金曜プレミアム、2011年6月3日放映、警部補佐々木丈太郎シリーズ第3作「密告」
~惨殺体は刑事、姿無き愛人の完全犯罪ネコの毛と白骨死体が語る涙の絆とは?女達の愛憎劇、いま開幕~
相変わらずの長いサブタイトルはともかく、佐々木丈太郎(寺脇康文)と若手刑事・降谷拓(石黒英雄)のコンビが面白かった。
寺脇康文さんは、『相棒』の亀山薫のイメージから脱却しようと、どこか無理な役作りをしている感じがあったが、今作は力みがなく、石黒英雄とのやり取りにもいい味が出していた。
全体的にも面白かったが、警視庁捜査一課の伊知地寛之(松重豊)と妻の美代子(霧島れいか)の行動が不可解過ぎた。
愛娘が誘拐殺害され、夫婦仲が崩壊。
寛之は暴力団と癒着、さらに前歴者に対する脅迫し金品を巻き上げるという悪事に走り、美代子は浮気に走る。
浮気相手は寛之に恨みを抱く元犯罪者で、寛之への逆襲目的で美代子に近づいており、美代子はその男と結ばれるため、離婚を拒む寛之を絞殺しようとしてしまう。
もともとは仲の良かった夫婦。娘の死による悲しみが深いとはいえ、殺意まで抱くだろうか?(最初からどうしようもない亭主ならともかく、夫婦仲が壊れた原因が娘の死)
さらに、殺害に至る準備が周到すぎる。架空の女性名義でひと部屋借り、家財道具や衣服、身の回りの物一式を揃え、夫に愛人がいたと思わせ、その愛人が殺害したように見せかける……どれだけ手間やお金を掛けるのか?
寛之の方も、丈太郎と再会した時の良い人振りからは考えられないほど、悪事を犯していた。てっきり、悪事は誰かに陥れられ、妻ともやり直そうとしていたのかと思ったが、堕落していただけだった。金品を巻き上げていたというが、そのお金の行方は?離婚を拒んでいた理由は?
面白かったが、モヤモヤも残った一作だった。
同時期に録画した横山秀夫サスペンス「陰の季節5“事故”」と終着駅シリーズ 「砂漠の駅」、本作の中では、やはり横山秀夫サスペンスが抜群に面白かった。
【ストーリー】
情熱の刑事・佐々木丈太郎が、新たにイケメン相棒を引き連れて、警察内部の深い闇と、隠された家族の絆に挑む。誰にも言えない秘密を持った女たちの驚愕のサスペンス。
半年前、とある中華料理店で1人の男性客が包丁を片手に暴れ出した。そこに偶然居合わせた警部補・佐々木丈太郎(寺脇康文)は、ぼうぜんと立ちつくすおかみの多賀子(丘みつ子)をすかさずかばう。男は、丈太郎に襲いかかろうとするが、そこに立ちふさがった警視庁捜査一課の伊知地寛之(松重豊)が無事に男を取り押さえ、事なきを得た。
佐々木家には新しい命が誕生し、平穏な日々を送っていた。そんなある日、居酒屋にて絞殺と思われる伊知地の遺体が発見される。現場へ向かった丈太郎は、かつてコンビを組んだこともある彼の変わり果てた姿を前に衝撃を隠せない。そこには、ビデオカメラを回す若手刑事・降谷拓(石黒英雄)の姿もあり、丈太郎は彼をけげんそうに見ていた。しかし、この降谷とコンビを組んで事件を担当することになる。
殺害された伊知地のスーツには、女性用のファンデーションが付着しており、女がらみのトラブルの可能性も出てきた。また、伊知地は暴力団との癒着や前歴者に対する脅迫による金品の授受の疑いもかけられていたことが明らかになり、事件の謎は深まるばかりであった。一方、科捜研では、丈太郎の妻・涼子(横山めぐみ)と三浦さくら(山村紅葉)が、殺害に使われたであろうネクタイの指紋の検証を急いでいた。そんな中、捜査本部に犯人の名前を教えると言う匿名の電話が入った。
1つの事件から次々と連鎖して起こる殺人事件。捜査をするにあたり降谷が設置した捜査本部の隠しカメラには、矢島監察官(杉本哲太)の姿があった。彼もまたこの事件の真相を追いかける1人であった…。
脚本:石原武龍 末安正子
監督:鈴木浩介
~惨殺体は刑事、姿無き愛人の完全犯罪ネコの毛と白骨死体が語る涙の絆とは?女達の愛憎劇、いま開幕~
相変わらずの長いサブタイトルはともかく、佐々木丈太郎(寺脇康文)と若手刑事・降谷拓(石黒英雄)のコンビが面白かった。
寺脇康文さんは、『相棒』の亀山薫のイメージから脱却しようと、どこか無理な役作りをしている感じがあったが、今作は力みがなく、石黒英雄とのやり取りにもいい味が出していた。
全体的にも面白かったが、警視庁捜査一課の伊知地寛之(松重豊)と妻の美代子(霧島れいか)の行動が不可解過ぎた。
愛娘が誘拐殺害され、夫婦仲が崩壊。
寛之は暴力団と癒着、さらに前歴者に対する脅迫し金品を巻き上げるという悪事に走り、美代子は浮気に走る。
浮気相手は寛之に恨みを抱く元犯罪者で、寛之への逆襲目的で美代子に近づいており、美代子はその男と結ばれるため、離婚を拒む寛之を絞殺しようとしてしまう。
もともとは仲の良かった夫婦。娘の死による悲しみが深いとはいえ、殺意まで抱くだろうか?(最初からどうしようもない亭主ならともかく、夫婦仲が壊れた原因が娘の死)
さらに、殺害に至る準備が周到すぎる。架空の女性名義でひと部屋借り、家財道具や衣服、身の回りの物一式を揃え、夫に愛人がいたと思わせ、その愛人が殺害したように見せかける……どれだけ手間やお金を掛けるのか?
寛之の方も、丈太郎と再会した時の良い人振りからは考えられないほど、悪事を犯していた。てっきり、悪事は誰かに陥れられ、妻ともやり直そうとしていたのかと思ったが、堕落していただけだった。金品を巻き上げていたというが、そのお金の行方は?離婚を拒んでいた理由は?
面白かったが、モヤモヤも残った一作だった。
同時期に録画した横山秀夫サスペンス「陰の季節5“事故”」と終着駅シリーズ 「砂漠の駅」、本作の中では、やはり横山秀夫サスペンスが抜群に面白かった。
【ストーリー】
情熱の刑事・佐々木丈太郎が、新たにイケメン相棒を引き連れて、警察内部の深い闇と、隠された家族の絆に挑む。誰にも言えない秘密を持った女たちの驚愕のサスペンス。
半年前、とある中華料理店で1人の男性客が包丁を片手に暴れ出した。そこに偶然居合わせた警部補・佐々木丈太郎(寺脇康文)は、ぼうぜんと立ちつくすおかみの多賀子(丘みつ子)をすかさずかばう。男は、丈太郎に襲いかかろうとするが、そこに立ちふさがった警視庁捜査一課の伊知地寛之(松重豊)が無事に男を取り押さえ、事なきを得た。
佐々木家には新しい命が誕生し、平穏な日々を送っていた。そんなある日、居酒屋にて絞殺と思われる伊知地の遺体が発見される。現場へ向かった丈太郎は、かつてコンビを組んだこともある彼の変わり果てた姿を前に衝撃を隠せない。そこには、ビデオカメラを回す若手刑事・降谷拓(石黒英雄)の姿もあり、丈太郎は彼をけげんそうに見ていた。しかし、この降谷とコンビを組んで事件を担当することになる。
殺害された伊知地のスーツには、女性用のファンデーションが付着しており、女がらみのトラブルの可能性も出てきた。また、伊知地は暴力団との癒着や前歴者に対する脅迫による金品の授受の疑いもかけられていたことが明らかになり、事件の謎は深まるばかりであった。一方、科捜研では、丈太郎の妻・涼子(横山めぐみ)と三浦さくら(山村紅葉)が、殺害に使われたであろうネクタイの指紋の検証を急いでいた。そんな中、捜査本部に犯人の名前を教えると言う匿名の電話が入った。
1つの事件から次々と連鎖して起こる殺人事件。捜査をするにあたり降谷が設置した捜査本部の隠しカメラには、矢島監察官(杉本哲太)の姿があった。彼もまたこの事件の真相を追いかける1人であった…。
脚本:石原武龍 末安正子
監督:鈴木浩介