英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season16 第17話「騙し討ち」

2018-02-23 18:02:09 | ドラマ・映画
「協力者に違法行為をさせて良い事にはなりません。
 あなたは、ひとりの人間を再び犯罪者にしてしまった。
 ……まず、その罪の重さを知るべきです。


 それから、いいですかっ!
 我々警察官は法の正義を守るために居るんです。
 組織を守るために居るわけではありませんよっ!


 今話の脚本は金井寛氏(要注意脚本家のひとり)が担当。
 氏は“右京の正義”や“法の順守”をテーマにすることが多い。今話の視聴後はseason15 第8話「100%の女」を思い出してしまった。

 さて、『目的が正しくても、その手段が間違っていては、正しいことをしたことにはならない』というのが通常の倫理だと考える。
 右京も「100%の女」において、「法を破って、正義を全うできるとは思いません」と糾弾している。(右京の場合、違法捜査をよくするので、「あんたが言うな!」という突っ込みも多い)

 ただし、右京の場合、他人に法を破らせてはいない点で、一線を画していると言える。今回の捜査二課の梶刑事(矢島健一)も、協力者にピッキングによる家宅侵入や盗聴などをさせており、その点を強く糾弾していた。
 確かに、法の正義を守る警察官が自ら法を破るなどあってはならないが、個人的には≪証拠不十分で悪事が見過ごされる状況も拙いのではないだろうか≫と思ってしまう。

今回の突っ込み処は非常に多く、その突っ込む度合いも強い!
 梶刑事を糾弾する際、右京は
「最後の最後に協力者を裏切り、切り捨てた」と言っていたが、詐欺師に協力させ、協力者・瀧川(山中聡)を騙して仲間に引き入れた時点、つまり、最初から裏切っていたのではないだろうか?

 さらに、番組サイトの「ストーリー(あらすじ)」欄で、“一課と二課が捜査をめぐって一触即発!?贈収賄疑惑が絡む殺人事件の真相とは?”と謳う割には、梶刑事と協力者・瀧川との関係や、被害者のIT企業の営業マンが殺害された理由(贈賄の告発)も見え見えだった。
 突発的な殺人であるし、被害者を調べれば、上司の贈賄にはすぐたどり着き、右京が知恵を働かせなくとも、容易に犯人逮捕に至ったのではないだろうか?


 あと、気になったのは、捜査二課の現状。
 梶によると「犯罪が巧妙になり、立件できないことが多く、このままでは捜査二課が縮小されてしまう」とのこと。
 立件できない云々はドラマ上のことかもしれないが、≪業績を上げられないから縮小≫というのは、あまりにもまずい理屈なのでは?
 企業の業績ではあるまいし、悪事を野放しにするのだろうか?
 立件できないなら人員や設備を増強すべきである


【その他の突っ込み処】
 電池式盗聴器は、電池交換の為に忍び込まなければならずリスクが大きい。なぜ、電池式にしたのだろうか?


 冴えないストーリーだったなあ……
 
 

【『相棒』における金井寛氏脚本の当ブログの記事】
season16 第4話「ケンちゃん」
season15 第8話「100%の女」
season14 第13話「伊丹刑事の失職」
season14 第9話「秘密の家」
season14 第3話「死に神」
season13 第17話「妹よ」
season13 第6話「ママ友」
season13 第5話「最期の告白」
season13 第3話「許されざる者」
season12 第17話「ヒーロー」
season12 第12話「崖っぷちの女」
season12 第5話「エントリーシート」
season12 第2話「殺人の定理」
season11 第15話「同窓会」
season11 第8話「棋風」


【season16 の当ブログの記事】
第1話「検察捜査」
第2話「検察捜査~反撃」
第3話「銀婚式」
第4話「ケンちゃん」
第5話「手巾(ハンケチ」
第6話「ジョーカー」
第7話「倫敦からの客人」
第8話「ドグマ」
第9話「目撃しない女」
第10話 元日SP「サクラ」
第11話「ダメージグッズ」
第12話「暗数」
第13話「いわんや悪人をや」 前編(300回記念スペシャル)
第14話「いわんや悪人をや」 後編(300回記念スペシャル)
第15話「事故物件」 15分拡大スペシャル
第16話「さっちゃん」


【ストーリー】番組サイトより
一課と二課が捜査をめぐって一触即発!?
贈収賄疑惑が絡む殺人事件の真相とは


 IT会社の営業マンが自宅で殺害され、個人所有のパソコンが奪われる事件が発生。捜査一課の伊丹(川原和久)と芹沢(山中崇史)は窃盗犯による強盗殺人と見ていたが、右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は被害者の職業から、何らかのデータを狙った犯行も視野に捜査に乗り出す。すると、本来は汚職などの経済事件を担当する捜査二課の刑事・梶(矢島健一)も、この殺人事件を追っていることが判明。梶は中央省庁における贈収賄事件を捜査しており、殺された営業マンがその関係者とにらんでいた。しかし梶は、捜査一課に協力を申し入れることで情報が漏えいすることを危惧し、特命係に捜査協力を提案する。
 一課が追う殺人と、二課の梶が追う贈収賄。ふたつの事件に繋がりを感じた右京と亘は、手分けして捜査を進めることに。贈収賄疑惑の捜査に着手した亘は、被害者の勤務先で、彼が文科省の推進するデジタル教科書の案件に携わっていたという情報を掴む。
 いっぽう殺人の捜査に臨む右京は、被害者の隣人・瀧川(山中聡)の声が、事件を通報した“匿名通行人”の声と一緒であることを突き止める。さらに、瀧川に窃盗の前科があることも発覚して…!?

怪しげな隣人と強盗殺人の関係は?
事件の裏に見え隠れする官僚の収賄疑惑
関係者の思いが交錯する結末に誰もが騙される!


ゲスト:矢島健一 山中聡

脚本:金井寛
監督:権野元
コメント (2)
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