カンボジア経済

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中央銀行や銀行協会 非公認金融について警鐘

2023年02月22日 | 経済
 2月2日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)と国家警察は、非公認金融のリスクを警告する共同声明を発出しました。声明では、こうした非公認金融は、借入人に過剰な債務負担を負わせるだけでなく、重大な結果にもつながる懸念があると警告しています。非公認金融は、スマホのアプリやSNSを使って宣伝やサービス提供を行っているものが多いということです。これらの非公認金融は、中央銀行の認可を受けておらず、法定上限金利を上回る高金利を課したり、不正な契約書を使って借入人を騙したりしている模様です。その結果、過剰な債務を負って、重大な結果となっている例もあるとしています。また、こうした行為は、金融の安定性や公衆の信頼を傷つけ、カンボジアの銀行セクター全体に悪影響を及ぼすものだとしています。中央銀行と国家警察では、非合法の貸付だけでなく、非公認金融サービスの提供に関するあらゆる形態での宣伝に対し、厳しい法的措置をとると表明しています。また、国民に対し、こうした非公認金融からの借入を避けるとともに、疑わしい事例については当局に報告するように求めています。
 2月7日、カンボジア銀行協会(ABC)とカンボジアマイクロファイナンス協会(CMA)は、共同して、非公認金融との戦いについて政府と協力する計画を策定すると発表しました。非公認金融は、高金利だけでなく、不正な契約書や脅迫・恐喝等の行為等により社会的な問題を引き起こしていると警告しました。両協会は、借入人に対する教育や指導を通じて、合法機関と非合法機関の区別や適正な借入の検討に役立てたいとしています。また、地方自治体に対しても、非公認金融の利用を避けるための指導を行って、地域住民への周知を徹底したいとのことです。
 金融リテラシーがまだ不十分なカンボジアにおいては、こうした不正行為が行われるリスクがある点には留意が必要と見られます。特に、オンラインで簡単に手続きできることを悪用する例もあるようで注意が必要です。カンボジア政府・金融機関等が共同して、こうした不正を許さないための努力を継続して実施することが期待されます。
(写真は、商業銀行最大手のACLEDA銀行)


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