一局を振り返ります。(「その1」の続き)
互いに振り飛車党なので、端歩などの駆け引きを経て、力戦になった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/65/5ff73d088ba7c4c978f3585c9170bcda.png)
△5六歩の取り込みを放置して、▲2四歩と突っ張る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/3b/e8784ef568b4b7d4e62c4807a7113ec9.png)
互いに銀を中央に繰り出すが、先手が飛車先の歩交換に手を費やしたので、飛車を5筋に転回した後手の伊藤女流三段が中央を制することとなった。
ちなみに、図の▲4六銀は直後に△5五歩と打たれて▲6七銀と後退させられるので無意味なようだが、後手に△5五歩と打たせるのが目的。
第2図以降は、互いに間合いを計りながらの指し手が続き、「“2歩の持ち歩+玉の固さ”対“中央を含めた陣の支配力”」の対抗となった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/ca/76e186257f5a67eea50595c657516c7d.png)
そして、第4図の△1五歩でいよいよ開戦。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/6f/4783647598e86389f74173ac04bf4385.png)
先手の角が追い詰められているようだが、後手の1三の桂も不自然な配置。
ここからの里見四冠の捌きが見事だった。
▲4五桂△同銀▲同歩1六歩▲4四角△同金▲同歩△同角▲4八飛△4三歩と進む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/4f/745d3f8d069452fed72bfbe18bdeb37c.png)
一旦、△4三歩と角取りを受けなければならないのでは、後手がつらい。後手の飛車が置いてけぼりになっているのも痛い。
その後、里見四冠が独特の踏み込みを見せつつ、寄せの態勢を築いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/bf/33e4c70ae649a550a7a7dc5f39188cb0.png)
ただ、ここでの後手玉への明快な攻めが分からない。後手からの△4九飛の高所の飛車打ちも見えており、ゆっくりできない。
しかし、それは杞憂で、▲5五馬が感心すべき一着。△5五同角成で、せっかくの馬が消えてしまうが、▲5五同銀で次の▲6四歩が厳しい。
適当な受けがない伊藤女流三段は△9五歩。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/0d/80324f44863d702ea1ac60d5e43b1d15.png)
これしかないという勝負手だが、これが先手陣の弱点を突いており、対応を間違えると優勢が吹っ飛んでしまう可能性もある。
▲9五同歩と面倒を見るのも有力だが、里見四冠は▲6四歩と取り込み、△9六歩(第8図)に▲6三歩成と踏み込む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/40/e37e552475b4cd50551a33a975387d1e.png)
中継の解説では「西山女流王座と佐々木慎七段は▲6四歩△9六歩▲9八歩△9七歩成▲同歩△9八歩▲6三歩成△同金▲7二銀△同玉▲6四歩を継ぎ盤に並べている」とある。
▲6四歩△9六歩(第8図)の局面では、▲9八歩と手を戻す方が安全そうだ。また、▲9三歩や▲9四歩や▲9五歩と9一の香を呼び込む手もありそうだ(ただし、△9七角と強攻される手を覚悟しなければならない)
しかし、里見四冠は▲6三歩成とさらに踏み込む。これで勝ちなら、その方が簡明だ。
勢い、伊藤女流四段は△9七歩成(第9図)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/b8/681a9e9a5c114cdf4e4193feb58a27d4.png)
△9七歩成に取るか逃げるか……
互いに振り飛車党なので、端歩などの駆け引きを経て、力戦になった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/65/5ff73d088ba7c4c978f3585c9170bcda.png)
△5六歩の取り込みを放置して、▲2四歩と突っ張る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/3b/e8784ef568b4b7d4e62c4807a7113ec9.png)
互いに銀を中央に繰り出すが、先手が飛車先の歩交換に手を費やしたので、飛車を5筋に転回した後手の伊藤女流三段が中央を制することとなった。
ちなみに、図の▲4六銀は直後に△5五歩と打たれて▲6七銀と後退させられるので無意味なようだが、後手に△5五歩と打たせるのが目的。
第2図以降は、互いに間合いを計りながらの指し手が続き、「“2歩の持ち歩+玉の固さ”対“中央を含めた陣の支配力”」の対抗となった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/ca/76e186257f5a67eea50595c657516c7d.png)
そして、第4図の△1五歩でいよいよ開戦。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/6f/4783647598e86389f74173ac04bf4385.png)
先手の角が追い詰められているようだが、後手の1三の桂も不自然な配置。
ここからの里見四冠の捌きが見事だった。
▲4五桂△同銀▲同歩1六歩▲4四角△同金▲同歩△同角▲4八飛△4三歩と進む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/4f/745d3f8d069452fed72bfbe18bdeb37c.png)
一旦、△4三歩と角取りを受けなければならないのでは、後手がつらい。後手の飛車が置いてけぼりになっているのも痛い。
その後、里見四冠が独特の踏み込みを見せつつ、寄せの態勢を築いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/bf/33e4c70ae649a550a7a7dc5f39188cb0.png)
ただ、ここでの後手玉への明快な攻めが分からない。後手からの△4九飛の高所の飛車打ちも見えており、ゆっくりできない。
しかし、それは杞憂で、▲5五馬が感心すべき一着。△5五同角成で、せっかくの馬が消えてしまうが、▲5五同銀で次の▲6四歩が厳しい。
適当な受けがない伊藤女流三段は△9五歩。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/0d/80324f44863d702ea1ac60d5e43b1d15.png)
これしかないという勝負手だが、これが先手陣の弱点を突いており、対応を間違えると優勢が吹っ飛んでしまう可能性もある。
▲9五同歩と面倒を見るのも有力だが、里見四冠は▲6四歩と取り込み、△9六歩(第8図)に▲6三歩成と踏み込む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/40/e37e552475b4cd50551a33a975387d1e.png)
中継の解説では「西山女流王座と佐々木慎七段は▲6四歩△9六歩▲9八歩△9七歩成▲同歩△9八歩▲6三歩成△同金▲7二銀△同玉▲6四歩を継ぎ盤に並べている」とある。
▲6四歩△9六歩(第8図)の局面では、▲9八歩と手を戻す方が安全そうだ。また、▲9三歩や▲9四歩や▲9五歩と9一の香を呼び込む手もありそうだ(ただし、△9七角と強攻される手を覚悟しなければならない)
しかし、里見四冠は▲6三歩成とさらに踏み込む。これで勝ちなら、その方が簡明だ。
勢い、伊藤女流四段は△9七歩成(第9図)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/b8/681a9e9a5c114cdf4e4193feb58a27d4.png)
△9七歩成に取るか逃げるか……