英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

本末転倒?……ふるさと納税、三重・四日市市“赤字8億円”

2023-01-21 15:55:15 | 時事
「三重・四日市市“赤字8億円”で…ふるさと納税“特命” “年収1000万円”で職員公募」
 三重県四日市市・森智広市長:「令和3年度の実績ですが、5000万円の当市への寄付に対して、8億5000万円を市民の方が他の自治体に寄付していて、マイナス8億円の赤字」

 NHKのニュース『おはよう日本』でも取り上げられていた(約1分間)。

 こういう状況なのは、四日市市だけなのだろうか?
 三重県は《寄付金の増加を目指し、高い専門知識と能力を持った職員を公募することを決定。待遇は、市の職員としては破格の年収1000万円》という策を打ち出した。
 ……四日市市云々ではなく、“ふるさと納税”自体が本末転倒のような気がする
(四日市市の策も、本末転倒ではあるが)


そもそも、“ふるさと納税”の理念
 「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」というモノだったはず。

ところが、総務省「ふるさと納税」のサイトによると、
 「ふるさと納税の理念」というページがあって、“三つの大きな意義”が謳われている。その3つというのが
・第一に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考えるきっかけとなる制度であること。
それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になります。
・第二に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること。
それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になります。
・第三に、自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと。
それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけへとつながります。


 現在は、第三の項目がメインと言うか、それのみが前面に出てきてしまっている。
 “自治体間の競争が進む”ことって、理念が全然違う!
 
 元々の始まり(理念)は第二の項目に当たるが、それさえも……「生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度」というのも、かなり歪曲されてしまっている。


 本末転倒という表現が適切なのかは自信がないが、“ふるさと納税”が当初の理念とはかけ離れたモノになっているのは間違いない。
 そして、総務省のホームページで堂々と謳われている理屈が、今の日本、今の政府、今の自民党(いや、ずっと昔から)の考え方が表れているように思える。
コメント
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