英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『NHKスペシャル 混迷の世紀 ~巻頭言2023 世界は平和と秩序を取り戻せるか~』 その1

2023-01-05 14:58:53 | 時事
《ロシア国民は○呆なのか?》と思っていたが、それだけが要因ではないようだ。
 ウクライナが砲撃を受け、インフラや住居を破壊、たくさんの生命をも奪われている……そんな現状を傍観し、何も思わない…そんなロシア国民は血が通っていないのかと思っていたが、情報統制で本当の現状を分かっていないのか(かくいう私も真実が分かっていない可能性もある)、それとも、本音を言えずにプーチンに従っているだけなのかもしれない。

 昨年12月に放送された『NHKスペシャル 混迷の世紀 ~巻頭言2023 世界は平和と秩序を取り戻せるか~』の再放送を見た。
 番組では、7人の識者が見識を語っていた。
その中の一人、スベトラーナ・アレクシェービッチ氏(ウクライナ出身のジャーナリスト、ノーベル文学賞受賞者)が、上記の疑問のヒントを語っていた。

(取材していたジャーナリストに対する)ロシア軍にいた息子の葬儀をしていた母親の言葉
「あなた(ジャーナリスト)の取材を受けると、死んだ息子に支払われるお金がもらえなくなる。そのお金で娘の家を建てるつもりだ」
……恐ろしい言葉だ

アレクシェービッチ氏は言う――
「アフガン侵攻時の取材での当時の母親たちは戦死した息子の記憶をお金に換算しなかった
 息子の死を忘れないために、お墓を建てることにお金を使った。彼女たちはクレムリンを呪っていた。
 現代の社会がいかに退廃しているかが分かる言葉(態度)だ」
……と

この背景には
《プーチンの情報統制、特にテレビによる強力な思想(思考)コントロール》があると言う。
ロシア国民はテレビをすべて信じているかのようだ。
【捕虜になったロシア兵とその両親の会話】
兵士「ここにはナチス主義者も民族主義者もいない。普通の人たちで、僕たちを攻撃しない」
両親「私たちはテレビを見てすべての事実を知っている。あなたは英雄なのだから敵を殺しなさい」と叫ぶ
【ある女性の夫の兵士に対して】
妻「できるだけの多くの女性を暴行しなさい。あなたはウクライナ人に復讐しなければならない」
兵士「何に対して復讐するの?私はなにもされていない」
妻「あなたはテレビを見ていないからよ」
………真実が奪われている

《戦争反対の声が広がりにくい》
子ども(夫)は反プーチン派で親(妻)はプーチン支持というように、多くの家庭で対立が起きている。

アレクシェービッチ氏は言う――
ロシアは2つに分断されているが、プーチン大統領に反対する人たちは無力だ。
教師が授業で“戦争反対”を言うと、職を失う。記者も同様。
プーチン大統領を批判すると誰でも同じ目に合う。そのため、社会が力を合わせることはできない。戦争に反対する力は無力である



 一刻も早く、ウクライナ侵攻が収束してほしい。
 軍事的にはまだまだ決着しそうになく、施設・建物の被害が大きくなるばかり、それに、何よりも失う命は取り返しがつかない。
 簡単な問題ではないと思うが、ロシア国民が侵攻中止の声を上げて、プーチンを止めてほしい。
コメント
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