カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(National Bank of Cambodia: NBC)は、年次報告書2015を発表しました。
内容は、国内経済成長、国際収支と外貨準備、金融政策、銀行・金融システムの開発、中央銀行活動、カンボジア金融情報機関(CAFIU)、国際協力と情報共有、中央銀行の内部管理、2016年の目標等です。経済状況や金融システムを概観するにはとても有益な報告書です。
2015年の注目点は引き続き、マクロ経済の安定です。成長率は、2015年は6.9%でした。建設・不動産セクター、縫製品輸出、観光が引き続き好調です。物価上昇率は、1.2%でした。リエルの対ドル為替レートの変動は、プラスマイナス1%程度の範囲内に留まり、年間平均は4068リエル/ドルでした。また、貿易収支の赤字は続いていますが、サービス収支(観光等)、移転収支(ODA等)、資本収支(直接投資等)の黒字で埋め合わせて、総合収支では、GDP比3.7%の黒字となりました。この結果、2015年末の外貨準備は、約51億ドル(金とSDRを除く)に達しています。
NBCでは、今後も銀行監督を強化して、金融セクターの健全性を維持するとしています。また、銀行間取引の効率化のため、譲渡性預金証書(NCD)の改善や即時決済システム(FAST)の導入等を行っています。また、資金洗浄やテロリズムへの資金供給を防止する対策についても強化するとしています。
カンボジアの金融・通貨制度は、整備の途上にありますが、地道な努力が継続されており、安定的な発展が期待されます。
中央銀行年次報告書のサイト(英文です)
http://www.nbc.org.kh/english/publications/annual_reports.php
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内容は、国内経済成長、国際収支と外貨準備、金融政策、銀行・金融システムの開発、中央銀行活動、カンボジア金融情報機関(CAFIU)、国際協力と情報共有、中央銀行の内部管理、2016年の目標等です。経済状況や金融システムを概観するにはとても有益な報告書です。
2015年の注目点は引き続き、マクロ経済の安定です。成長率は、2015年は6.9%でした。建設・不動産セクター、縫製品輸出、観光が引き続き好調です。物価上昇率は、1.2%でした。リエルの対ドル為替レートの変動は、プラスマイナス1%程度の範囲内に留まり、年間平均は4068リエル/ドルでした。また、貿易収支の赤字は続いていますが、サービス収支(観光等)、移転収支(ODA等)、資本収支(直接投資等)の黒字で埋め合わせて、総合収支では、GDP比3.7%の黒字となりました。この結果、2015年末の外貨準備は、約51億ドル(金とSDRを除く)に達しています。
NBCでは、今後も銀行監督を強化して、金融セクターの健全性を維持するとしています。また、銀行間取引の効率化のため、譲渡性預金証書(NCD)の改善や即時決済システム(FAST)の導入等を行っています。また、資金洗浄やテロリズムへの資金供給を防止する対策についても強化するとしています。
カンボジアの金融・通貨制度は、整備の途上にありますが、地道な努力が継続されており、安定的な発展が期待されます。
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