カンボジア経済

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カンボジア 世界知的所有権機関の調整委員会メンバーに

2022年01月13日 | 経済
 カンボジアは、世界知的所有権機関(WIPO)の2022年~2023年の調整委員会メンバーとなることが決定したとのことです。WIPOは、全世界的な知的財産権の保護を促進することを目的とする国際連合の専門機関です。調整委員会は、WIPOの予算等の管理や財政に関する事項について協議し、一般総会、締約国会議、事務局長等に助言を与える役割を担っており、持ち回りで16カ国がメンバーとなります。
 カンボジアは、1995年にWIPOに加盟し、国内の知的所有権に関する法律等の整備に努力してきました。最近では、マドリッド協定への加盟、日本や欧州との特許に関する覚書といった形で、知財制度の国際化にも取り組んでいます。2015年にカンボジアは、標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書に加盟しました。カンボジアの商標所有者は、カンボジアで登録をすることにより、議定書加盟国115カ国においてその商標が保護されます。2016年、日本の特許庁とカンボジア工業手工芸省は、カンボジアにおける特許の取得を容易にするための協力を開始するための覚書に署名しました。日本で審査を経て特許となった出願がカンボジアで行われた場合、実質的に無審査でカンボジアでも特許が付与されることとなりました。同様の覚書をシンガポール知的財産権庁(IPOS)とも調印しています。2017年には、欧州特許庁との協定に調印し、欧州特許庁が認めている特許がカンボジア国内においても保護されることとなりました。
 後発開発途上国であるカンボジアが、少しずつ様々な法律や制度の整備を進め、国際的にもその地位が認められるようになってきたことは、大きな意義があるものと見られます。カンボジア政府が、日本等の協力を得つつ、こうした地道な改善努力を今後とも進めていくことが期待されます。
(写真は、プノンペンのオールドマーケット。)


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