カンボジア経済

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IMF 世界経済見通し2023秋 格差広がる世界の舵取り

2023年10月13日 | 経済
 10月10日、国際通貨基金(IMF)は、世界経済見通し(WEO)2023年10月版を発表しました。世界経済については、「今後は、インフレを抑制するための政策引き締めが経済活動に影響してくる見込みだ」としています。世界全体の成長率については、2022年3.5%(2023年4月予測3.5%)、2023年3.0%(同2.8%)、2024年2.9%(同3.0%)と予測しています。世界の物価上昇率については、「国際的な一次産品価格の下落が金融政策の引き締めと合わさり、2022年の8.7%から2023年は6.9%、2024年は5.8%へと安定的に鈍化する見込みである」と指摘しています。
 世界的に需要が減退している中で、カンボジアの今年の成長率予測は若干引き下げられたものの、高い水準を維持すると見ています。成長率予測は、2022年5.2%(同5.0%)、2023年5.6%(同5.8%)、2024年6.1%(同6.2%)となっています。更に、2025年以降2028年までの成長率は、6.2%~6.5%と高度成長に復帰すると予測しています。一人当たりGDPは、2013年に1000ドルを突破した後、2023年は1916ドルとなり、2024年には2037ドルとついに2000ドルの大台に乗る見込みです。物価上昇率は、2022年5.3%(同5.3%)、2023年2.0%(同3.0%)、2024年3.0%(同3.0%)と見込んでいます。経常収支の赤字(対GDP比)は、2021年42.0%、2022年27.3%にまで悪化しましたが、2023年は11.0%、2024年は8.0%に改善する見込みで、2025年以降も6%台と予測しています。
 世界的な需要減退と金融引き締めの中で、スリランカのように激しい物価上昇、為替変動、外貨危機、対外債務返済不能、政治的混乱等に直面して困難な状況にある国も出てきています。しかし、カンボジアは、途上国の中では物価も安定的、為替レートも安定、対外債務も問題ないレベルであり、マクロ経済運営は様々な外的ショックにうまく対応しているものと見られます。今後も、日本等先進各国や国際機関の協力を得つつ、経済の回復・成長に向けた努力を継続することが期待されます。

国際通貨基金(IMF) 世界経済見通し2023年10月版(和文新聞発表)
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2023/10/10/world-economic-outlook-october-2023


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