表題(また獲ればいい)は他人だから言えることなのですが、私の正直な気持ちです。
羽生さんにとっては非常に辛い状況で、喪失感、虚無感、脱力感、敗北感、無念さ、疲労などが渦巻いているのでは……時折、“心境を察するに余りある”という表現を耳にしますが、やはり、第三者には思い及ばないでしょう。
、簡単に「また獲ればいい」とは声を掛けられないと思いますが、それでも、また、タイトルを奪取する日が来ると信じています。現に、タイトルを獲得する力を充分に有していると思います。
とにかく、お疲れ様でした。広瀬新竜王、おめでとうございます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/2d/1cd2724cbaf314fac419d3ab33fcb37f.png)
昼食休憩(第2図)後の指し手は△2二玉だった。羽生竜王らしい堂々とした一手で最善手かもしれないが、後の展開を見ると、“裏目”の第一歩だったような気がする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/11/26447fbe4f7cccddbca4cc99766918ac.png)
“玉が2二に移動すると▲4一角が生じる”のは羽生竜王も百の承知で、その対応も用意しての指し手であろう。羽生竜王は手順を尽くして金を入手し、その金を7五に打ち、先手の狙いである▲6三歩成を牽制した。▲6三歩成には△6七歩▲同飛△6五歩を用意)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/5c/24635c2ee4cc6e37aabb62713fe433ed.png)
しかし、裏目図2では、6八の飛車が後手の成銀取りになっていて、△2七成香と後手を引かされるのが痛かった。この成香は先手の飛車を苛めるはずだったのに…しかも、2七に引いてもそれほど威力を発揮しない。
その後、歩の叩きを駆使し、銀、歩を打って先手の飛車と馬を抑え込もうとしたが、裏目図3の▲3五銀が後手玉の死命を制した一着となった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/ab/ef55a6dd60c2bef678f16de318460341.png)
後手は先の△2二玉の意を継いで△1二玉と垂らされた歩を払ったが、先手の馬と銀に急所を突かれる位置関係となる裏目。指し掛け図で威力を発揮しそうな馬が1四に居るだけとなっているのも皮肉(先手の馬とは対照的)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/e7/82ed160374313c3bb8e273c047242f93.png)
後手の玉頭をこじ開けておいての▲6六銀が決め手。
只なのだが、金で取っても銀で取っても▲6六同飛と取られ、△同銀(同金)に取った金(銀)を2三に打ち込んで後手玉は詰み。裏目図1の▲4一角に対して△3一金と引いた為、2三が手薄になっているのも裏目…
後手は△4四歩と先手の馬を攻めて抵抗するが、▲7五銀△4五歩▲6三飛成が決定的な一手。押さえ込みを図った金銀がぽろぽろ取られてしまった。先手の龍と後手の飛車の働きは雲泥の差。
その後も、後手の駒はぽろぽろ取られていった……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/90/788da4464f5cb95b7300475d9e28658b.png)
図の直前の▲7二金は歩頭の金打ち。しかし、これを△同歩は後手玉が詰む。△同飛なら▲同歩で受けなしなのだが、それにしても△1二銀は凄い。▲1二同成桂△同玉▲8二金と進み、桂1枚と飛車+銀の交換で大損。▲8二金と飛車を取られる手がなくても△1二銀は相当辛い手である。
……投了図。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/93/97f9988ccb0c26001aded076cbc7c804.png)
27年ぶりの無冠となってしまったが、名人位挑戦権争いのA級順位戦は5勝1敗で充分狙える位置。豊島二冠5勝0敗、広瀬竜王が4勝1敗と困難さを伴うが、名人位挑戦権を獲得し、佐藤天名人を破り、タイトル100期獲得すれば、これ以上ない復活のアピールとなる。
この際、NHK杯と朝日杯で優勝し、名人復位に華を添えてほしいものである。
羽生さんにとっては非常に辛い状況で、喪失感、虚無感、脱力感、敗北感、無念さ、疲労などが渦巻いているのでは……時折、“心境を察するに余りある”という表現を耳にしますが、やはり、第三者には思い及ばないでしょう。
、簡単に「また獲ればいい」とは声を掛けられないと思いますが、それでも、また、タイトルを奪取する日が来ると信じています。現に、タイトルを獲得する力を充分に有していると思います。
とにかく、お疲れ様でした。広瀬新竜王、おめでとうございます。
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昼食休憩(第2図)後の指し手は△2二玉だった。羽生竜王らしい堂々とした一手で最善手かもしれないが、後の展開を見ると、“裏目”の第一歩だったような気がする。
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“玉が2二に移動すると▲4一角が生じる”のは羽生竜王も百の承知で、その対応も用意しての指し手であろう。羽生竜王は手順を尽くして金を入手し、その金を7五に打ち、先手の狙いである▲6三歩成を牽制した。▲6三歩成には△6七歩▲同飛△6五歩を用意)
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しかし、裏目図2では、6八の飛車が後手の成銀取りになっていて、△2七成香と後手を引かされるのが痛かった。この成香は先手の飛車を苛めるはずだったのに…しかも、2七に引いてもそれほど威力を発揮しない。
その後、歩の叩きを駆使し、銀、歩を打って先手の飛車と馬を抑え込もうとしたが、裏目図3の▲3五銀が後手玉の死命を制した一着となった。
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後手は先の△2二玉の意を継いで△1二玉と垂らされた歩を払ったが、先手の馬と銀に急所を突かれる位置関係となる裏目。指し掛け図で威力を発揮しそうな馬が1四に居るだけとなっているのも皮肉(先手の馬とは対照的)。
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後手の玉頭をこじ開けておいての▲6六銀が決め手。
只なのだが、金で取っても銀で取っても▲6六同飛と取られ、△同銀(同金)に取った金(銀)を2三に打ち込んで後手玉は詰み。裏目図1の▲4一角に対して△3一金と引いた為、2三が手薄になっているのも裏目…
後手は△4四歩と先手の馬を攻めて抵抗するが、▲7五銀△4五歩▲6三飛成が決定的な一手。押さえ込みを図った金銀がぽろぽろ取られてしまった。先手の龍と後手の飛車の働きは雲泥の差。
その後も、後手の駒はぽろぽろ取られていった……
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図の直前の▲7二金は歩頭の金打ち。しかし、これを△同歩は後手玉が詰む。△同飛なら▲同歩で受けなしなのだが、それにしても△1二銀は凄い。▲1二同成桂△同玉▲8二金と進み、桂1枚と飛車+銀の交換で大損。▲8二金と飛車を取られる手がなくても△1二銀は相当辛い手である。
……投了図。
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27年ぶりの無冠となってしまったが、名人位挑戦権争いのA級順位戦は5勝1敗で充分狙える位置。豊島二冠5勝0敗、広瀬竜王が4勝1敗と困難さを伴うが、名人位挑戦権を獲得し、佐藤天名人を破り、タイトル100期獲得すれば、これ以上ない復活のアピールとなる。
この際、NHK杯と朝日杯で優勝し、名人復位に華を添えてほしいものである。