てなわけないでしょ。
昨日のテレビ取材の写真を乗せたら思わぬ期待を戴いたようだ。
たしかに、社会主義国にあって発言の自由が許されることは画期的なことかもしれない。
もちろん、編集過程で不適切な言動はカットされるだろうが。
なかなか突破口がみつからない焦りもあったかもしれない。
ボクの足はブラブラとこともあろうかハノイの人民委員会(Hanoi Peoples Commitee)に向かっていた。
いわゆる市役所に当たるらしい。
もちろん、コネもアポもない。
そのゲートには当然守衛(門番)がいる。
ボクはその守衛に話しかけた。
「ボクは日本人です。
NPOとしてハノイで日本文化を紹介して
ベトナムとの交流を計りたくて来ています。
日本の着物でアオザイを作らせてます。
それでファッションショーをやりたいのですが、
ここで許可をもらえますか?」
もちろん、キョトンとしている。
英語が全く通じないのだ。
だが日本人だと分かると笑顔を見せながら
写真はとってもいいよという仕草をした。
とりあえず今日のところは、場所と触りの感触を確かめるだけでよかった。
とにかくベトナム側の受け入れ先を探さなければならない。
いわゆるカウンターパートだ。
ボクは重い足取りで
「国際交流基金(Japan Foundation)」のハノイ支部へと向かった。
そこは文化事業に補助をしてくれるといことだった。
そこで思いがけない事件(?)が待っていた。
そこではたまたま日本人前衛アーティストによる展示会が開かれていた。
草間彌生氏は水玉をモティーフにした個性的なオブジェで知られている、という。
ルイヴィトンともコラボしたらしい。
三三五五ベトナム人が見学に訪れていた。
そこでボランティアをしているベトナム人女学生と知り合った。
彼女は日本語を勉強していて、とても日本に関心を持っている。
クールジャパンのイベントをやる時は、友達を集めて手伝ってくれるそうだ。
これでボランティアの確保の目途はついた。
さらに、べトナムのテレビ局VTVのインタービューも受けることに。
このオブジェの感想を聞かれたのだ。
もちろん、英語で答える。
「オブジェの意味分かりましぇ~ン??????」 と。
「だけど、とても興味深く感動しましたー」、と一応付け加えておいた。
そして、ディレクターに、ボクがここに来た理由を語った。
「着物アオザイ」でファッションショーをやる時には必ず来てくれるよう約束した。
「くまモン」も連れてくるからね、と言ったら訳も分からず笑っていた。
とにかく、マスコミのコネもゲット。
さらにさらに、日本人老夫婦に出会う。
彼らからの紹介を経て、ベトナム人実業家(?)へとのコンタクトと繋がっていく。
明日そのベトナム人実業家とボクの店で会う約束をした。
ここからどう発展していくのかどうか。
それは分からない。
小さな草の根の糸口が大きな意味を持つことはよくあることだ。
少しずつではあるが、べトナム人との係わりが出来つつある。
何より、異国の地で出会う縁を一つ一つ大切にしていくことが重要だ。
【追記】
A walking dog will get something
犬も歩けば棒に当たる。
Every dog has his day. ともいう。
これには二つの意味がある。
でしゃばると思わぬ災難にあうという戒めと
また、じっとしていないで、
何でもいいからやってみれば思わぬ幸運にあうことの例えでもある。
【注釈】 「棒に当たる」とは、人に棒で殴られるという意味。
とにかく行動しなければ何事も始まらないのだ。