カンボジア経済

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タイ湾の海上油田 タイとの交渉再開に向けて

2020年07月30日 | 経済
 タイのソンティラット・ソンティヂラウォン・エネルギー大臣は退任にあたり、タイ湾の海上油田に関するカンボジアとの交渉の早期進展に期待を示したとのことです。
 カンボジアとタイの間では、タイ湾の海上の国境線が確定しておらず、双方が領有権を主張する2万6400平方キロメートルの重複主張海域(Over-wrapping Claim Area: OCA)が存在しています。この海域では、石油・天然ガスが豊富に埋蔵されていると見られており、領有権問題を棚上げして、両国で共同開発を行う方向で協議が進められてきました。タイ側は、タクシン政権時代にこの考えに合意し、2001年に覚書の調印まで至りましたが、アピシット政権になってからこれを覆し、交渉は暗礁に乗り上げていました。2019年9月のASEANエネルギー大臣会合を契機に交渉再開に向けて動き始め、2019年末には早期の交渉再開で合意しているとのことです。しかし、新型コロナ問題の影響を受けて、交渉は延期されているため、新型コロナ終息後に早急に再開したいとしています。
 重複主張海域からの原油産出量は、5億バレルとも見込まれており、天然ガスも豊富と見られます。タイとしても既存の海上油田・ガス田が早晩枯渇する可能性が高いため、重複主張海域の開発に前向きとなっているものと見られます。新型コロナの影響等で国際石油価格は、4月以降大きく上下動していますが、最近は40ドル台に値を戻しており、新規油田開発への逆風も弱まってきているものと見られます。
 カンボジア領海の海上油田ブロックAではシンガポール系のクリスエナジーが、今年中の商業生産開始を目指しており、重複主張海域でも探査と開発が進められることが期待されます。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)のサイト
タイとカンボジアに跨る未境界画定水域
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1007679/1007750.html



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