトグラフィーによって分離し、固定された。天敵誘引には単一物質より複数物質、つまり匂いのブレンドがより効果的だという。

生物間の相互作用を起こす信号物質のうち、このように生産者と需要者の両方に有利な生理反応、行動を引き起こす活性物質はシノモンと呼ばれている。揮発性のシノモンは被害植物だけでなく、何と、被害葉が発散する匂いをかいだ同種の健全植物でも、同一の揮発性物質を生産して、自前でチリカブリダニを誘引することを実験で確かめた。天敵ダニの行動の実験には、Y字型の嗅覚試験装置を使っている。植物と動物の間のコミュニケーション――植物は話をしていることになる。

例年になく春が早い三月下旬、庭木の枝を思う存分に剪定(せんてい)した。切られた木々は情報科学物質を発散して、信号をキャッチできない愚鈍な人間に痛みを訴えていたのではなかろうか。

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その他にも、北海道の風土病「エキノコックス」やミミズの知能についてなど興味深いことが書かれています。

こうして、親、子、孫が書いたものを読んでいくと、全体が歴史の読み物として感じられてきます。

退屈だと批判された森鴎外の歴史小説の立体版のような・・・・

ほのぼのとした思いとはこのようなもの?

ハラハラ ドキドキばかりを求めていると、大切なものがわからなくなる?