カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

金融リテラシー改善で 無認可高利貸しの撲滅に向けて

2023年08月18日 | 経済
 最近、悪徳な高利貸しが逮捕される事件があり、これを契機として、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)と国家警察は、無認可の高利貸しを利用しないように呼び掛けを強化しています。これらの業者は、カンボジアの金融法規の規制外で活動しており、借入人を多重債務等の危険にさらすだけでなく、カンボジアの金融システムにも悪影響を与えかねないとしています。これらの業者では、返済期間が1週間というような短期で、金利も認可機関の数倍の高金利を課す等、問題が大きいと指摘しています。また、最近は、SNSやネットを使って、甘言を弄して不当な貸付に誘導するような例もあると指摘しています。
 最近公表されたシンガポール国立大学の調査によりますと、調査対象となった農村部では35%の世帯が、何らかの非公式金融の借り手となっていたとのことです。家族や近隣からの借入は利率も低いのですが、悪徳な高利貸しの例もあり、月利20%といった法外な金利を取られていた例もあった模様です。
 農村部だけでなく都市部の低賃金労働者も金融リテラシーが不十分なことが多く、非公認高利貸しの被害に逢いやすいものと見られます。NBCでは、金融包摂を重要な政策としていますが、その基本となる金融リテラシーの向上にも取り組んでいきたいとしています。
(写真は、カンボジアの農村部。記事とは直接関係ありません)

カンボジア国立銀行のフィエスブック(クメール語です)
https://web.facebook.com/nationalbankofcambodiaofficial/posts/pfbid0rzHRr8Gxg5otqgnY22DBNfBTgHhqkwcMXccvreTpnLSznFneyvzcoRPLXt9oA7fQl


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リアム海軍基地 改修工事完成間近 中国軍進出疑惑再燃

2023年08月17日 | 経済
 7月24日、米国の民間衛星写真・情報会社のブラックスカイは、カンボジア南部シアヌークビル近郊のリアム海軍基地の現状を示す衛星写真と分析を発表しました。分析によりますと、新たに建設され完成間近の桟橋は、中国軍がジブチに建設したものとほぼ同様で、長さ363メートルで中国海軍の空母にも対応可能な規模となっているとしています。
 2022年6月、リアム海軍基地で中国支援による改修工事が開始されました。カンボジア側は、今回の工事は、同基地の「近代化」を念頭に置いたものであり、乾ドック、埠頭、船台といった設備の建設・改修を行うものとしています。他方、米国等は、カンボジアと中国がリアム海軍基地の利用に関して秘密合意を行っていると批判しており、中国軍の拠点拡大の兆候として警戒しています。
 リアム海軍基地は、シアヌークビル空港の南の海岸にある小規模な基地で、これまでは、小規模な桟橋が1本あるだけでした。新たな桟橋等の建設によって、ブラックスカイでは中国海軍の空母も対応可能であるとしていますが、周辺海域の水深が浅いこともあり、当面実態的には難しいものと見られます。しかし、富裕級高速戦闘支援艦(4万8000トン)程度は入港可能であるとの見方もあります。
 現状では、直ちに中国海軍の軍事拠点となるのは難しいものの、このリアム基地はタイ湾の湾口を押さえる重要な戦略拠点となりうる場所にあり、万が一にもこの基地が中国の手に落ち、中距離ミサイル等を配備された場合、タイや周辺諸国との海上サプライチェーンの安全保障に重大な脅威となりかねません。また、3300メートル級の滑走路を有する空港が近いこともあり、航空輸送で展開可能な電子戦部隊の進出等も危惧されます。
 2022年11月、ASEAN 関連首脳会議のためにカンボジアを訪問したバイデン米国大統領は、フン・セン首相と首脳会談を行いました。この会談で、バイデン大統領は、リアム海軍基地問題を取り上げました。米国としては、絶対に譲れない一線(レッドライン)を明確にカンボジア側に伝える意図があったものと見られます。本件の取扱いはカンボジアにとって非常に重要なものとなりかねません。米中対立激化の中で綱渡り外交を続ける小国カンボジアにとって、慎重な対応が必要な状況と見られます。
(写真は、リアム海軍基地の衛星写真。ブラックスカイの発表より)

ブラックスカイの新聞発表(英文です)
https://www.blacksky.com/2023/07/24/blacksky-releases-imagery-of-near-complete-chinese-military-naval-station-in-cambodia/


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アジア開発銀行 カンボジアの労働者スキル向上を支援

2023年08月16日 | 経済
 8月1日、アジア開発銀行(ADB)は、カンボジアの労働者のスキル向上を支援するため、1億ドル(約141億円)の借款を供与すると発表しました。対象となる事業は、未来の経済開発のためのスキルプログラムです。この事業では、民間セクターの参加を得つつ、技術・職業教育・訓練(TVET)への投資改革を支援するとしています。これにより、人的資源の強化を通じて、カンボジアを技術先導、知識重視の産業へと転換していくことを目指します。また、カンボジアのスキル開発環境の改善、民間主導の包括的訓練の実施、需要に適合したスキル開発への投資誘導等に焦点を当てていくとしています。
 アジア開発銀行は、カンボジアの技術・職業教育・訓練においては、第4次産業革命に対応した包括的スキル開発計画の欠如、スキル開発における民間セクターの役割軽視、スキル開発への資金配分が不十分等の問題があると指摘しています。経済の多様化や労働生産性の向上に向けて、これらの問題に対処していく必要があると提言しています。
 カンボジアは、現在のところ非熟練労働者による労働集約的製造業に偏った経済構造となっています。カンボジア政府としても、製造業の多様化や高付加価値化に加えて、今後はITやフィンテック等のイノベーション産業に軸足を置いた産業開発を行っていきたいとしています。そのためにも労働者のスキル開発は重要な課題となっており、日本や国際機関等の協力を得つつ、カンボジア政府が地に足の着いた政策の立案・実施を継続していくことが期待されます。
(写真は、アジア開発銀行の発表より)

アジア開発銀行の発表(英文です)
https://www.adb.org/news/100-million-adb-loan-boost-labor-force-competitiveness-cambodia


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プノンペン環状3号線が開通

2023年08月15日 | 経済
 8月3日、プノンペンの環状3号線道路が完成し、記念式典が開催されました。式典には、フン・セン首相、スン・チャントル公共事業運輸大臣、中国大使の他、関係者多数が参加しました。
 環状3号線は、国道1号線の新プノンペン港付近からスタートして西に向かい、バサック川を越えて国道21号線と交差し、ワールドブリッジ経済特区の南を通り、国道2号線と交差、北西に向かって国道3号線と交差した後、北に向かい国道4号線を越えて、ロイヤルゴルフコースの前を通って向きを東に変え、国道5号線に連結し、プレックプノウ橋でトンレサップ川を渡り、ウィンウィンモニュメントの前を通過して国道6号線に至ります。延長約53キロメートル、片側2車線、コンクリート舗装の道路です。なお、新プノンペン港近辺からメコン河を渡る橋を建設し、対岸の「プノンペン~ベトナム高速道路」の起点と連結する計画もあります。
 このうち、今回中国が支援対象としたのは南側の1号線から4号線までの部分になります。総工費2億7300万ドルのうち、2億5900万ドルは中国政府の借款により賄われました。建設工事は中国の上海建工集団が請け負いました。工事は、2019年1月に着工し、2021年末の完成を予定していましたが、新型コロナの影響や土地取得の遅れ等もあり、工期が大幅に遅延していました。
 現在、渋滞対策の観点から、朝5時から夜9時までコンテナトラック等の大型車のプノンペン中心部への進入を禁止しています。環状3号線は、拡大を続けるプノンペンの外側を通っているため、プノンペン市内への流入量を削減してプノンペン市内の渋滞を抑制するとともに、主要国道とプノンペン新港を連結する観点からも重要な道路になるものと見られます。また、プノンペン都では、プノンペン市内の工場や倉庫を将来的に環状3号線外側に移転していくという意向を表明しています。
 中国や韓国によるカンボジアでの道路整備については、低品質の施行や、工期の遅れがみられるのが実情です。公共事業運輸省は、こうした事態を防ぐために厳しい検査や指導を行っています。見かけの工期の短さや価格の安さに惑わされることなく、日本が推進する「質の高いインフラ」に軸足を移していくことが期待されます。
(写真は、公共事業運輸省のフェイスブックより)

公共事業運輸省のフィエスブック(クメール語です)
https://www.facebook.com/mpwt.gov.kh/posts/pfbid0PaJHP58Gn616N6q1xC3q89B2oPUwup5wVm3EKA4goWnHXMmRgvC9GVYAxGBy78p6l


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総選挙結果確定 人民党が圧勝

2023年08月14日 | 経済
 8月5日、カンボジア国家選挙管理委員会は、7月23日に投票された国民議会選挙の結果を発表しました。与党のカンボジア人民党が全125議席中120議席を占めるという圧勝に終わりました。
 注目されていた投票率については、971万645人の登録有権者のうち821万4430人が投票し、投票率は84.59%と、前回の2018年の82.17%を上回りました。選挙前に、政権側が、野党等の棄権の呼びかけに対して厳しい対応を取ったため、棄権した場合の後難を恐れ、多くの有権者が投票せざるを得なかったものと見られます。なお、投票するものの投票用紙にバツ印をつける等して無効票とすることで抵抗の姿勢を示す有権者もいた模様で、無効票は44万154票(投票数の5.4%)に達しました。
 有効投票数777万4276票のうち、与党人民党の得票数は639万8311票(有効票の82.3%)に達し、120議席を獲得しました。野党の中では、フンシンペック党が71万6490票(9.2%)で5議席を獲得しました。その他の16政党は、議席獲得には至りませんでした。
 今後は、組閣に注目する必要があります。フン・セン首相は退陣を発表し、後任には長男のフン・マネット氏(45歳)が8月22日に指名され、新内閣が発足するとしています。首相が若返ることにあわせて、閣僚メンバーも今回は大きく若返ると見られており、40歳代の新進気鋭の大臣が10名以上誕生するとの予測もあります。これまで政権中枢でフン・セン首相のライバルでもあり、協力者であった60~70歳代の第1世代が引退し、海外留学経験もある若い第2世代が台頭してくるものと見られます。こうした新しい若い力に、期待する声も聞かれます。
 今回の選挙では、最大野党のキャンドルライト党が参加不可となり、政権に批判的なマスコミが様々な形で圧力を受ける等、政権側の強権的な手法がとられたため、欧米を中心として強い批判が寄せられました。残念ながら、中国を後ろ盾としたフン・セン政権は、強気の態度を崩さず、結果的には圧倒的多数を占めるという圧勝でした。
 日本としては、カンボジアが中国に傾き過ぎず、また、中国をモデルとした真の意味での独裁・弾圧国家にならないよう、硬軟両用で様々なチャンネルを通じて穏健に対話を継続していくことが期待されます。なお、今回の選挙では、様々な圧力により人民党に投票せざるを得なかった有権者もいたものと見られますが、人民党政権を積極的に支持している有権者も相当の割合に達しているという事実には、しっかりと向き合い、十分に配慮を重ねる必要も高いものと見られます。
(写真は、投票所において公開で実施されている開票の様子。AKPより)


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2023年08月14日 | 一般
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お洒落なケーキ屋さん Chériny

2023年08月13日 | 生活環境
 プノンペン南部の432通りにあるお洒落なケーキ屋さん「Chériny」です。レンガを多用した外観と内装はちょっとオリジナルな感じです。店内に入ると庭にスモークが出ていたりと、演出も凝っています。「映える」ケーキがショーケースに並んでいて目を惹きます。チョコレートも美味しいそうです。今回は、真っ赤な「レッド・ベルベット・ストロベリー・クリームチーズケーキ」を頼んでみました。ふわふわかと思っていたら、結構しっかり・どっしりした食感でした。ドリンクメニューも色々ありました。フェイスブックを見ると大きなケーキも色々と作ってくれるようです。お客さんは地元の方が多いようでした。お試しください。

Chériny
https://web.facebook.com/cherinykh

「映える」ケーキやチョコレートが並んでいます。


真っ赤なチーズケーキとエスプレッソ。


レンガを多用した店内は遺跡風でもあります。



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ファミリーに人気のカフェ Play Café TTP

2023年08月12日 | 生活環境
 プノンペン南部、123通りにあるカフェ「Play Café TTP」です。大きな三角屋根が目立つ建物で、内部は体育館のような造りです。店内にかなり広い子供向けの遊び場があるのが特徴です。絵本のコーナーから砂場まで、色々な遊びができそうです。お子様で賑わっている時間帯もあるそうです。お子様連れでもあまり気にすることなく楽しめる雰囲気です。メニューは普通のカフェで、パソコンでお仕事をしている人もいます。お試しください。

Play Café TTP
https://web.facebook.com/playcafettp

店内は体育館のような造りで、開放感があります。


お子様用の遊び場は結構広いです。この日はお子様ゼロでした。



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アジア開発銀行 カンボジアの地方自治体の活動を支援へ

2023年08月11日 | 経済
 7月26日、アジア開発銀行(ADB)は、カンボジアに対し4000万ドル(約56億8000万円)の借款を供与すると発表しました。対象事業は、「地方分権公共サービス及び財政管理セクター開発プログラム(第二期)(Second Decentralized Public Service and Financial Management Sector Development Program)」です。
 この事業は、カンボジア政府が進める地方の公共サービス強化を支援するものです。公共サービスを効率的に提供するために必要な地方自治体の能力を強化するとしています。地方自治体の予算編成、歳入・歳出管理能力の強化、職員の研修、業務のデジタル化、女性の社会等などを促進する計画です。
 アジア開発銀行では、この事業の実施により、改革とデジタル化が進行し、予算の効率化、効果的な基礎的な公共サービス(水道、衛生、教育等)の提供を支援したいとしています。アジア開発銀行は、2002年以来、公共サービス提供の改善、地方経済活性化、貧困削減等を目指して、地方分権化を支援し、行政や財政の地方への権限移譲を支援してきています。
(写真は、アジア開発銀行の発表より)

アジア開発銀行の発表(英文です)
https://www.adb.org/news/adb-approves-40-million-loan-key-reforms-service-delivery-cambodia


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タイからカンボジアへ 初の直通貨物列車運行

2023年08月10日 | 経済
 タイからの直通貨物列車がポイペト国境を越えてカンボジアに入り、プノンペンまで運行したと、ロイヤル鉄道は7月26日に発表しました。試験的な運行とのことですが、両国間を直通貨物列車が走行するのは初めてのこととなります。
 カンボジア鉄道北線は、プノンペンとタイ国境のポイペトを結んでおり、ポイペトから国境を越えてタイ国鉄と連結しています。フランスにより1929年から建設されたものです。1970年代以降の内戦での損傷が激しく、2010年からアジア開発銀行等の支援を受けてリハビリ工事を行いましたが、途中で資金不足となり、政府予算で細々と改修工事が行われてきました。
 2018年7月4日、タイとの国境からプノンペンまでの北線全線(約390キロメートル)が接続されました。国境の鉄橋は、タイの支援により完成しました。2019年4月22日、カンボジアとタイを結ぶ鉄道開通の記念式典が、カンボジアのフン・セン首相、タイのプラユット首相が参加して開催されました。この時点で線路は繋がったものの、二国間の協定の交渉が遅れたことや新型コロナの影響で、直通列車の運行には至っていませんでした。
 鉄道によるカンボジアとタイとの間の貨物輸送のためのロジスティクス改善の期待は高まっていますが、日本企業が望むようなレベルとなるには、まだもう少し時間が必要と見られます。また、並行している国道5号線は整備が進みつつあり、トラック輸送との競合も厳しくなるものと見られます。旅客についても、既にかなり発展しているバス輸送と厳しい競争となることが予想され、楽観は許されないのが実情です。カンボジア政府の地道な改善努力が期待されます。
(写真は、直通貨物列車。ロイヤル鉄道のフェイスブックより)

ロイヤル鉄道のフェイスブック
https://web.facebook.com/TRRCambodia/posts/pfbid0K5q8DXtHR56BUnBSW2FoooHdW8wznfeU96vrDC3pYN46cRysHpYMYvJZQtjiSWizl

タイとカンボジアの国境にかかる鉄橋。2022年12月撮影



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カンボジア 2023年6月の物価上昇率

2023年08月09日 | 経済
 国家統計庁から発表された2023年6月の消費者物価上昇率(対前年同月比)は、0.0%と、かなり落ち着いてきました。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しており、2018年1月以降は概ね3%未満で推移していました。2021年9月以降は久しぶりの大幅上昇となっていましたが、2022年7月以降は低下傾向にあります(2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%、2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%、10月3.7%、11月3.7%、12月2.9%、2021年1月2.6%、2月1.7%、3月2.1%、4月2.7%、5月3.0%、6月2.7%、7月3.3%、8月3.4%、9月5.9%、10月6.8%、11月7.9%、12月6.7%、2022年1月4.1%、2月6.3%、3月7.2%、4月7.3%、5月7.2%、6月7.8%、7月5.4%、8月4.9%、9月4.4%、10月3.6%、11月3.2%、12月2.9%、2023年1月3.0%、2月2.2%、3月0.7%、4月1.1%、5月0.5%)。なお、5月と比べると6月は0.4%の上昇でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズムにより国際価格に概ね連動して動いています。5月の4379リエル/リットルから、6月は4368リエル/リットルに下落しました。ディーゼルは、5月の3950リエル/リットルから、6月は3950リエル/リットルと横ばいでした。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、ロシアのウクライナ侵略の影響を受けて急激に上昇し2022年3月初めに130ドル台にまで上昇した後、最近は70~80ドル前後の動きとなっています。カンボジアはガソリン類を全量輸入に頼っているため、カンボジアのガソリン価格も国際価格に連動しており、2022年中盤に急速に上昇しましたが、国際原油価格の下落を受けて落ち着いてきました。
 国際機関も2023年のカンボジアの物価上昇率については落ち着いてくるものと予測しています。アジア開発銀行は3.0%、世界銀行は2.5%、IMFは3.0%、AMROは3.3%と予測しています。
(写真は、プノンペン市内のガソリンスタンド。6月13日撮影)  


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中央銀行のチア・スレイ副総裁 総裁に昇格 父の後任 政権若返りの一環か

2023年08月08日 | 経済
 7月29日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)の総裁に、これまで副総裁であったチア・スレイ氏が就任しました。同日に、シアモニ国王陛下の署名を受けて任命されたものです。女性がカンボジア国立銀行総裁となるのは初めてとなります。前任の総裁は、父親であるチア・チャント氏でした。中央銀行総裁は、カンボジア政府では上級大臣格に相当します。
 カンボジアでは、38年間首相を務めたフン・セン首相が退陣を表明し、長男のフン・マネット氏が次期首相に就任すると見られ、閣僚メンバーも大幅な若返りがなされるものと見られています。チア・スレイ総裁の誕生は、その第一歩と見られます。
 チア・スレイ氏は、1981年生まれ(42歳)で、ニュージーランドのヴィクトリア大学に留学経験があります。1999年にカンボジア国立銀行に入行しました。「親の七光り」ということは全くなく、チア・スレイ氏は、数多くの改革や近代化を実現し、カンボジアの中央銀行や銀行セクターを一変させたと言っても過言ではない業績を上げてきました。信用情報を集積するカンボジア信用機構の立ち上げと発展、銀行間即時決済システムFASTやCSSの実現、証券担保型流動性供給オペレーション(LPCO)の導入に始まり、フィンテック協会の設立等のフィンテックの振興、中央銀行デジタル通貨「バコン」の開発と実用化、多くの金融機関によるQRコードの統一「KHQR」の導入等の実績は、素晴らしいものでした。また、最近では、国際基準のバーゼルIIIに準拠した銀行監督規制の強化や金融リテラシーの改善等による金融包摂の推進にも力を入れています。こうした業績に対し、国際的な評価も高いものがあります。
 カンボジアで新進気鋭の女性中央銀行総裁が誕生したことは、大変大きな意義があるものと見られます。過去の実績を考えても、今後も金融セクターに様々な改革と近代化をもたらすものと大いに期待されます。

カンボジア国立銀行のフェイスブック(クメール語です)
https://web.facebook.com/nationalbankofcambodiaofficial/posts/pfbid02d8wGWj2M2kmNmQVnzLPMyB5DSikRZHZhvob9eVFXzjbnoeW6hjAVhwra87hmxEiul



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新型コロナ カンボジアの状況 2023年7月31日

2023年08月07日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、感染が始まった2020年は低レベルでしたが、2021年2月から急増しました。発端は、陽性だった中国人女性が賄賂を使って隔離を脱走し、クラブ等で感染を拡大したという悪質なケースでした。2月20日市中感染事件と呼ばれるこの事件以降、感染が急拡大しました。このため、2021年4月15日からプノンペン等でのロックダウンが始まりました。その後、ワクチン接種の進展とともに感染は落ち着き始め、9月末から段階的に経済の再開が進められ、12月にはほぼ正常に戻っていました。2022年に入り、オミクロン変異株の登場で、感染者数は増加に転じましたが、5月には落ち着き、死者数、新規陽性者数ともに低レベルとなりました。9月以降は、陽性者数は減少し、10月~2023年7月には新規陽性者ゼロの日も増えています。
 8月1日のカンボジア保健省の発表によれば、7月末現在の死者は累計3056名(6月30日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万8937名(同19名増)となっています。死者数は、ここ15カ月間ほどはゼロが続いています。陽性者数も2022年7月以降一日数名~50名前後で推移しています。なお、PCR検査数が大幅に減少していることもあり、新規陽性者の数字の正確性については議論のあるところです。
 新型コロナ対策成功の要因となったのは、早期のワクチン接種であったと見られます。世界的に見ても早いペースで接種が進んでおり、既に、3歳以上~成人については2回接種をほぼ完了していると言ってもよい状況と見られます。7月31日現在で、1530万4131人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の95.7%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の104.0%に第1回接種を、100.6%に2回目を完了しています。ブースター接種(3回目)も実施が進められ、1072万8975人(うち成人705万4106人)が接種を完了しています。第4回・第5回・第6回の接種も進められています。
 カンボジアでは、マスク着用義務も解除され、「アフターコロナ」と言っても良い雰囲気となっています。カンボジアへの外国人観光客数は激減していましたが、最近は西洋系の観光客をかなり見かけるようになっています。ワクチン接種への積極的な取り組みと「ウィズコロナ」の規制緩和が非常にうまくいったものと見られ、今後の経済回復が期待される状況です。
(写真は、プノンペンのセントラルマーケット。マスクをする人も少なくなりました。7月22日撮影)


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2023年08月07日 | 一般
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カンボジア日本人会 のど自慢大会2023

2023年08月06日 | 生活環境
 7月30日、プノンペンのCJCCにて「第5回プノンペンのど自慢日本人大会」が開催されました。のど自慢大会には20組が出場し、レベルの高い熱唱が続きました。会場には数多くの応援団・観客が詰めかけ、ステージと客席の一体感があって大変な盛り上がりでした。優勝は、「罪と罰(椎名林檎)」を歌われた小山さんでした。素晴らしい歌声でした。この他にも会場賞等の様々な賞があり、協賛企業の方々からの商品も授与されました。また、ゲストとして招待されたDJ. MOTOさんも大いに会場を盛り上げてくれました。また、のど自慢カンボジア人大会の優勝者も日本語の歌声を披露しました。なお、のど自慢の模様は、ユーチューブでもリアルタイムで公開されました。
 カンボジア在住の日本人の方々が、こうしたイベントや集まりで懇親するのは、大変良いことですし、楽しく感じます。ご苦労頂いた関係者の方々に感謝したいと思います。日本人会では、今後も様々なイベントがありますので、ぜひご参加ください。

第5回プノンペンのど自慢日本人大会のフェイスブック
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カンボジア日本人会のフェイスブック
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