カンボジア経済

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GMAC EUの特恵関税制度EBAの資格停止 延期を要請

2020年06月11日 | 経済
 6月2日、カンボジア縫製製造業協会(GMAC)、カンボジア履物協会(GFA)、在カンボジア欧州商工会議所(EUROCHAM)は、連名で、EUに対し、8月12日に予定されている特恵関税制度EBAの一部資格停止を12カ月以上延長して欲しいとする書簡を送りました。
 書簡では、カンボジアでは、新型コロナの影響で既に250工場が休業し、13万人の労働者が職を失っていると訴えています。2020年第1四半期から注文のキャンセルが始まり、第2四半期、第3四半期は注文が途絶えているとしています。第2四半期の生産は、対前年同期比50~60%に留まる見込みです。更に、影響は第4四半期から2021年にかけても続くと予想されます。新型コロナの影響だけでも大変なところ、特恵関税の資格停止は、更に大きな影響を与えるものと危惧されます。注文は大きく減少するだけでなく、他国に発注されて二度とカンボジアに戻ってこないものも多くなると見られます。
 この結果は、縫製業に従事する労働者とその家族に直接影響を与え、多くの家族が貧困に逆戻りしかねないと懸念されます。また、国際労働機関(ILO)と育んできた労働条件の改善や労働者の権利保護も失われてしまう可能性があるとしています。
 カンボジアからEU向けの輸出は、輸出全体の45%を占めており(2018年)、輸出額は55億ドル(約5900億円)に達しています。新型コロナで世界全体が大きな困難にある中で、カンボジアがEUに対し特恵関税延長を求めることは極めて妥当と思われます。フン・セン首相の強硬な対応にこの問題の発端はあるものの、中国の対香港政策に対しては、EUは何の制裁も検討しておらず、二重基準であるとの批判の声もあります。EUが前向きに健闘することが期待されます。

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