カンボジア経済

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AMRO 地域経済見通し2024年7月 好調な輸出と観光の回復

2024年08月01日 | 経済
 7月16日、ASEAN+3マクロ経済調査事務局(ASEAN+3 Macroeconomic Research Office:AMRO)は、ASEAN+3地域経済見通し四半期改訂版」(Quarterly Update of the ASEAN+3 Regional Economic Outlook)を発表しました。AMROは、この地域の経済・金融の監視・分析を行うとともに、ASEAN+3(ASEAN10か国と日本、中国、韓国)による外貨融通の取り決め「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」の実施を支援するために設立された国際機関です。
 今回の改訂版見通しでは、好調な輸出見通し、堅調な内需と観光業の回復といった状況下での2024年~2025年の見通し等について分析しています。
 AMROは、今回の見通しで2024年の加盟13カ国のGDP成長率見込みについては、前回(4月)予測をほぼ維持しました。ASEAN+3では、2024年4.4%(前回4月予測4.5%)、2025年4.3%(同4.2%)、ASEAN10か国では、2024年4.8%(同4.8%)、2025年4.8%(同4.9%)と見ています。カンボジアについては若干引き下げ、2024年5.6%(同6.2%)、2025年5.9%(同6.4%)としています。ASEAN主要国については、2024年は回復傾向にあるとして、タイ2.7%、フィリピン6.1%、シンガポール2.4%、マレーシア4.7%、インドネシア5.2%、ベトナム6.3%等と予測しています。
 ASEAN10カ国の物価上昇率予測は2024年6.3%(前回5.2%)へ引き上げました。カンボジアについては2.5%(同3.1%)に引き下げています。
 AMROでは、2024年については、好調な輸出見通し、堅調な内需と観光業の回復等による力強い成長となると見ています。2025年については、世界経済の安定、欧米の金融緩和、中国経済の回復等が期待できるとしています。その結果として、堅調な輸出と観光の新型コロナ前への回復を予測しています。主なリスクとしては、商品価格の高騰、米国の金融政策(金利高止まり)、米国大統領選挙、中国経済の停滞、欧米の景気後退をあげています。
 AMROとCMIMは、アジア通貨危機の際の国際通貨基金(IMF)の対応が失敗続きであったために、日本が主導して設立したアジア版IMFです。2016年の設立協定発効以降、活動を本格化しており、アジアの視点に立った経済分析・監視を実施しています。
(写真は、観光客で賑わうシェムリアップ。)

AMROの新聞発表(英文です)
https://amro-asia.org/asean3-growth-momentum-steady-on-export-recovery-solid-domestic-demand


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