「2018竜王戦第7局 ~何だか、良くないような……~」
「また獲ればいい… (2018竜王戦第7局)」の追記です。
「また獲ればいい… (2018竜王戦第7局)」で羽生竜王の指し手の“裏目振り”について書いた。しかし、棋譜中継のコメント欄で、感想戦の検討が補足されており、それを読むと、更なる裏目と言うか、“そもそもの裏目”と言えるような解説(羽生竜王のコメント)が載っていた。
それが下図。

羽生は「突き捨てが余計だったですか。筋と思って突き捨てたんですが」と振り返った。この△8六歩を入れずに△2七角成は有力だった。本譜は突き捨てを入れたことで、先手にある手段が生じることになる。
その“手段”とは……

8筋を突き捨てたために、この桂打ちが生じた。「打たれてみると、応接が難しかった」と羽生。
▲8五桂△6三金に、▲7三歩と垂らされ、羽生竜王は△7一歩と辛抱したが、前日の記事でも書いたが、利かされ過ぎ。7筋に歩が立たなくなり、攻撃の幅が狭まり、飛車の横利きもなくなってしまった。
藤井猛九段は「後手ちょいよし」との見解。ここから△2五馬▲3六歩△8二飛▲6五歩△7六歩▲同銀△4五歩▲6四歩△6二金▲7一角△9二飛▲9三桂成△6一金▲9二成桂△7一金▲6三歩成△4四角という進行を有力と見ている。最後の△4四角が急所のラインで、△9九角成と△6六桂の狙いがある。
感想戦で羽生竜王も「なるほど……難しそうですね。これもあったかもしれません」とのこと。
ここ数年、“筋と思って”の「突き捨て」や「歩の叩き」が損だったということが良くあるように思う。
以前は「なぜ、突き捨てを入れないんだろう?」と思うことが多かった気がする
実は、「羽生王座失冠に思う」が「その7」で中断、放置状態。
そのシリーズと内容は少し異なるが、「最近の羽生将棋について感じること」(仮称)というような感じで書こうと思っていますが、いつになることやら……
最近でも「2018将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 準決勝 その2」、「2018竜王戦第6局・その1」で放置状態で、まず、その続きを書かなければならないのですが…
【追記の補足】

裏目図3で羽生竜王は△2二玉と馬筋を避けたが、これが敗着となったようだ。
裏目図4と2三の地点を直撃されてみると、1手を掛けた価値がなかった。
「△4三金▲2四歩△3四歩が調べられ、以下▲3四同銀△2四馬▲4三銀成△同銀▲3五金△4四歩▲2四金△4五歩▲3五桂△2四歩ははっきりしない」とのことだった。(棋譜中継、解説より)

それにしても、3一⇒2二⇒1二⇒2二と動いた後手玉の動き、辺境で活躍できなかった後手の飛車と馬と成香、ぽろぽろ取られてしまった押さえ込みを図った金銀と、すべて裏目に出てしまった将棋だった。
「また獲ればいい… (2018竜王戦第7局)」の追記です。
「また獲ればいい… (2018竜王戦第7局)」で羽生竜王の指し手の“裏目振り”について書いた。しかし、棋譜中継のコメント欄で、感想戦の検討が補足されており、それを読むと、更なる裏目と言うか、“そもそもの裏目”と言えるような解説(羽生竜王のコメント)が載っていた。
それが下図。

羽生は「突き捨てが余計だったですか。筋と思って突き捨てたんですが」と振り返った。この△8六歩を入れずに△2七角成は有力だった。本譜は突き捨てを入れたことで、先手にある手段が生じることになる。
その“手段”とは……

8筋を突き捨てたために、この桂打ちが生じた。「打たれてみると、応接が難しかった」と羽生。
▲8五桂△6三金に、▲7三歩と垂らされ、羽生竜王は△7一歩と辛抱したが、前日の記事でも書いたが、利かされ過ぎ。7筋に歩が立たなくなり、攻撃の幅が狭まり、飛車の横利きもなくなってしまった。
藤井猛九段は「後手ちょいよし」との見解。ここから△2五馬▲3六歩△8二飛▲6五歩△7六歩▲同銀△4五歩▲6四歩△6二金▲7一角△9二飛▲9三桂成△6一金▲9二成桂△7一金▲6三歩成△4四角という進行を有力と見ている。最後の△4四角が急所のラインで、△9九角成と△6六桂の狙いがある。
感想戦で羽生竜王も「なるほど……難しそうですね。これもあったかもしれません」とのこと。
ここ数年、“筋と思って”の「突き捨て」や「歩の叩き」が損だったということが良くあるように思う。
以前は「なぜ、突き捨てを入れないんだろう?」と思うことが多かった気がする
実は、「羽生王座失冠に思う」が「その7」で中断、放置状態。
そのシリーズと内容は少し異なるが、「最近の羽生将棋について感じること」(仮称)というような感じで書こうと思っていますが、いつになることやら……
最近でも「2018将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 準決勝 その2」、「2018竜王戦第6局・その1」で放置状態で、まず、その続きを書かなければならないのですが…
【追記の補足】


裏目図3で羽生竜王は△2二玉と馬筋を避けたが、これが敗着となったようだ。
裏目図4と2三の地点を直撃されてみると、1手を掛けた価値がなかった。
「△4三金▲2四歩△3四歩が調べられ、以下▲3四同銀△2四馬▲4三銀成△同銀▲3五金△4四歩▲2四金△4五歩▲3五桂△2四歩ははっきりしない」とのことだった。(棋譜中継、解説より)

それにしても、3一⇒2二⇒1二⇒2二と動いた後手玉の動き、辺境で活躍できなかった後手の飛車と馬と成香、ぽろぽろ取られてしまった押さえ込みを図った金銀と、すべて裏目に出てしまった将棋だった。