国際通貨基金(IMF)は、IMF協定第IV条に基づき、毎年加盟国政府と政策協議を行うこととなっています。2024年9月17日から30日に行ったカンボジアとの協議結果詳細について、1月27日にIMFから発表がありました。
カンボジア経済は、緩やかに回復しているとしています。GDP成長率は、2022年5.1%、2023年5.0%から、2024年5.5%、2025年は5.8%に達すると予測しています。ただ、回復はまだら模様であると指摘しています。成長は、衣料品輸出の回復と農産物輸出の高成長に牽引されています。観光は回復傾向にはあるものの、シェムリアップ等の主要観光地は伸び悩んでおり、観光収入の回復が遅れています。建設・不動産セクターは不況が長引き、不良債権の増加をもたらしていると指摘しています。
物価上昇率は、変動はあるものの落ち着きを示しており、2022年5.3%から、2023年2.1%、2024年0.4%、2025年2.1%となると見ています。財政については、新型コロナ対策の現金支援等によって、財政赤字が拡大しましたが、2021年の赤字(対GDP比)は5.2%にとどまり、2022年0.3%、2023年2.8%、2024年3.0%、2025年2.4%と落ち着いてくると見ています。
国際収支は、経常収支の赤字(対GDP比)が2021年29.6%まで拡大したものの、2022年19.0%の後、2023年は1.3%の黒字となりました。2024年は1.8%の赤字となりますが、2025年も2.5%と問題ないレベルとなると予測しています。2024年末の外貨準備は207.53億ドルと輸入の6.6カ月分、2025年末も230.64億ドル(同6.9か月分)という十分なレベルになると予測しています。2024年の公的債務返済比率は1.3%であり、対外債務の状況について「低リスク(青信号)」に分類しています。
IMFの理事会では、このレポートに基づき、衣料品及び農産物の輸出及び観光改善に牽引されたカンボジア経済の継続的な回復を評価しました。しかし、カンボジアが後発開発途上国から卒業することへの対策の必要性を指摘しました。また、建設・不動産セクターの不況と不良債権の増加に対する留意と、不動産セクターの監督の強化を提言しました。
また、中期的な課題として、経済の多様化を促進し、競争力を向上させるための構造改革の重要性を強調しました。具体的には、人的資本の強化、インフラへの投資、ビジネス環境の改善、気候変動への対策、再生可能エネルギーの促進等の必要性を指摘しています。
非常に詳細な英文のレポートですが、統計数字等については最も信頼が置けます。下記のIMFのサイトをご覧ください。
(写真は、不動産開発が目立つプノンペン南部)
IMFの発表(英文です)
https://www.imf.org/en/News/Articles/2025/01/27/pr-25017-cambodia-imf-executive-board-concludes-2024-article-iv-consultation-with-cambodia?cid=em-COM-123-49636
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カンボジア経済は、緩やかに回復しているとしています。GDP成長率は、2022年5.1%、2023年5.0%から、2024年5.5%、2025年は5.8%に達すると予測しています。ただ、回復はまだら模様であると指摘しています。成長は、衣料品輸出の回復と農産物輸出の高成長に牽引されています。観光は回復傾向にはあるものの、シェムリアップ等の主要観光地は伸び悩んでおり、観光収入の回復が遅れています。建設・不動産セクターは不況が長引き、不良債権の増加をもたらしていると指摘しています。
物価上昇率は、変動はあるものの落ち着きを示しており、2022年5.3%から、2023年2.1%、2024年0.4%、2025年2.1%となると見ています。財政については、新型コロナ対策の現金支援等によって、財政赤字が拡大しましたが、2021年の赤字(対GDP比)は5.2%にとどまり、2022年0.3%、2023年2.8%、2024年3.0%、2025年2.4%と落ち着いてくると見ています。
国際収支は、経常収支の赤字(対GDP比)が2021年29.6%まで拡大したものの、2022年19.0%の後、2023年は1.3%の黒字となりました。2024年は1.8%の赤字となりますが、2025年も2.5%と問題ないレベルとなると予測しています。2024年末の外貨準備は207.53億ドルと輸入の6.6カ月分、2025年末も230.64億ドル(同6.9か月分)という十分なレベルになると予測しています。2024年の公的債務返済比率は1.3%であり、対外債務の状況について「低リスク(青信号)」に分類しています。
IMFの理事会では、このレポートに基づき、衣料品及び農産物の輸出及び観光改善に牽引されたカンボジア経済の継続的な回復を評価しました。しかし、カンボジアが後発開発途上国から卒業することへの対策の必要性を指摘しました。また、建設・不動産セクターの不況と不良債権の増加に対する留意と、不動産セクターの監督の強化を提言しました。
また、中期的な課題として、経済の多様化を促進し、競争力を向上させるための構造改革の重要性を強調しました。具体的には、人的資本の強化、インフラへの投資、ビジネス環境の改善、気候変動への対策、再生可能エネルギーの促進等の必要性を指摘しています。
非常に詳細な英文のレポートですが、統計数字等については最も信頼が置けます。下記のIMFのサイトをご覧ください。
(写真は、不動産開発が目立つプノンペン南部)
IMFの発表(英文です)
https://www.imf.org/en/News/Articles/2025/01/27/pr-25017-cambodia-imf-executive-board-concludes-2024-article-iv-consultation-with-cambodia?cid=em-COM-123-49636
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