映画ほどではないが、
トランスポーター(運び屋)にトラブルはつきものだ。
ベトナム人の知り合いが増えるにつれ、
当然のことながら。頼まれ事が多くなった。
ボクの行き来も激しくなり、
その度に何かを持って行ってくれと預けられる。
それも、カメラやiPhoneが多い。
今回は、iPhone4台。
さすがに気になって聞いてみた。
ベトナムは何台持ち込めるんだっけ?
4台は大丈夫ですよ、という返事。
たしかPCは2台までのはずだ。
ボクも今回は、ラップトップとタブレットを持参している。
カメラが2台、ビデオカメラ1台といった機材だ。
ベトナムの入国はいつもスルーだった。
イミグレでも何も聞かれることはない。
カスタムも素通りだ。
ところが今回、珍しくスクリーニングにかけられた。
そして、パスポートを取り上げられた上に、係官に別室に呼ばれた。
「What's wrong? (何が悪いんだい?)」
ボクの問いに、
「セルホーンは何台持っている?」と聞き返す。
「たしか、iPhoneは4台のはずだけど」
「たしか?はず?」
係官はボクの、probably に激しく反応した。
「あー、僕のじゃない。友達に預かったんだ」
ボクは正直に答えた。
と言いながら出して見せた。
別室で、iPhone4台を並べて置く
「あなたのはどれか?」
「ボクのはガラケーだ。ほら」
「全部で5台か。セルホーンは2台までしか持ち込めない。」
中を検査する係官(隠し撮りなので分かりづらいかも
やっぱり、制限があったのだ。
「じゃあ、これはどうすればいい?」
ボクは開き直るように聞いた。
「没収するのか?」
「そうなる」
「OK. わかった。じゃあ、3台ここにおいていくからどれにする?
一台は君に上げるよ」
彼は思わずニコッと笑った。
そしてボクのパスポートを眺めながら言った。
「何度も来てますね」
「あー、6年前JICA出来て以来、20回以上は来てるよ。
先月も来たんだ。
ところで、知ってるよね、JICA。
今、空港作ってあげてるでしょ」
日本のODA資金でJICAが窓口になり大成建設が請け負ってハノイの新空港を建設中だ。
それだけではない。
約35キロ離れた街中から空港までの道路を
大きな橋を合わせて同時に作っている。
かなりの大型プロジェクトだ。
そんな事情を念頭に置きながら、ちょっと恩着せがましく言った。
それには答えず、向こうも負けずと切り返す。
「警察を読んで処罰されればブラックリストにのることになるぞ」
それはちょっと困るな。
それでなくてもマークされているのに。
「いいよ、全部あげるから、パスポート返して」
甘えた口調で下手に出てみた。
そして、これを預けたのは3週間前に日本に嫁いできたベトナム人の花嫁さんが
家族に渡すためのものなんだ、と経緯を涙ながらに(ちょっとオーバー)説明した。
ボクもその結婚式に出席したんだよ。
素晴らしい式だった。
でも、彼女はまだ日本語もうまくしゃべれず、
友達もいないから、泣いているよ。
彼は少し同情したような表情になった。
「OK. I let you go(もう行っていいいよ)」
「Really? Wow. Thank you」
「Next, No.(次はもうダメだからね)」
「OK. I got it(分かった)」
フー! 事なきを得た。
没収も罰金もおとがめもない。
無罪放免。
なかなか話の分かるいい人だったな。
時間は30分ほどロスしたけど。
一時はどうなることかと。
これが、ドラッグ系になるとこうはいかない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして先程(今朝)、友人と名乗る男子がホテルまで取りに来た。
これで無事トランスポーターとしての任務は完了した。
【追記】
まさか、取りに来た友人が偽者だったりして。
一応そこまで疑ってみる。
名前と電話番号を聞き、彼の写真は撮ったけど。
念には念をが、この世界の掟。
トランスポーター(運び屋)にトラブルはつきものだ。
ベトナム人の知り合いが増えるにつれ、
当然のことながら。頼まれ事が多くなった。
ボクの行き来も激しくなり、
その度に何かを持って行ってくれと預けられる。
それも、カメラやiPhoneが多い。
今回は、iPhone4台。
さすがに気になって聞いてみた。
ベトナムは何台持ち込めるんだっけ?
4台は大丈夫ですよ、という返事。
たしかPCは2台までのはずだ。
ボクも今回は、ラップトップとタブレットを持参している。
カメラが2台、ビデオカメラ1台といった機材だ。
ベトナムの入国はいつもスルーだった。
イミグレでも何も聞かれることはない。
カスタムも素通りだ。
ところが今回、珍しくスクリーニングにかけられた。
そして、パスポートを取り上げられた上に、係官に別室に呼ばれた。
「What's wrong? (何が悪いんだい?)」
ボクの問いに、
「セルホーンは何台持っている?」と聞き返す。
「たしか、iPhoneは4台のはずだけど」
「たしか?はず?」
係官はボクの、probably に激しく反応した。
「あー、僕のじゃない。友達に預かったんだ」
ボクは正直に答えた。
と言いながら出して見せた。
別室で、iPhone4台を並べて置く
「あなたのはどれか?」
「ボクのはガラケーだ。ほら」
「全部で5台か。セルホーンは2台までしか持ち込めない。」
中を検査する係官(隠し撮りなので分かりづらいかも
やっぱり、制限があったのだ。
「じゃあ、これはどうすればいい?」
ボクは開き直るように聞いた。
「没収するのか?」
「そうなる」
「OK. わかった。じゃあ、3台ここにおいていくからどれにする?
一台は君に上げるよ」
彼は思わずニコッと笑った。
そしてボクのパスポートを眺めながら言った。
「何度も来てますね」
「あー、6年前JICA出来て以来、20回以上は来てるよ。
先月も来たんだ。
ところで、知ってるよね、JICA。
今、空港作ってあげてるでしょ」
日本のODA資金でJICAが窓口になり大成建設が請け負ってハノイの新空港を建設中だ。
それだけではない。
約35キロ離れた街中から空港までの道路を
大きな橋を合わせて同時に作っている。
かなりの大型プロジェクトだ。
そんな事情を念頭に置きながら、ちょっと恩着せがましく言った。
それには答えず、向こうも負けずと切り返す。
「警察を読んで処罰されればブラックリストにのることになるぞ」
それはちょっと困るな。
それでなくてもマークされているのに。
「いいよ、全部あげるから、パスポート返して」
甘えた口調で下手に出てみた。
そして、これを預けたのは3週間前に日本に嫁いできたベトナム人の花嫁さんが
家族に渡すためのものなんだ、と経緯を涙ながらに(ちょっとオーバー)説明した。
ボクもその結婚式に出席したんだよ。
素晴らしい式だった。
でも、彼女はまだ日本語もうまくしゃべれず、
友達もいないから、泣いているよ。
彼は少し同情したような表情になった。
「OK. I let you go(もう行っていいいよ)」
「Really? Wow. Thank you」
「Next, No.(次はもうダメだからね)」
「OK. I got it(分かった)」
フー! 事なきを得た。
没収も罰金もおとがめもない。
無罪放免。
なかなか話の分かるいい人だったな。
時間は30分ほどロスしたけど。
一時はどうなることかと。
これが、ドラッグ系になるとこうはいかない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして先程(今朝)、友人と名乗る男子がホテルまで取りに来た。
これで無事トランスポーターとしての任務は完了した。
【追記】
まさか、取りに来た友人が偽者だったりして。
一応そこまで疑ってみる。
名前と電話番号を聞き、彼の写真は撮ったけど。
念には念をが、この世界の掟。