カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

アンコール・ワット西参道修復工事完成 日本の支援で

2023年11月13日 | 社会・風土
 11月4日、日本の支援で進められてきたアンコール・ワット西参道修復工事が完成し、記念式典が開催されました、式典には、シハモニ国王陛下、フン・マネット首相、フン・セン前首相、工事で中心的な役割を果たした上智大アジア人材養成研究センターの石澤良昭所長(86歳)他多数が参加し、渡り初めが行われました。
 アンコール・ワットは、12世紀に建立されたもので、その「西参道」は参詣者がアンコール・ワットの中央尖塔に向かうために設けられた環濠を横断する出入り口にあたります。過去に幾度か崩壊し、修復が繰り返されてきました。上智大学とカンボジア政府は、1996年から2007年に北側部分で第一期の修復工事を実施しました。2016年からの第二期工事では日本の無償資金協力(約1億円)も活用して、残り部分を整備してきました。
 工事の推進にあたり中心的な役割を果たしてきたのは石澤良昭教授(アジア人材養成研究センター所長)です。内戦で失われたカンボジア人遺跡保存官の人材養成のため、1991年からプノンペンの王立芸術大学で考古学・建築学を学ぶ大学生のために集中講義を開始しました。1996年、西参道第一期修復工事の着工と同時に、シェムリアップ市内に上智大学アジア人材養成研究センターを建設、修復工事現場に寄り添いながら、今日まで33年間にわたり保存官養成に尽力してきました。教授は、上智大学の学長などを歴任し、2017年には「アジアのノーベル賞」といわれるマグサイサイ賞を受賞しています。
 シハモニ国王陛下は、「アンコール遺跡群のために、持続可能な方法で保存や人材育成を推進してくれた石澤所長らに感謝する」とあいさつしました。石澤氏は、「今後もカンボジアの人と一緒に協力を続けたい」と話したとのことです。
 なお、上智大学では、「上智大学とアプサラ機構は完成式典に先立ち、アンコール・ワット西参道の保守管理およびカンボジア人保存官の技術専門研修の継続を主眼とする、新しい協定書を取り交わし、引き続き共同作業を継続してゆきます。」としています。
(写真は、南側から見た西参道。2022年12月撮影)

上智大学のサイト
https://www.sophia.ac.jp/jpn/article/news/topics/231107_angkorwat/


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へにほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« メルマガ「週刊カンボジア経... | トップ | ASEAN貯金の日 カンボジアで... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

社会・風土」カテゴリの最新記事