英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『相棒season12』 第9話「かもめが死んだ日」

2013-12-14 20:13:19 | ドラマ・映画
ブラックボックス的推理
A群=過去の出来事
①皆子は“性質(たち)の悪い女”だった(外面は良いが、借金を踏み倒すような女)
②坂田は、皆子にぞっこんだった
③皆子の昔の男の古畑が皆子の勤めるスナックにやってきた(追いかけて探し出した)
④皆子は古畑から逃げていた
⑤その場に、坂田も居合わせた
⑥その出来事の後、皆子は店を辞めた
⑦坂田も店に来なくなり、皆子とも切れたらしい
⑧古畑は、その後、現れなかった

C群=最近までの出来事
Ⅰ錦糸町(昔の居住地)から向島(現在の居住地)は、それほど離れておらず、逃亡にしては中途半端な距離
Ⅱ近いにもにもかかわらず、6年間一度も古畑は現れず、消息も不明
Ⅲ坂田は4年前、結婚した
Ⅳ“悪そうな男が付きまとう女とは付き合えない”と別れた女と、結婚一年後にかかわらず仲が復した
Ⅴ皆子の方から、誘いの電話が掛かった
Ⅵ再会した皆子からも、坂田の方からも、古畑についての話題は出さなかった
Ⅶ皆子は、6年前に高級マンションを一括購入(男に貢がせたと皆子は言った)、現在も贅沢な生活をしていた

A群⇒B群(=6年前から最近までに起きたこと)⇒C群
 B群がブラックボックスに相当し、A群とC群からブラックボックスの中身を推理する


1.A群とC群のⅠ、Ⅱより、古畑は死亡している
2.C群のⅦのマンション購入費は、坂田が払ったものであろう。
  マンション購入の頃(6年前)、ふたりが別れた(A-⑦、6年前)ので、貢がせたというよりは手切れ金的なもの
3.過去に大金を払ってまで別れた女からの誘いに、妻帯者となっている坂田がノコノコ出向くものなのか?手切れ金としては額が大きい(C群Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ)


ここで、右近はブラックボックスの中身が分かったらしい。
「キミは、心底愛した女性の為に、人を殺すことができますか?」

4.皆子とヨリを戻すうえで、災いとなるであろう古畑の存在を気にしないのは、その心配がないこと(死亡していること)を知っていたからである。
 さらに、皆子との会話で古畑の話題が出なかったのは、古畑死亡の共通認識があったからである。(C群Ⅴ)

5.二人が古畑殺害においt共犯関係にあるのなら、ふたりの関係が親密になるはずだが、実際には関係が切れており、手切れ金まで払っていた。
 つまり、ふたりは対等ではなく、坂田が実行し、皆子はその事実を知る立場にあった。しかも、皆子は殺害には関与しておらず、坂田の単独で自発的犯行だった。(C群Ⅶ)

「あんた、バカじゃないの?
 女の為に人殺しなんて…。
 ねえ、このこと黙っていてほしい?
 警察に捕まりたくないでしょう?」



「とんでもなく悪い女に、魅入られたもんだなあ」(by伊丹)
300万の無心を断られた皆子は、古畑の件を、(警察に言わずに)妻に言うと脅す。
(警察に言われれば、それで終わることができるが、妻に話した方が坂田が苦しみ、効果的なのを皆子は知っていた
「そう、用意できないんだ。
 (坂田の頬を平手打ちし)
 あたしのことを甘く見ないでね。
 明日、奥様にお会いできるのが楽しみだわ」



「そこまでにしましょう。
 気持ちは分かりますが、警察官のキミが言うべき言葉ではありません」
「ただ……彼がひどく哀れに思えて」
「(坂田が)供述を翻すようであれば、改めて僕が対処します」
「杉下さんなら、あそこ(橋脚)をぶち壊しそうですね」

 享は古畑殺害の証拠は坂田の供述だけで、立証するには橋脚に埋められた死体を掘り起こさなければならなず、不可能に近いと言及し、坂田は皆子殺害の罪だけで充分ではないかと、杉下につぶやく。
 甘酸っぱい初恋の思い出が、無惨にへし曲げられ、砕け散ってしまった享だった。

 いつもは、物分かりの良い単なる助手だったが、今回は自らの意思で動き、親に遺体引き取りを拒否されるほどの皆子の人生を検証するため新潟(長岡)にまで行った。右京とも意見を少し衝突させた。
 遺体の引き取りを拒否する親っているのだろうか?かなり疑問を感じたが、確かに“とんでもなく悪い女”だった。
 ただ、親がそこまで思ってしまうほどの皆子の悪行の描写はなかった。それに、皆子から両親へのハガキは享に皆子の足取りを追わせるためだけのモノだったように思えた。皆子が、わざわざ自分の行方を知らせるような女とは到底思えず、非常に不自然に感じた。

 それにしても、享の思い出の中では純真な少女だった皆子であったが、いつから、性悪女に変わってしまったのだろうか?彼女をここまで変えてしまった原因は何だったのだろうか?古畑が原因だとは思えない。
 そもそも、あの「淡い結婚の約束」は……彼女の本心だったのだろうか?
 生まれつきの悪女で、あの約束も偽りのもので、このころから男をたぶらかす術を身に着けていたと考えた方がスッキリする。


 今回のオチは、お互いのペア(右京&幸子、享&悦子)が「似合いのカップル」と感想を述べ合うものだったが、それより、皆子の葬儀で、小学校の同級生の男子が何人もやってきて、「お前も結婚の約束をしたのか?」と言い合う方が面白いと思う。

【ストーリー】番組サイトより
 都内の老舗料亭の庭で芸者の小鹿こと皆子(三津谷葉子)の他殺体が発見された。なじみ客の源(外波山文明)のトイレのお供に出たまま姿を消していたが、その間に殺害されたらしい。

 被害者の皆子は、実は享(成宮寛貴)とかつて結婚を約束した仲だったのだ。いてもたってもいられず享は独自に捜査することに…。享は新潟へ行き、皆子の過去を調べるがとんでもない事実が次々と明らかになる! そんな享に引きずられるように右京(水谷豊)も東京で事件の捜査に乗り出す。

 かつて享と結婚を約束した皆子が転落したような人生を送り、挙句の果てになぜ殺されなければならなかったのか? 彼女をめぐる3人の男たち、その中に意外な犯人がいるのか!? それとも…。

ゲスト:三津谷葉子、高橋洋、外波山文明、入来茉里

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一
コメント (2)
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