秋葉国家安全保障局長のカンボジア訪問 フン・マネット首相とも面談

　12月20日、秋葉剛男国家安全保障局長は、カンボジアを訪問し、プノンペンでフン・マネット首相や前首相のフン・セン上院議長らと面会しました。国家安全保障局は、2014年に設立された国家安全保障会議の事務局です。秋葉局長は、元外務事務次官です。
　秋葉局長は、フン・マネット首相との会談で、かつて日本が国連の平和維持活動の一環としてカンボジアに自衛隊を派遣したことなどを念頭に、長い年月をかけてさまざまな分野の協力が進んでいると述べました。その上で、両国の協力関係をさらに深めていきたいという考えを伝え、石破総理大臣のメッセージも伝達しました。
　フン・セン上院議長との会談では、上院議長より、リアム海軍基地について、完成後の最初の寄港として日本の海上自衛隊の艦船を入港させたいという意向が示されました。リアム基地は、中国の支援を受けて拡張工事が進められており、ここ1年程、中国軍艦が常駐しています。リアム基地は、タイ湾において戦略的な位置にあるため、米国は強い懸念を隠していません。
　小国であるカンボジアは、米中冷戦激化の中で板挟みとなっており、綱渡り外交を続けています。その中で、カンボジア政府の日本に対する信頼感は非常に強いものがあり、今回の申し出となったものと見られます。日本としては、様々なチャンネルを活用して、カンボジアが中国に傾き過ぎないようにしていくことが重要と見られます。2024年も外務大臣、防衛大臣がカンボジアを訪問する等しており、今後も粘り強い外交が期待されます。
（写真は、秋葉局長とフン・セン上院議長。AKPより）


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