カンボジア経済

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中国の王毅外相 カンボジアを公式訪問

2023年08月23日 | 経済
 中国の王毅(ワン・イー)共産党政治局員兼外相は、カンボジアを公式訪問し、8月13日にフン・セン首相、フン・セン首相の長男で次期首相に任命されたフン・マネット氏とそれぞれ会談しました。また、シハモニ国王陛下を表敬訪問するとともに、プラック・ソコン外務大臣、スン・チャントル公共事業運輸大臣、ソクチェンダ・ソピアカンボジア開発評議会事務総長等の主要閣僚とも会談しました。
 フン・セン首相との会談では、王毅氏は、中国の習近平国家主席がカンボジアの総選挙で与党人民党が圧勝したことを歓迎していると伝えました。中国との経済的な協力関係強化に向けてフン・セン首相が強い指導力を発揮してきたことを高く評価し、今後もカンボジアの発展や国際的地位の向上に継続的な支援を提供すると述べたとのことです。
 フン・マネット氏との会談では、カンボジアに対する中国の協力と支援は新政権発足後も変わらないと強調し、特に電力などのインフラ分野への投資や農業、貿易の振興に関して関係を強化すると述べました。10月に北京で開催される中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の発足10周年記念式典にフン・マネット新首相を招待したとのことです。
 様々な会談で中国側は、カンボジア新政権に対する支持を表明し、両国関係をさらに強化する方針を示しました。これに対し、カンボジア側は、引き続き「一つの中国」政策を支持し、同国の内政には干渉しない姿勢を明らかにしました。
 米中冷戦の正面戦線であり、「親中国」と言われるカンボジアに、フン・マネット氏による新政権発足前に王毅氏が訪問したのは、カンボジアと中国の連帯を誇示する一方で、カンボジアに対する圧力を強める狙いもあるものと見られます。フン・マネット氏の外交方針は明らかになっていませんが、米国の陸軍士官学校で学んだ経歴などから、欧米では過度な中国傾斜の修正を期待する向きもあるといわれます。小国であるカンボジアは米中の板挟みの中で、綱渡り外交を続けていかざるを得ず、新首相の力量が試される場面も多々あるものと見られます。
(写真は、AKPより)


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