英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season20 元日SP 第11話「二人」

2022-01-02 22:16:39 | ドラマ・映画
第1話「復活~口封じの死」
第2話「復活~死者の反撃」
第3話「復活~最終決戦」
第4話「贈る言葉」
第5話「光射す」
第6話「マイルール」
第7話「かわおとこ」
第8話「操り人形」
第9話「生まれ変わった男」
第10話「紅茶のおいしい喫茶店」

《多数の伏線(謎・疑問・情報)が提示され、それらが次第に解明され、収束していく展開》と言えば、太田愛脚本。(誰が担当脚本かという情報はカットして視聴しています)
あと、太田氏の脚本の特徴
《登場人物に善人要素が多く、レギュラー陣もいつもより優しい。捜一トリオも特命係に協力的》
《世の中の理不尽さを問いかける》などが思い浮かぶ。
太田氏の伏線の回収の仕方だが、《謎がいくつか解明されるが、新たな謎が浮上する》というパターンが多いが、今回はそこまで複雑ではなかった。
それは、サブタイトルの「二人」……少年と老人、冠城姉弟、新と聡、新と祖母などの情愛がテーマだったからであろう。


疑問に感じることも少しあったが、面白かった。

★伏線(謎・疑問・情報)(前半部分)
①峯秋が会員になっているVIP御用達の高級レストランで、県有連事務総長の藤原信弘氏と与党政調会長・袴田茂昭代議士(最近、“子どもの貧困をなくす会”を立ち上げている)が来店しているのを見かける。さらにもう一人来訪するらしい。
②「最初から人数は5人と決まっている。だから、“3人を押さえてしまえば決まり”とそう考えているんでしょうね」という美彌子の言葉
老人(イッセー尾形)とどこかの秘書風の男が公園で揉めていて、その弾みで倒れて後頭部を強打し、昏倒する。頭から血も出ている。
 一旦、老人を公園のベンチに寝かせ、電話を掛けながらその場を離れる(その電話で“ゆうき”と名乗っていた)
④その後、同場所で、少年(新)の落としたスマホを探していた友だち(聡)が、男性二人がベンチ付近で揉めているのを目撃し、動画を撮影。
 それを察知した男が少年(聡)に近づき、その付近でスマホを発見し持ち帰る
⑤スマホの持ち主の少年(新)は、知り合いのマメさんに相談。男は動画の音声から男の正体を突き止めようとして、何か重大事項を掴み、男を呼び出した
冠城の姉・由梨(飯島直子)から、記憶喪失の老人について相談を受ける
 老人……湊 健雄………
・頭を強打して記憶喪失になったらしい
・横柄(身分が高い?社長)、「~たまえ」という口調
・穿いていたいたスラックスは高級品、靴はズック(シューズ)
・『デイリーハピネス」(キャピタル鉄道の駅の売店で店舗数は多い)という言葉を覚えていた
・”暇か課長”がその名前に聞き覚えがあった(組関係か?)
⑦デイリーハピネス……非正規社員を低賃金でこき使うブラック企業らしい
⑧老人を発見したのはスマホを探していた少年たち
 由梨とマメさん・遠藤佑人(システムエンジニア・腕に無限大のタトゥーがある)に助けを求めた
新(あらた)少年………
(ストーリーとは関係ないが、新(あらた)という少年の表記(漢字)は、文字に起こすと分かりにくくなる。“あらた少年”を漢字にすると“新少年”となって、なんだか、「新成人」とかいう意味に取られそう)
・かなり頭の回転が速く、機転が利く
・冠城が由梨の弟と名乗ったが、「会ったこともない」と言った(……用心深い)
・両親は離婚、母と祖母と暮らしていたが、母は病死
・祖母はデイリーハピネスで働いていたが、足の骨にひびが入る怪我をして入院中(個室って?)
⑨老人が穿いていたスラックスに見合うコートや腕時計や上着などが見当たらない→誰かが持ち去って、故買屋に売ったのでは?
⑩ボンバー高田…巡回員。少年ふたりがスマホを探しているのを見かけていた

★公園での出来事についての考察(途中経過)
 故買屋の情報から、老人のコートや腕時計を持ち去ったのはボンバー高田と判明。
 彼の話によると「老人の持ち物がベンチの付近にきちんと置かれていた」と言う(老人の身元を示すものはなかった)

 鑑識を呼び出して、現場検証したところ、ベンチに血痕と毛髪が見つかり、老人が後頭部を強打した場所がベンチと判明。
 そして、今までの情報から……
……バンブー高田が老人の持ち物を発見した時には、老人はいなかった(記憶を失った状態でさまよっていた)。
  ボンバーが来る前に、何者かが老人の上着、コート、腕時計を脱がせ、一度はそれらを持ち去ろうとした。
  なぜか、気が変わり、身元を示すものだけ抜き取り、あとはその場に置いていった……という奇妙な行動をとったことになる

そして、ほかに同じ晩に公園から持ち去られたものが2つある
・老人の靴(ジャケットやスラックスと老人が発見された時に履いていたシューズが不似合い)
・新のスマートフォン


★新たな事実の判明から真相に接近マメさんの死体発見、由梨の証言、暇か課長の記憶
マメさんの遺体の発見
・手首の8(∞)の入れ墨から身元判明
マメさんと福ちゃん(福田)の関係に関する由梨の証言
・福ちゃんの愚行をマメさんが諫めるなどマメさんが兄貴分だった
・老人が保護された日も、マメさんに叱られている福ちゃんを目撃していた
暇か課長、思い出す
・“湊 健雄”は課長が駆け出しの頃の組のガサ入れ押収品?だった
・スマホに送られてきた押収品の画像を見て仰天する右京
・“湊 健雄”は福ちゃんが若い時に組の幹部に乗せられて、演歌歌手でデビューした時の芸名だった

というわけで福田を問い詰め、供述させた
・気を失っていた老人を寝ていると思い、靴を自分のモノと取り換え、コートなどの所持品を剝いだ時に、財布の名刺入れから老人の正体を知り、ビビっていたら、意識を取り戻した老人が徘徊しだした。追いかけたが、少年たちが老人を発見してしまった。
・少年たちに由梨たちを呼びに行く指示をして、老人に自分の所業を気づかせたくない福田は、記憶が混乱するように自分を湊健雄だと思い込ませた(湊健雄と思い込ませたのは、たまたま夢を掛けた過去の芸名を思い出したから)
・福田から靴と名刺入れを回収。その名刺入れには「最高裁判所 判事 若槻正隆」の身分証明書があった。
大きな謎だった老人の正体が判明。(最初に挙げた伏線➀②に関係する人物だとは推察できた)

・そのことをマメさんに知られ、叱られていたところを由梨に目撃されたわけだが、マメさんは《老人の正体を知ったこと》や《少年たちの動画やスマホを持っていかれた経緯を知っていた》《マメさんのシステムエンジニアの技術》などの条件が重なり、議員秘書を脅迫してしまうという悪事を働いて、殺害されてしまった。

ドラマではスルーされていた驚愕のマメさんに関する推理
本名:遠藤佑人→「遠藤」→「エンドウ」→マメ

★美彌子からの情報、(それにしても美彌子は偉くなったなあ)
《若槻判事はデイリーハピネス裁判の担当裁判官(小法廷5人の裁判官の一人)で、“同一労働同一賃金”を掲げた「パートタイム有期雇用労働法」が施行され、それに関する訴訟がなされ、経営者側に有利な凡例を積み重ねるために3人の判事を抱き込もうとしていたのが袴田議員だった》
 社美彌子内閣情報官、伊丹曰く”随分なご登場”。美彌子も偉くなったなあ。リモート用の大画面で登場。実際、偉くなったが、大画面で角度的にも上から目線。

事件の真相のまとめ
 国を動かすには低賃金で働く労働者の確保が必要不可欠という考えで、「パートタイム有期雇用労働法」に関する裁判で、経営者有利な判決例を積み重ねようとして、最高裁判所判事・若槻を抱き込もうとしたが、その思惑を知り会食を拒否しようとした若槻と押し問答になった議員秘書と揉み合う。
 頭を強打した若槻が昏倒し記憶喪失。秘書は殺害してしまったと思い込み、議員に相談、現場に呼び出す。死体がないことで慌てる二人を少年たちが目撃……以後の詳しい経緯は上記の通りなので省略。
 全体の事情を把握できたマメさんが、判事の死体を処分したと嘘をついて脅迫したが、議員の命を受けた秘書に殺されてしまった。
 
【サスペンスとしての問題点や疑問点】
・偶然がないとドラマが成り立たないので許容すべきだが………偶然が多すぎ(たまたま右京たちが会食していたレストランで、VIPルームに案内される袴田議員らと遭遇。今回の登場人物とのめぐり逢い関係…例えば、事件の当事者の関係者の由梨が冠城亘の姉)
・最高裁判所の判事が行方不明になっているのに、騒ぎにならない



(以下はドラマとして)
☆悲しい、新の叫び
「聡のおばさんが言ってたよ。《貧乏人といると、一緒に恐ろしい破目に遭うか、恐ろしい事をする破目になるか、どっちか》って」(“聡のおばさん”という表現は正しいのかなあ?“聡のお母さん”が適切のような気がする)
 ある意味、《君子、危うきに近づかず》と言うか、真理のような気もするが…そう思うのは心が貧しいなあ。
 
一番、悲しかったシーン
「俺とさとしは、もともと全然違うんだ」(新)
「何が違うって言うんだぁ!」(冠城)
「うちには、ばあちゃんしかいないし、塾とかにも行けないし、あと、住民税が免除されているし」(新)
「そんなの、キミの責任じゃない!」(冠城)
「じゃっ、誰の責任だよっ!
 世の中みんな自己責任なんだよ。俺たちみたいなのは、どこまで行っても、努力が足りないんだよ」
(新)


☆袴田議員
「この国を動かすには低賃金で働く労働者の確保が必要不可欠」という考え
(「“国の経済”…“僕にはあなたとあなたのお友達の経済”にしか思えませんがね」という右京の皮肉に対して)
「国力を高め、国を豊かにするために必要なものを確保する、それが施政者の務めだ」と言い切る

☆右京
「あなた方にとって低賃金で働く労働者は国民ではなく“モノ”ということですか?
 そんな人々にも大事な家族や生活がある。どんな人にも守りたいと思うそれぞれの幸せがあるんですよっ!」

「それこそ、自分でどうにかしたらいいんじゃないのか」
「12歳の少年が、何もかも受け入れてあきらめて、《この世は自己責任だ』と言う。困ったときに助けを求めることすら恥ずかしい事だと思い込まされている……それが豊かな国と言えるでしょうか、公正な社会と言えるでしょうか!

(もっと言ってやれっ!袴田議員のような考えが横行しているから、世の中が良くならないんだ)

さらに、
「袴田さん、あなたのように自分たちの利益しか考えない愚かな権力者たちが、このような歪んだ社会を作ったんですよぉ」
「杉下とか言ったなあ。お前とはいずれ決着をつけなくてはいけないようだ」
「望むところです」
超至近距離でにらみ合うふたり。(ダチョウ倶楽部の上島竜兵ならキスのネタをしそうだ)

 このシーンには違和感。
 えっ?こんな奴、今日、決着をつけてよ!
 まだ、これからも登場するの?(それなら、役者さんを変え…(自粛))

☆根っからの悪人が少ない太田脚本
・マメさん……聡のスマホの動画データを削除し、危険な目にあわさないようにしたり、秘書を脅した後、データを処分。福ちゃんとのやり取りも情が暑そうだった
・福ちゃん……老人から身ぐるみ剥がそうとしたが、朦朧とさまよう老人の身を心配して後を追う。結局、靴と身分証だけ持ち去った
・議員秘書……議員の命令でマメさんを殺害したが、新や若槻に危害を加えたくはなさそうだった


【その他の疑問、感想】
・それぞれの「二人」の心の交流、特に、新と若槻老人の交流はよかった。
・「ワ~君(冠城)の“お姉さん”です」と名乗るのはおかしな言い方では「姉」と名乗るべき
・イッセー尾形さんが、時々、小林桂樹さんや松村達夫さんに見えた
・ジャズっぽいBGMで締めるのは、どうなのか?
・聡の母親の改心、豹変しすぎ

【ストーリー】番組サイトより
年の瀬の夜、亘の姉から奇妙な依頼が
記憶喪失の男の意外過ぎる正体とは!?


 年末、峯秋の誘いで高級レストランを訪れた右京(水谷豊)は、与党政調会長の袴田(片岡孝太郎)と経済界の重鎮が、会合を開いているところを見掛ける。個室のテーブルには、3人の席が用意されていたので、もう1人、参加者がいると思われた。同じ夜、落としたスマホを探していた少年が、大人同士が言い争う姿を目撃。それに気づいた男に、落としたスマホを持ち去られてしまう。
 翌日、年末年始の当番勤務にあたっていた亘(反町隆史)は、ある女性から呼び出しを受ける。同じく当番だった右京に、「紹介したい人がいる」と言い、連れ出した先は教会。そこにいたのは、亘の姉・由梨(飯島直子)だった。ピアノ教師をしながら教会でボランティアをしているという由梨は、保護した記憶喪失の男性(イッセー尾形)の身元を調べてほしいと依頼する。しかし、本人が“湊健雄”と名乗っている以外、手掛かりはなし。唯一、大手鉄道会社の駅売店の名前が記憶に残っているらしいが…!?
 そんな中、右京と亘は、湊を最初に見つけた2人の少年から話を聞く。利発な2人は、当時の状況を分かりやすく説明してくれたが、何かを隠している様子。どうやら、片方の少年が、雑木林でスマホをなくしたようで…!? 身元調査の糸口を求めて、駅売店の本社を訪れた右京と亘は、同社が非正規雇用の賃金問題で紛争を抱えていることを知るが、湊に関する情報は得られなかった。同じ頃、少年のスマホを手にした男が、身分を偽り、2人のすぐそばまで迫っていた。

2人の少年は何を目撃してしまったのか!?
亘の姉が保護した記憶喪失の男とも関係が?
人々の思いが交錯するとき、驚きの真実が明らかになる!


ゲスト:イッセー尾形 片岡孝太郎 飯島直子

脚本:太田愛
監督:権野元
コメント (3)
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