7月26日、アジア経済研究所は、オンラインで「『アジア動向年報2023』出版記念セミナー―カンボジア、フィリピンの政治動向と見通し」を開催しました。カンボジアについては、新谷春乃先生が「強化されるフン・セン/人民党体制」について解説されました。
セミナーでは、2022年から2023年7月までに人民党一党支配/フン・センへの権力集中がいかに強化されたか、なぜ強化されたかについて解説されました。まず、これまでの、人民党一党支配、フン・センへの権力集中の歴史的背景が説明されました。次に、2022年からのフン・セン/人民党体制の強化について、2022年のコミューン評議会選挙での野党の伸長に危機感を抱いた人民党が、憲法改正、野党勢力やメディアへの抑圧・取り込み等を行い、更に今回の総選挙から最大野党のキャンドルライト党を排除するまでの流れが説明されました。
これらの動きによる体制強化によって、競争性のない(野党が勝てない)選挙が定着し、フン・セン首相から長男への世襲が確実なものになったとしています。更に、フン・セン首相は、次回2028年の選挙まで見据えて、国家選挙管理委員会の掌握や選挙法の改正等を行っているとしています。
フン・セン首相が退陣を表明し、長男のフン・マネット氏が次期首相となることが確実となっている情勢です。こうした中で、内閣の若返りを図り、旧世代の排除を進めるとともに人民党高級幹部の子息を登用して、集団的に権力を継承させることにより、世襲を確実なものとしていくと見ています。
8月22日に予定されている新内閣の発足後に、カンボジア政治の状況と見通しについて、ぜひまた分析をお伺いしたいと思います。
(写真は、フン・セン首相とフン・マネット氏。AKPより)
アジア経済研究所のサイト
https://www.ide.go.jp/Japanese/Event/Seminar/230726.html
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セミナーでは、2022年から2023年7月までに人民党一党支配/フン・センへの権力集中がいかに強化されたか、なぜ強化されたかについて解説されました。まず、これまでの、人民党一党支配、フン・センへの権力集中の歴史的背景が説明されました。次に、2022年からのフン・セン/人民党体制の強化について、2022年のコミューン評議会選挙での野党の伸長に危機感を抱いた人民党が、憲法改正、野党勢力やメディアへの抑圧・取り込み等を行い、更に今回の総選挙から最大野党のキャンドルライト党を排除するまでの流れが説明されました。
これらの動きによる体制強化によって、競争性のない(野党が勝てない)選挙が定着し、フン・セン首相から長男への世襲が確実なものになったとしています。更に、フン・セン首相は、次回2028年の選挙まで見据えて、国家選挙管理委員会の掌握や選挙法の改正等を行っているとしています。
フン・セン首相が退陣を表明し、長男のフン・マネット氏が次期首相となることが確実となっている情勢です。こうした中で、内閣の若返りを図り、旧世代の排除を進めるとともに人民党高級幹部の子息を登用して、集団的に権力を継承させることにより、世襲を確実なものとしていくと見ています。
8月22日に予定されている新内閣の発足後に、カンボジア政治の状況と見通しについて、ぜひまた分析をお伺いしたいと思います。
(写真は、フン・セン首相とフン・マネット氏。AKPより)
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