カンボジア経済

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マイクロファイナンス 新型コロナ影響の貸付の条件変更進む

2020年06月12日 | 経済
 カンボジアマイクロファイナンス協会によりますと、5月31日現在で、会員機関合計で18万301人・社の借入人の貸付条件変更が承認されたとのことです。借入人の総数は、約260万人・社であり、このうち19万6307人・社から条件変更の申請があったとのことです。条件変更となった貸付の総額は、8億1700万ドル(約870億円)です。
 マイクロファイナンス最大手のPRASACによりますと、6月第1週には、1万2770人・社の総額1億4300万ドルの貸付の条件変更を行ったが、経済活動復活の兆しもあり、条件変更申請は減少傾向にあるとしています。また、PRASACの貸付残高は新型コロナで厳しい状況下にあるものの、2019年末の25億100万ドルから、2020年6月3日現在26億5100万ドルに増加しているとしています。
 3月27日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、新型肺炎の影響を受けている借入人に対する貸付条件の緩和を求める通達を発出し、商業銀行、マイクロファイナンス機関等のすべての金融機関に対し、返済期限の延長や元本の支払い猶予、金利の引下げ等により、新型肺炎の影響を受けている借入人を救済することを求めました。特に4つの優先セクター(観光、縫製、建設、運輸)に最大限の配慮を行うように求めています。全ての金融機関は、中央銀行の指示に従い、貸付条件変更に柔軟に対応しているものと見られます。
 マイクロファイナンス全体の2019年末の貸付残高は、約72億ドル(約7700億円)であり、条件変更対象はその11%程度となっています。返済が困難になっている借入人数は、今のところ予想よりも少なかったものと見られますが、今後、不良債権比率が上昇する可能性もあり、引き続き注視する必要があるものと見られます。
(写真は、商業銀行最大手のACLEDA銀行。マイクロファイナンスも行っている。)



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