カンボジア経済

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米国防長官 カンボジアを訪問 中国軍進出疑惑等の懸念など伝達へ

2024年06月13日 | 経済
 6月4日、米国のロイド・オースティン国防長官は、カンボジアを訪問しました。フン・マネット首相、フン・セン上院議長(前首相)、ティア・セイハ国防相らと相次いで会談しました。オースティン国防長官のカンボジア訪問は2022年11月以来で、今回が2回目とのことです。
 オースティン国防長官は、フン・マネット首相との会談で「防衛分野など多くの分野でカンボジアと協力関係を構築する用意がある」と述べました。フン・マネット首相は、テロや人身売買、麻薬密売の撲滅を含めた防衛協力の拡大に期待感を示したとのことです。一方、国防長官は、カンボジア南部のリアム海軍基地を巡り、中国艦船による長期停泊に懸念を表明した模様です。
 リアム海軍基地は中国の支援による拡張工事が進められています。米国は、中国軍による基地の利用や基地への中国軍の進出を強く警戒し、カンボジア側に何度もくぎを刺しています。カンボジア政府は、憲法が外国軍の駐留を認めていないと疑惑否定を続けています。そうした中でカンボジアと中国は5月中下旬に合同軍事演習「ゴールデンドラゴン2024」を実施しました。演習には、リアム海軍基地での長期停泊が指摘される2隻の中国艦船も参加しており、更なる疑惑を招いています。
 他方、オースティン国防長官は、両国関係の改善、協力強化のために努力するとの考えも表明しています。関係改善の一環として、米陸軍士官学校(ウエストポイント)がカンボジア人留学生受け入れを再開する計画を明らかにしました。同校は2017年以降、カンボジア人留学生の受け入れを停止しています。フン・マネット首相は、同校の卒業生であり、今後の関係改善が期待されます。
 小国であるカンボジアは、米中冷戦の狭間で綱渡り外交を続けています。日本は、カンボジアが中国に傾き過ぎないように、様々なチャンネルを通じて粘り強く働きかけを続けています。こうした日本の我慢の外交は、大きな意義があるものと見られます。
(写真は、AKPより)



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