このミッションも丁度半ば、
最も重要な一日となった。
何といっても、盆栽歴30年以上、
「Bonsaisto」 の肩書(名刺に記載)を持つ愛好家のボスと対面した。
他にメンバーが12~3人。
ここで気後れしてはならない。
「なぜいつもそんなに自信を持っていられるの?」
と聞かれた、あるハリウッド女優が答えた。
「自信のある振りをすのよ」 と。
その言葉通り、「振り」 に徹した。
ハサミに一刀入魂。
大和魂にかけて引き下がるわけにはいかない。
茶道、華道、武道に準(なぞら)えて、
ありもしない、だから聞いたこともない
「盆栽道」 を説く。
座禅から、瞑想、気功を通じ、
集中力と虚無を力説する。
その上で、剪定に感性力を要求する。
ボクがハサミを入れると、一斉にカメラが光る。
テーブルに座り、足と手を組み、
真剣なまなざしで凝視する。
ボクの一挙手一投足にピーンと張り詰めた目線が注がれている。
再び、おもむろにシザーズハンドさながらにハサミを動かす。
そして最後に、決めの文句。
「Any question?」