英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ダンダリン 労働基準監督官』 最終話

2013-12-21 22:31:07 | ドラマ・映画
何のために働くのか?
 一般的にはお金を得るためである。ただ、それが最終目的になってしまうと、あさましい人生になってしまう。
 人は幸せになりたい。幸せになるためには(悲しいかな)お金が重要な要素であり、そのために働くのが通常の人々。仕事そのものに生きがいを見出せるのが望ましいが、なかなか難しいのが現状。辛いことの方が多い……
 「楽して儲ける」あるいは「金儲けが目的になる」状況に陥りがちであるが、自分の職業(仕事)の本質をしっかり見極め、その仕事の本分を尽くすのが大切である。

 今回、「楽して儲けよう」としたのが胡桃沢、「金儲けが最終目的」になってしまったのが飯野(旧姓・御子柴)社長)の二人を反面教師として、このテーマを展開し、ビシッと凜が言及して、気持ちよかった。理想主義のきらいがあるが、ドラマだからこのくらい言い切ったほうがよいだろう。(若干、飯野社長を糾弾するシーンは切れを欠き、冗長感があったのが不満)
 南三条を罠にかけた美月の父・小西(布施博)のエピソードもよかった。凜の糾弾によって会社がなくなり職を失ってしまったが、「当時より現在の方が幸せだ」という小西の言葉に、凜の心が少し軽くなったという面もあるが、今回のテーマの説得力を増した。

 また、窮地に陥った南三条や凛を救おうと署長や監督官の奮闘ぶりもよかった。
 ただ、小宮が多数の男友達に協力させるのはどうなのか……。男たちが勝手に親密度をランク付けしているのだろうが、それを容認(利用)している小宮は、やはり好きになれない。
 あと、胡桃沢の目を欺くため官舎から凜の荷物を運び出すシーンをドラマの初回、中盤、最終回と3度も見せたのは、思わせぶり過ぎ。(しかも、ストーリーの流れとは言え、喪服(礼服)姿)


 最終回というか、このドラマの大きな要素であった凛の親友で社労士だった岸本の死については疑問が大きい
 凜が労働基準監督官の職務に燃えていて、親友ならそういう凜を理解しているはずで、その凛の気持ちを曲げさせる「見逃してくれ」という言葉を吐いてしまった岸本の方が罪が大きい。
 そもそも、会社をそんな状態になってしまったのは岸本に一因があるはずで、岸本が死を選んでしまった責任をすべて凜が背負ってしまっているのはおかしい。
 その会社社長、そして上司であった相葉もかなり責任があるように思う。



 私の個人的な好みとしては、この凜の過去云々の話は無しにして、労働問題に絞って掘り下げてほしかった。また、他の署員ももう少し魅力的にして、凜と個々を関わらせてほしかった。
 とはいえ、今クールの中で一番面白かった。視聴率が低かったのは残念。


【ストーリー】凛(竹内結子)が、遂に監督官を辞める決意を固めた。厳しくも頼れる“指導係”に辞められるわけにはいかないと凛を引き留めようとする南三条(松阪桃李)に、凛は心の傷を告白する。新人時代、社会保険労務士だった学生時代の親友・岸本(金井勇太)が担当していた会社を凛が倒産に追い込み、その責任を感じた岸本が凛の目の前で自殺してしまったのだ。そして1年前、飯野(柄本明)が経営していた御子柴電機を凛が倒産させたせいで、今度は南三条を苦しめている。凛は、それに耐えられなくなってしまったのだ。

しかし、そんな凛を南三条が叱り飛ばした。飯野が再び経営者としてアプリドリームの労働者を苦しめているなら、彼らを救うことこそが凛の仕事だからだ。南三条の思いを受け止めた凛は、翌日、ある決意を持って出社。そして、南三条の無実を証明するために、真鍋(佐野史郎)や土手山(北村一輝)ら全員一丸となって各所に聞き込みにあたることになる。同じ頃、相葉(賀来千香子)は、凛を巡る陰謀に胡桃沢(風間俊介)が関係していることを感じ、不安を覚えていた。

そんな中、アプリドリーム社員で南三条を罠にはめた美月(石橋杏奈)が、かつて御子柴電機の窮状を訴えてきた小西(布施博)の娘だと気付いた凛の言葉を受け、土手山が小西のもとへ。しかし美月と絶縁状態の小西が、美月の居場所を知るはずもなく…。

南三条の送検まで1時間を切った。胡桃沢に行動を監視されていた凛は、遂に真鍋に退職届を提出。南三条の被害届が取り下げられたのを見届けて、凛は監督署を去って行った!!南三条たちは凛の退職届を破棄するよう真鍋に迫るのだが、既に労働局から凛の公務員宿舎の立ち退き命令が出ていて…。このまま凛は、労働基準監督官を辞めてしまうのか!?
コメント (8)
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