カンボジア経済

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今年も洪水被害広がる2022

2022年10月30日 | 社会・風土
 カンボジアでは毎年のように雨期の終わりに洪水となっています。今年は、10月初旬から降り始めた雨で、大きな被害が出ています。多くの州で田畑が水没し、農産物への被害が懸念されており、コメの輸出にも影響があるとの見方も出ています。また、国道も、数カ所で水没し、通行不能となった個所もありました。更に、カンダール州では、増水した川でフェリーが沈没し、通学中の生徒10名以上が死亡するという痛ましい事故も起きています。こうした中で、フン・セン首相は、洪水対策への取り組みが不十分として、ベン・サコン農業大臣を突然更迭しました。
 プノンペン中心部では、日本が支援した洪水対策事業が効果を発揮し、以前であれば膝まで水位が上がり、何日も水が引かなかったようなところも、浸水が浅くなり、水もすぐ引くといった状況です。他方、開発が進む郊外では、これまでの自然の排水経路や遊水地が埋め立てられ、水位が上がり被害がひどくなっているところもあるようです。
 なお、水田が水につかり、稲が被害を受けたところも多いのですが、その一方で、洪水によって栄養分のある土も運ばれ、洪水の水を使った洪水農法による収穫もあります。洪水でできた一時的な池で魚取りをしている人も見かけました。洪水と言う自然の脅威をも恵みに変える、カンボジアの人々の知恵とたくましさには感銘を受けます。
(写真は、AKPより。シェムリアップ近郊)

ブログ「カンボジア経済」2008年12月23日「洪水農法」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/a2be1b91f118fd5a9d8c4a951443f17e


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