英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「取り敢えず警戒情報を出しておこう」……『大雪に関する異常天候早期警戒情報』

2013-12-25 14:29:46 | 気象
 昨日(24日)、『大雪に関する異常天候早期警戒情報』が出されました。
 何だか仰々しい情報ですが、週間予報より先の天気に対して警戒を呼び掛けるモノとのことです。
 具体的には週間予報より先というと来年の1月1日以降ということになりますが、その内容は
「12月29日(日)~1月4日(土)の1週間、降雪量が平年よりかなり多く(10年に1回のレベル)なる可能性がある」というものです。
 まず、この「平年より」という表現がくせ者で、確かに年の瀬から新年に掛けても大雪になる例は珍しくないのですが、まだ寒(小寒、大寒)に入っていないので、「平年値」としては降雪や積雪はそれほどのものではありません。
 なので、1月下旬に「平年より降雪量が多い」と言うのと、年の瀬に「平年より降雪量が多い」というのでは、実際の降雪量はかなり違うということになります。今年の年の瀬は、ある程度の20~30センチは積もるかもしれませんが、その仰々しさから感じられるほどの大雪にはならないと考えられます。
 この「平年に比べて」という考え方は、誤った印象を与えます。雨や雪の少ない月に、そこそこの雨や雪が降った場合、気象情報は「○月としては過去最高の降水(雪)量」とか「平年の2倍の積雪量」と表現することが多いです。
 たとえば、12月24日の福井市の平年の積雪は7センチで、普通よりは多い雪が降り積雪が15センチになったとしたら、「平年より2倍以上の積雪となりました」となります。15センチの積雪は嫌ですが、「大雪」と言うには到底届かない雪です。
 これが1月下旬だと「平年より2倍以上の積雪」は、46センチ以上の積雪tろなり、かなり大変な雪です。

 そもそも、日常は平均値ではなく刻一刻の状況なので、それを平均値(平年値)を尺度として表現することがナンセンスなのです。

 今回の警戒情報の詳細(気象庁ホームページ)を見ると、
「12月29日~1月4日、その地域に降雪量が「かなり多い」確率が30%以上ある」(北陸、長野県北部・群馬県北部、岐阜県山間部、近畿日本海側、山陰)
ということでした。
 
 「降雪量がかなり多い」「確率が30%以上」……不確か過ぎます。
 NHK福井では「降雪30センチ」という表記があったように思いますが、大げさな割には曖昧すぎます。
 それに、たとえ雪が大して降らなくても、確率が30%なので「外れた」という批難は受けません。
 警戒するに越したことはありませんが、平年と比べての評価や、その表現のあいまいさ、さらに情報発信の責任の無さを感じます


 それはともかく、今週末の28日(土)、29日(日)は寒くて日本海側は雪が降りそうです。
コメント (2)
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