カンボジア経済

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中央銀行 金融安定性調査報告書 初の公表

2019年05月02日 | 経済
 4月24日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、金融安定性調査報告書(Financial Stability Review: FSR)を初めて公表しました。カンボジア国立銀行では、国際通貨基金(IMF)の支援を受けて、2011年から金融安定性委員会に年2回、金融安定性調査を報告してきました。今般、国際通貨基金の更なる技術支援も受けて、この報告書を初めて公表することとしました。
 報告書は、マクロ経済の現状・安定性・見通し、金融システムの現状と課題、マクロ経済と金融のリンケージ及び金融安定性に対する潜在的リスクの3章から成っています。
 今回の報告書では、世界経済の好調に支えられた輸出の好調によりマクロ経済は好調を続けている、海外直接投資や好調な観光により外貨準備は潤沢で問題ないとの現状認識を示しています。これに対するリスクとして、まず対外リスクは、米中貿易戦争、中国経済の予想以上の落ち込み、EUの特恵関税制度見直し、英国のEU離脱をあげています。国内リスクとしては、不動産セクターの供給過剰にかなりのページを割いています。不動産セクターでは2018年も大量供給が続いた上に、今年も、遅延していたプロジェクトの完成や新規事業により供給が続くとしています。これに対し、外国投資による需要や国内の需要は弱まることが懸念されています。この状況に対応するため、中央銀行では、需要側と供給側の双方で対策を検討しているとしています。供給側では、不動産セクターへの貸出し抑制策(不動産・建設セクター向け貸付のリスクウェイトを高める等)、需要側では、融資比率規制(不動産評価の厳格化等)が検討されているとしています。この他、個人向け融資の増大に関連して、金融リテラシーの向上等も議論されています。

カンボジア国立銀行のサイト
https://www.nbc.org.kh/download_files/news_and_events/press_eng/4122Press_Release_ENG_24.04.2019.pdf


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