英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season18 第4話「声なき声」

2019-11-01 22:44:37 | ドラマ・映画
一見、“真実を伝えるジャーナリズムの追求”の深い社会ドラマだったが、登場人物の行動や、周辺の事象・事件などの練り込みが不足した浅いストーリーだった


【事件のあらまし】(ドラマ内での順序ではなく、時系列に沿う)
 ヤクトー工業は外国人労働者に過重労働を強いていた(外国人技能実習制度の悪用)
 その過重労働により、チェックミスが起こり、遊具で遊んでいた児童が転落死
 児童の死は「自分のせいだ」と悲しんだ外国人労働者のグエンが自殺
 同じ職場の労働者が、グエンの死と過酷な労働環境をメールで告発
 メールを受けた過重労働撲滅特別対策班の職員・片桐が調査、グエンの遺書を入手
 ヤクトー工業と癒着していた代議士・松下が過重労働撲滅特別対策班の班長に圧力
 児童の転落事故を調べていた“真実を伝えるジャーナリスト”中川(長谷川朝晴)がヤクトー工業の過重労働やグエンの死の真相に気づき、グエンの遺書を渡してほしいと迫る
⑧ 片桐は遺書を渡せば代議士から圧力を受けていた班長が窮地に立たされると思い、真実の追究と上司への思いとの板挟みに苦しみ、自殺



冒頭に挙げたテーマや事件の展開は良かったと思うが、疑問や納得のいかない点が多かった。

1.片桐の自殺は不可解
 上司思いと真実の追究の板挟みになったとは言え、自殺するまでの心因になるのだろうか?
 衝動的に飛び降りたのならともかく、「明日、グエンの遺書を渡す」と言って中川が立ち去らせた後、飛び降りた。つまり、ある程度の冷静さと時間の余裕があったのに、家族への別れやグエンの遺書を含めた身辺整理をしないのはおかしい。まあ、それはともかく、死ななくてもいいと思った。

2.ドラマ終盤、グエンの遺書を読んだ中川が真相を報じなかったのは納得がいかない
 片桐の自殺の原因が自分にあるとは言え、グエンの遺書を呼んだ“真実を伝えるジャーナリスト”の中川が報じなかったのは納得できない

3.おいしいところだけ持っていく風間楓子(芦名星)
 風間は中川に真実を報じるべきだと説得するのかと思ったが、違った。まあ、予想通りの行動(笑)
 さらに、説得せずにおいしいとこだけ持っていくだけでなく、中川を糾弾!
(これって、人の手柄を横取りし、さらに蹴落とすというブラックな行為)

 そもそも、中川は糾弾されるほどのモノだったのか?あの時点で遺書は手に入れられなかったので、記事を書くだけの確証を持っていなかった。

4.もっと遠くに靴を捨てるべき
 中川の部下の西島が中川の靴を隠した。
 片桐の自殺を知れば、中川は責任を感じて記事を書かないと思い、≪中川の靴が現場になければ自殺とは思われないだろう≫と考えた。
 なるほどと思ったが、どうせなら、もっと遠くに捨てればよかったのに。

5.代議士自らが出向いて圧力を掛けないだろう
 しかも、ひと目がある前で。(まあ、人前で圧力を掛けたので、片桐が自殺したのだが)

6.児童の転落死の決着は?
 遊具を製造したヤクトー工業、安全不備の遊具を購入設置した学校、遊具の遊び方を指導すべき教師などの責任問題は?
 ヤクトー工業の社長は全く責任を感じていないようだったが……




第1話第2話第3話


【ストーリー】番組サイトより
過重労働を取り締まる職員の謎多き転落死…
鍵を握るのは右京も一目置く正義のジャーナリスト!


 厚生労働省の過重労働撲滅特別対策班、通称“かとく”の職員が転落死体で発見された。かとくのメンバーは、特別司法警察職員として違法な事業所を検察庁に送検する権限があるため、口封じに殺された可能性も考えられた。
 捜査に乗り出した右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、現場の野次馬の中に、真実を伝えるジャーナリストとして名を馳せている中川(長谷川朝晴)がいるのを見つける。中川が、亡くなったかとくの職員と面識があることに不穏な空気を感じた二人は、中川と古い知り合いだという『週刊フォトス』記者・風間楓子(芦名星)に話を聞く。すると、中川が最近、遊具による児童の死亡事故を取材していたことが分かる。
 かとく職員の転落死と児童の死亡事故。一見接点がなさそうなふたつの事件だが、右京と亘がそれぞれの視点から捜査を進めると、意外な繋がりが見えてくる。

謎多きふたつの死に隠された共通点
正義の記者が追う事件の背景には権力の陰が!?
現代日本が抱える闇に特命係が鋭く切り込む!


ゲスト:長谷川朝晴

脚本:児玉頼子
監督:権野元
コメント (2)
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