英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2021年度 A級順位戦6回戦終了時点での考察

2022-01-07 00:00:45 | 将棋
2021A級順位戦6回戦終了時の成績
左端数字は順位戦ランク
1 斎藤慎太郎八段6勝0敗 山崎○ 佐藤康○広瀬○ 菅井○ 永瀬○ 佐藤天○ 羽生  豊島  糸谷
4 糸谷哲郎八段 4勝2敗 菅井○ 永瀬● 山崎○ 広瀬● 羽生○ 豊島○  佐藤康 佐藤天 斎藤
2 豊島将之九段 3勝3敗 佐藤天○広瀬● 羽生○ 永瀬○ 佐藤康●糸谷●  山崎  斎藤  菅井
3 広瀬章人八段 3勝3敗 永瀬● 豊島○ 斎藤● 糸谷○ 佐藤天●佐藤康○ 菅井  山崎  羽生
6 佐藤康光九段 3勝3敗 羽生● 斎藤● 永瀬○ 山崎○ 豊島○ 広瀬●  糸谷  菅井  佐藤天
7 佐藤天彦九段 3勝3敗 豊島● 山崎○ 菅井● 羽生○ 広瀬○ 斎藤●  永瀬  糸谷  佐藤康
9 永瀬拓矢王座 3勝3敗 広瀬○ 糸谷○ 佐藤康●豊島● 斎藤● 菅井○  佐藤天 羽生  山崎
5 菅井竜也八段 2勝4敗 糸谷● 羽生○ 佐藤天○斎藤● 山崎● 永瀬●  広瀬  佐藤康 豊島
8 羽生善治九段 2勝4敗 佐藤康○菅井● 豊島● 佐藤天●糸谷● 山崎○  斎藤  永瀬  広瀬
10山崎隆之八段 1勝5敗 斎藤● 佐藤天●糸谷● 佐藤康●菅井○ 羽生●  豊島  広瀬  永瀬


 “考察”と何となく客観性を感じさせる表現だが、羽生ファンである私が、羽生九段が残留してほしいという願望で、「今後、1敗もしくは2敗しても、残留できる可能性」を追求しているだけである。

 と、その前に現状を整理しておこう。
 名人挑戦者は6勝0敗の斎藤八段でほぼ決まり。
 何しろ、成績2位とは星二つの差で、しかも、糸谷八段一人しかいない。斎藤八段は1勝すればプレーオフ以上が決定。次の7回戦で斎藤八段が勝ち、糸谷八段が敗れれば、名人挑戦者決定である。
 一応、3勝3敗の5名も挑戦者になる可能性もあるが、その可能性は斉藤八段が1勝した時点で消滅するので、挑戦権を得ることができたら、“奇跡以上”である。

 残留争いは3勝3敗の5名を含む8名に降級の可能性がちらつく混戦模様。
 ただし、ランク7位で3勝3敗の佐藤天九段以上の成績者は、降級の可能性は低い。佐藤天九段以上の3勝3敗者(佐藤天九段を含む)は、羽生九段とは“1ゲーム半”のアドバンテージがあるのが大きい。
 山崎八段には申し訳ないが、降級はほぼ確定として考えさせていただくと、永瀬王座、菅井八段、羽生九段の3者全員揃って佐藤天九段より上位の成績を上げるのはかなり可能性が低いと考えられるからである。
 佐藤天九段が残り3局を1勝2敗で終わったとしても、先の3者が佐藤天九段を上回るには、永瀬王座と菅井八段は2勝1敗、羽生九段は3戦全勝が必要。永瀬ー羽生戦もあるので、3者全員がこの条件をクリアするのはかなり難しい。
 もちろん、佐藤天九段が3戦全敗すれば降級の可能性は増すが、それでも、永瀬王座と菅井八段は1勝2敗、羽生九段は2勝1敗以上が必要になり、3者全員がこれをクリアできない可能性はかなりある。特に、悲しいことに、現在の羽生九段にとっては、2勝1敗はなかなか難しい。
 そんな訳で、残留争いは永瀬王座、菅井八段、羽生九段に絞ってよいと考える

 ここからは羽生九段を中心に考えます。
➀羽生九段が残り3局を3戦全勝の場合
 羽生九段の最終成績は5勝4敗となり、残留は決定。確か、順位戦では「指し分け以上の成績者は降級しない(降級点はつかない)」という規定があったはず。この規定がなくても、羽生九段の今期の場合、残り3局を全部勝てば、永瀬王座が1敗することになり、その他の2局を勝っても5勝4敗でランクが9位なので羽生九段より下位となる(それに、おそらく、他の3勝3敗の棋士の内、誰かは5敗するような気もします)。
 そもそも、《5勝4敗で9位になることがあるのか?》だが、5勝4敗が9人、0勝9敗が1人となる場合があり、5勝4敗の棋士でランクが一番下位の棋士が9位となる。
 それと、知恵袋で次のような回答がありました。
『第27期A級は11人参加で3人降級が原則でしたが、3勝7敗2人、5勝5敗6人、6勝4敗2人、7勝3敗1人で、降級は2人となりました。(5勝5敗で順位が一番下だった灘8段はA級に残留)』
 実際に、「指し分け以上の成績者は降級しない」という規定が適用されたことがあったのは、驚き。

②残りを2勝1敗の場合
《ケース1》勝ち星に対永瀬王座戦を含む
 巷では「羽生九段は残りを2勝1敗でも苦しい」と言われているが、対永瀬戦に勝った場合は、残留確率は上がる。羽生九段の最終成績は4勝5敗。これを永瀬王座が上回るのは、対羽生戦以外の2局とも勝たなくてはならない(対局相手は佐藤天九段と山崎八段)。
 また、菅井九段はどうかと言うと、やはり、2勝1敗以上が必要となる。対局者は広瀬九段、佐藤康九段、豊島九段なので、ハードルは低くない。
《ケース2》対永瀬王座戦で敗れての2勝1敗
 この場合は、永瀬王座に1勝提供しているので、永瀬王座はその他の2局のうちどちらかに勝利すればよいことになる。
 となると、菅井八段頼み?だ。条件は“ケース1”の場合と同じなので、羽生九段が2勝すれば、絶望と言うわけではなさそう。

③残りを1勝2敗の場合
 この場合を掘り下げるのは、精神衛生上よろしくないのだが……
 羽生九段の最終成績は3勝6敗で、これを永瀬、菅井の両棋士がこれを上回るには、ともに1勝2敗でよい(全敗しなければよい)。羽生九段が残留する可能性は低いと考えられるが、両者の内、どちらかが全敗すれば助かるので、絶望とまでは言えない……かもしれない。
 この場合、②で述べた通り、1勝が永瀬王座の場合の方が残留の可能性が少し高くなる。

④残りを0勝3敗の場合
 ……………陥落。


さて、一番肝心なのが、残り3局に勝てるかどうかだ
今日(1月7日)には対斎藤八段戦がある。
 対戦成績は5勝3敗と勝ち越しているが、ここ2局は完敗で、あまり勝てる気がしない。さらに、斎藤八段はここまで6勝0敗と充実している(他の棋戦で挑戦権争いに絡んでいないのが不思議だ)
 ただし、勝てない相手ではないはず。ここで勝利すれば、かなり道は開けてくる。

第8戦は永瀬王座戦
 対戦成績は4勝11敗(4連敗中)で、見通しは暗い。
 でも、やはり、勝てない相手ではない。そろそろ勝つ頃と考えよう。

最終局は広瀬九段戦 
 竜王戦では痛い思い出がある。対戦成績は羽生九段の21勝15敗と勝ち越している。随分以前の勝ち星はあてにならないが、ここ2年では2勝1敗と一応勝ち越し。
 今年度は14勝7敗(直前10局は4勝6敗)と好調ではない。残り3局の中では、一番勝つ可能性が高そう。

 最終局に残留の可能性を残している状態であってほしい。
 いろいろ考えると、道は険しいが、まだまだ望みはある。

 勝負はやってみないと分からない!
 とにかく、羽生九段本来の将棋を指してほしい。
コメント (6)
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