タイで不法出稼ぎ対策強化 カンボジア人多数が帰国へ

　カンボジアからタイには、数十万人が出稼ぎに行っています。この中には、パスポートや労働許可を持っていない不法入国者も多いものと見られます。6月23日に、タイで外国人違法就労者の罰則を強化した新法が施行されたことから、カンボジアだけでなくミャンマー等からの出稼ぎ労働者が続々と陸路帰国する事態となっています。タイの軍事政権により強制送還された労働者も出ています。タイの新法に違反した場合、雇用主に対する罰金が違法雇用１人につき40万～80万バーツとなっています。新法は6月23日に発効しましたが、現場での混乱を受けて7月4日にタイのプラユット首相は不法就労関連の罰則に関する条項の施行を年末まで凍結したとのことです。
　タイは、周辺国からの出稼ぎ労働者が数百万人に達していていると見られ、差別や不当な扱いが問題となっており、アムネスティ等からの批判も受けています。2014年にもタイ軍事政権による外国人労働者排斥により、当時70万人いたカンボジア人出稼ぎ労働者のうち40万人が帰国するという事態になったこともあります。
　カンボジアにとって、タイは賃金が3倍以上で魅力ある出稼ぎ先ですが、その一方で不当な扱いを受けたり暴行されたりといった事例も頻発しています。このため、カンボジア国内、できれば自宅近くで働きたいという希望は根強くあります。カンボジア国内での雇用創出のためにも、日本等からの直接投資が期待されるところです。
（写真は、タイとの国境のポイペト）

ブログ「カンボジア経済」2015年2月5日「タイにおけるカンボジア人労働者の管理政策」
http://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/6574df759100e3f4292d18d5ef857002



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